グラムキンとの対決

「もうじゅうぶんだ」グラムキンがすすで汚れた鼻息を吹き出し、怒鳴りました。「何もないことを大げさに騒いでいるだけだ」
彼は赤い大地を大きくひと噛みしぐっと飲み込みました。「お前たちがすむ場所なんかいくらでもある。移動すりゃいいじゃないか。単純なことだろう」

ランブルはグラムキンを説得するのは彼にかかっていると思いました。彼は泉の土手にあるドラム缶を見つめました。
「缶の中には何が入っているんだ」彼は尋ねました。
「オイルさ」とグラムキンがうなります。

「それはきみにとって大事なものかい」とランブル。
「もちろんだ」グラムキンがぶっきらぼうに答えます。「俺はそれなしでは生きていけない」

「ほう、そう?」ランブルは缶を取り上げて言いました。
「僕がオイルをこぼしたらどうなるかな?」

「おい、やめろ」グラムキンが叫びました。「それは俺の最後のオイルが入った缶だ。必要なんだ。こぼさないでくれ、頼むよ」

「ふ〜ん」ランブルはドラム缶の上に座って言いました。「さあ、これで誰かが自分の大事なものに注意をはらわない時にどう感じるかわかっただろ。どう、楽しいかい?」

「わ、わかった。きみが正しいよ」グラムキンはちょっときまり悪そうに答えました。「俺が注意しなかったのは考えていなかったからだ」


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