中学校の部は3つに分かれ、私とフェルマータは、♪あんだんて♪会員さんが司会をされる1、2年の部の司会を手伝った。
初日は大半の参加者が不登校の子どもを持つ母親。中には夏休み中にクラブに行きづらくなり、新学期が心配だという方も。お友達に「つどい」を紹介されたとおっしゃっていたが、こういう形での広がりは大切だ。時間が少なかったので、とりあえず各自の自己紹介で終わったが、「学校・先生との関わり方」、「いじめ」という2つのキーワードが浮かび上がり、翌日の分科会のテーマがはっきりしてきた。
2日目は、昨日の参加者に合わせて現場の教員も参加してくださり、具体的な話に。
「先生・学校との関わり」の中で1つ見えてきたのが、教師自身の問題。教師が自己肯定感を持てなくなっている。子どもに自分の力が通じない不安、あるいは教師間のいじめなどもあり、「いい仕事」の感覚を忘れてしまっている人が多くなっているようだ。私たちから見ても、そのことは感じ取れる。教師が子どもと向きあう時間も、どんどん減ってきている。そのような環境の中で学校といい関係を保っていくためには、まず担任と話をし、それで上手くいかない時は、教育相談担当やスクールカウンセラーとも関わりを持ち、その中でキーマンとなる先生を捜し出すことも必要。就学前にいろいろと相談したい時も、同じだという。
ただ、子どもが学校に行けない中、親があきらめずに学校に関わることは、かなりのエネルギーが必要だ。過度に学校に期待しないで、ちょっと距離を置くことも時には必要なのではないか?参加されている方の中には、何とか子どもが学校に行けるようにと学校と関わりを持ち、ご苦労されている方も多く、その疲れが伝わってくる。そんな中で、私たちや親の会の世話人さんから、自分たちの子どもが学校以外の場所でもしっかりと成長しているという話が出て、参加者が「家にいても大丈夫なんですね」とホッとされる場面も。学校とだけ関わっていると、何とか子どもを学校につなぎ止めたいと思ってしまうが、いろんな話を聞くと視野が広がるね。これが分科会のいいところだと思う。
次に出たのが別室のこと。部屋はあっても教職員がいないというケースも多いが、現場の教師からは「管理職が知恵を絞ればやり方はある」という意見が出た。確かに普段お話を聞く中でも、管理職に理解があるかどうかで、その対応に差がある。でも、その知恵だけに頼っていれば、どこかに歪みが出てくるような気がするが・・・。また、その別室もそこに来る子どもたちが学校でホッと出来るよう、「最も学校らしくない空間が作り出せるか」ということも大切。教師は「子どもに対してがんばるのではなくて、学校に対してがんばらないと」という現場教師の言葉は心強い。学校によっては保護者のボランティアを活用して、障がい児や不登校の子どもを持つ親ごさんの支援をしているところもあるそうで、これからはこういうことも視野に入れていくことが必要だ。
また「いじめ」の問題は、つらい思いをしながらも学校に通っているケースも多く、心配なことだ。話を聞いていると、やはりその時の教師の対応が大きく影響している。まずいじめられている子どもをしっかりと守る体制をクラス全体の中に作り、その子が安心して登校できるよう配慮した上で、いじめている子にもしっかりと向きあう。このように対応されているところでは、それをきっかけにいいクラスづくりができていく。
しかし、教員にゆとりがなかったり、あるいは力不足でその場限りの対応をすると、エスカレートしていくことも。こんな時に、学年で、あるいは学校全体でチームを組んで対応できればいいが、その体制が機能していない学校もまだまだ多い。教員は雑用が増えて、子どもと向きあう時間が減っていると聞くが、犠牲になるのは子どもだ。この事を忘れずに、学校づくりをしていってほしいのだが・・・・。
親の参加者は2日ともほぼ同じメンバー。宿泊して交流を深められた方も多く、最後には皆さん、和やかなお顔になられていた。また子どもさんが一緒に来られている方も多かったが、子どもさんはボランティアの学生さんたちと交流して楽しい時間を過されていたようだ。いつもは見られない活き活きとした子どもさんの様子を、うれしそうに話してくださる方も。司会をされた会員さんは初めてで少し緊張されていたが、とてもいい雰囲気を作りだしてくださった。参加者の皆さんから「来てよかった」ととのお声を聞き、私たちもホッとした。(さくら)
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