♪あんだんて♪レポート


京都府公立高校
長期欠席者特別入学者選抜について聞く
9月24日(土)
京都府教育委員会高校改革推進室
  
 京都府の公立高校の入試では、中学校3年間の報告書の評定が大きな比重を占め、不登校の子どもたちにとって公立高校の全日制に合格することは、とても難しかった。しかし来年度の選抜から、長期欠席者を対象に評定を問わない枠ができることになった。詳しいことを知りたいと思っていたところに、「登校拒否・不登校を考える京都連絡会」から府教育委員会高校改革推進室に話を聞きに行くという連絡を受け参加した。

この「長期欠席者特別入学者選抜」の出願資格は、(1)平成18年度3月に中学校を卒業する見込みの者で、(2)中学校在籍中、第1学年から第3学年のいずれかの学年で、年間30日以上の欠席がある者となっており、朱雀、城陽高校が各10名程度、西舞鶴高校が5名程度(普通科T類、U類)募集する。選抜方法は学力検査(国、数、詠)、面接・作文、報告書で、問題や合否の決定方法は、原則として当該高校の校長の裁量となっている。報告書には各学年の出欠状況や、欠席の理由、生徒の状況などを書く欄がある。
選抜は特色選抜や推薦入学に先だって行われ、合格した場合は他の選抜を志願することができない(詳しくは「PAS A PAS」高校情報最新データに掲載します)。

 一通り説明していただいたあと、質疑に移った。「募集枠が3校にしかなく、通学時間の関係で志願できない子ども達もたくさんいるのではないか?」、「合否の決定で、何が重要視されるのか?」、「また報告書の記載に関し、学校との関係が上手くいっていない場合、欠席の理由や生徒の状況をきちんと書いてもらえるのか?」など、様々な問題点が出てくる。自分自身の子どもが不登校であったり、不登校の子どもを持つ親御さんに長年関わってきた連絡会のメンバーだからこそ、気がつくことばかりだ。
もちろん、教育委員会も他府県の状況を調べ、検討の結果動き出したばかりで、「これは第1歩なんです」と主張される。しかし、子ども達には今しかない。各高校にこのような枠を作ったり、滋賀県にある上申書のように、子ども達が自分の思いを伝える術を考えることが急がれる。

またこの選抜制度は、長期欠席者が報告書の評価によって不利にならないようにというもので、入学してからは一般の生徒達と同じ対応になる。対象の学校全てにスクールカウンセラーが配置されているわけでもない。不登校を経験した子ども達のためだけでなく、他の生徒達のためにも、受け入れ側の高校の支援の充実が必要だ。高校再編が進む中、進学に重きを置く学校の充実が目につくが、子ども達がいろんな形で選択でき、安心して通える魅力的な高校を作ることが一番大切なことだと思う。
高校改革推進室の方は、私たちの意見を聞き、誠実に応えてくださる。子ども達の本当の姿を伝えるためにも、こういう機会を持っていけたらと思う。(さくら)



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