♪あんだんて♪レポート


野田川珍道中 3月26日(土)
野田川町教育委員会
  
 野田川町教育委員会からの依頼を受け、フェルマータと二人で話をしに行くことになった。10時に京都駅で待ち合わせていたのだが、家を出て最寄りの駅に行くと、いつも乗っている私鉄が事故のために不通になっていた。あわてて振り替え輸送のJRに走ったが、普段乗っていないためどのくらい時間がかかるのかさえわからない。フェルマータにとりあえず予定の列車に乗ってもらうよう連絡を入れ、もし間に合わなければ次の列車で追いかけようと、心を決めた。しかし珍しく早めの待ち合わせにしていたおかげで、何とか発車の5分前に飛び乗ることができた。フェルマータは、私が間に合わなかったら、どうやって2時間持たそうかと真剣に考えたらしい。本当に申し訳ない。しかし、この二人で出かけると、どうもいろんなアクシデントがつきまとう。以前にも道に迷ったことが・・・、前途多難だ。
 花粉症に悩まされ続けている私たち、車窓を見ると杉の木に花粉がいっぱい、見るだけでくしゃみが出てきそうだ。

 スタートはバタバタしたが、定刻に天橋立に到着。教育委員会の方が迎えに来てくださっている。車の中で、野田川町の現状を聞く。小学校はそれぞれ規模の違う学校が5つ、そこから1つの中学校に進学することになり、入学後しんどくなる子もいるようだ。町には週1回スクールカウンセラーが来所し、相談にあたっているという。今後、加悦町、岩滝町との合併も予定され、子どもたちを取り巻く状況も変わっていくようだ。
 今回私たちを呼んでくださったNさんは、なかなかユニークな発想の持ち主のようで、今回もどこかの有名な先生を呼ぶよりも、もっと身近な人から話を聞く方がいいだろうと思っていたときに、京都新聞の記事を見かけられたそうだ。こうして私たちの活動に気を止めてくれる人がいるというのはうれしいことだ。

 さて会場には20数名の人たちが参加してくださった。保護者だけでなく、民生委員さんなど地域で子どもたちを支えてくださってる方も多く参加している。
 前半はフェルマータが、「不登校の理解のために」と題し、レジメに沿って不登校の子どもたちの様子や、その背景にあるものをわかりやすく、丁寧に話してくれた。誰もが真剣に耳を傾けくれている。途中「花粉症でひどい顔をしているけれど、いつもはもう少し綺麗なので、頭の中で修正してくださいね」なんて冗談も・・・。

 後半は質問用紙に二人で答えていった。学校の先生はどう関わればいいのか?、不登校になる前のサインは?、親に原因はないのか?、軽度発達障害の子どもとの関わり方は?など、具体的で、鋭い質問もあった。自分自身の経験や、今までであった人たちから聞いた話を織り交ぜながら、話をさせていただいた。持っていった、「PAS A PAS」や「心あっためてwarming up」、 「今だから話せること」もたくさん買ってくださり、また残って相談をされる方もあり、とても充実した2時間だった。思い切って寄せてもらってよかった。

 帰りも天橋立まで送っていただき、家族とあんだんてへのおみやげを買って帰途についた。帰りは福知山まで「タンゴエクスプローラー」というかっこいい列車。天井にまで窓があったり、足置きがついていたりで、小学生みたいにはしゃぐ私たち。しかし福知山で京都行きに乗り換えてまもなく、フェルマータの寝息が聞こえてきた。無事に終わって、ホッとしたんだね。お疲れ様。私もボーっと車窓を見ていたら眠気が・・・。

 子どもが不登校になって、本当にしんどい時期もあったけど、こんな風にいろんなところでいろんな人と出会うことができるのは、不登校のおかげ。またどこかで私たちのことを目にして、声をかけてくださればうれしいな。(さくら)

 待ち合わせていたさくらが、大幅に遅れそうだとメールがあり、もし来れなかったら一人で2時間持つかなあ?あとは、漫談でもやるしかないか。と覚悟を決めていたら、なんとかさくらが間に合って電車に乗り込んできた。やれやれ、ほっとした。

 田畑、山山、海浜、・・・と癒されるような風景を見ながら、こんなところに来れてしあわせだなー、と呼んで下さった野田川町教委のNさんに感謝。今、不登校でしんどい親御さんが来てくださるといいなと思っていたが、Nさんは、「小さな町なので顔がさすから、当事者の方はあまり来られないでしょう。」とおっしゃる。都会と違って、地域の人間関係が濃くて、お互いに助け合えることも多いのだろうけれど、子どもが不登校になると、かえって親密な人間関係がしんどくなることは容易に想像できる。今回は、民生委員さんなど地域の方々が来てくださるということなので、少しでも多くの方が不登校の子どもと親に理解を深めてくださるように、お話させていただこうと思った。同時に、大多数の経験者が、学校に行かない間も十分に成長し、自分の道をみつけて自立したおとなになっているということを、お伝えしたいと思った。

 終わってみると、あれも言えばよかった、これもお伝えするべきだったと反省しきり。でも、こんなふうに、経験者の声を聞こうという姿勢をもってくださるのは、本当にうれしい。また、呼んで頂ければ弥次喜多のように、さくらと二人、どこどこまでも、どこまでも〜行くつもり!!(フェルマータ)


リストに戻る
♪あんだんて♪日記に戻る