♪あんだんて♪レポート


不登校とLD,ADHD,高機能自閉症児に対する
支援のありかた
2月20日(日)
登校拒否・不登校を考える京都連絡会
  
 LD、ADHD、高機能自閉症等の、いわゆる軽度発達障害については最近マスメディアでも取り上げられていて、去年の夏和歌山で開催された全国のつどいでも関心が高かった。
 不登校の親の会に関わっている人も、何も知らずに対応するということはできない。それぞれの基本的な概念を知ることが必要だと感じ、「登校拒否・不登校を考える京都連絡会」でK先生にお話していただいた。

 昔から日常生活や、学校生活の中でちょっと気になる子どもたちがいたように思う。最近になってLD,ADHD、アスペルガー症候群、高機能自閉症児という言葉がよく聞かれるようになった。
 LD(学習障害)は第一義的に教育的障害で、教育的診断、対応が基本となる。一方AD/HD(注意欠陥/多動性障害)、アスペルガー症候群、高機能自閉症などの広汎性発達障害は行動、コミュニケーションの障害であるが、学力問題との重複をチェックするために医学的診断と教育的診断が必要となる。診断のあと、まず薬、親の対応の仕方、環境調整など医学的対応をするが、かなり効果があることが多い。それに続いて教育的対応が行われる。ただかなりの部分がもともと重なっていて、診断するといくつも診断名がつく場合もある。

 軽度発達障害の「軽度」というのは、知的な遅れがないという意味であるが、日常生活では大変さがある。ストレスの影響を受けやすいので、集団にいるだけでストレスになる場合もある。また二次障害として情緒障害(多動、不眠、衝動性)が出てくることにより、周囲との違和感、疎外感を感じる場合もある。それゆえ、発達障害の子どものなかには不登校と重なっている場合も少なくない。
不登校と発達障害の共通な対応としては、「不安」や「混乱」を取り除き、「安心と信頼」を得られるように環境を整えることが重要である。しかし発達障害の場合は「待つ」だけでなく、ニーズへの直接対応が必要となる。それには環境条件の調整と積極的指導が不可欠であり、その前提として「障害認識」が重要であると言われた。環境条件の調整ということでは学校や家庭にリラックスできる場所をつくることが大切である。
診断名や環境が同じであっても一人一人に向き合い、教育、医療、福祉、司法などさまざまな分野が連携できて、少しでも生きにくさを減らすことができたら、多くの人が希望をもって生きていけると思う。(ユキ)

 軽度発達障害については断片的な知識は持っていたものの、わかったようなわからないような・・・という状態だった。今回多くの子どもと接していらっしゃるK先生の具体的なお話を伺い、少し頭が整理できた。ただ短い時間だったのでかなり話をはしょられた部分もあり、また継続的に学習していきたいと思った。
昨年末に「発達障害支援法」が国会で議決され、行政側の支援も本格化するようだが、定義付けが行われただけで、具体的なことはこれから検討されるようだ。ここで大切なのはいつも同じことなのだが、子どもたちの視点で、子どもたち一人ひとりが大切にされる学校作りだ。これは教師が努力すればいいというものではない。個人の努力には限界があり、そのために体調を崩す教師もたくさんいると聞く。ゆとり教育の見直しが叫ばれているが、学力問題はさておいて、教師が本当の意味での「ゆとり」を持って子どもたちと関われるよう、教師の増員や様々な支援などがなければなしえない。また、日々子どもと接する親への支援の充実も大切な問題だ。不登校、軽度発達障害の問題だけでなく、親と学校とが子どもをはさんでいい関係を持つためには、どうしていけばいいのか考えていきたいと思う。(さくら)

 K先生によると、不登校の一部は発達障害をもっていると思われるが、発達障害の5〜7割が不登校になっているそうだ。対応する人たち、つまり子どもと関わる教師、小児科医の発達障害に対する理解を進めることが急務だということだ。まだまだ本当には理解されていない現状のようだ。発達障害をもつ子は、子供同士や先生との間でトラブルが起きるのは当然あることだが、それを放っておかないで、子どもと親の観点から対応することが大事。ちゃんと対応できていたら、そんなに大きな問題にならないが、実際には対応できていないので、大きな問題に発展してしまう。
 対応としては、ひとりひとりの特徴をつかみ、その子にあった環境を作る。ストレスの緩和が重要なので、教室で好きにさせるとストレスが下がる。(例えば、以前に行った学習会で、本人が不安になることがあると、教室の隅に居場所を作っておいて、そこでじっとしていると不安がなくなり、またみんなと一緒にいられる、という例が示された。)みんなと同じ様にちゃんとすることを求めると、ストレスが上がる。
ストレスへの対応のつぎに大切なのは、「自尊感情」を育てること。ようするに褒めるのである。
 以上の対応は、1対1が望ましいそうだ。ということは担任ひとりでは、対応できないということがわかる。「特別支援教育」がどこまでそのような対応ができるのか、次の機会に伺ってみたい。(フェルマータ)


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