♪あんだんて♪レポート


「今『学校』にソーシャルワークの視点を」
第3回 支援活動を通して
2月19日(土)
SSW(スクールソーシャルワーク)しが研究会
  
 去年から月1回、3回シリーズで続いている研究会だが、やっと参加できた。今回は、赤穂市で支援活動をされているH先生が日ごろの実践活動を報告してくださった。スクールソーシャルワークは、山下英三郎さんによって、日本に導入されたが、本家のアメリカでは学校に介入する権限をもつ存在であるらしい。日本では、学校を通して子どもの問題を福祉的な分野から支援していく試みは少しずつ導入されてきているが、まだいくつかの自治体にとどまっている。Hさんの話を伺って、身分保障が不安定だったり、有償ボランティアのような報酬だったり、とスクールソーシャルワーカーは、どなたも一般的な職業から見て、標準的な待遇からはずい分低い立場で仕事をしているようだ。

 実際の仕事は、家庭訪問して親と会うために夜遅く、或いは休日に行ったり、子どもの平日の様子を見に行ったり、会えるようになるだけでも大変で、それから先実際に援助するために、何度も話し合いに行ったり、学校や行政の支援機関に連携を求めたりと、かなり時間も労力も要る仕事である。(児童相談所も遠方の他市まで行かなければならないとか、やはり子ども支援の機関が少なすぎる上、人手も少ない。職員を増やす予算が組まれているけれど、現状に対応するには、桁が違うような気がする。)Hさんは、職権のない身分だったので、学校に対しても、親に対しても自分のことをどう理解していただくか、そこから説明しなければならなかったとか。継続して子どもの支援をしていくために、大学の講師でもあるH先生は、学生ボランティアのサークルをつくり、学生を家庭に派遣したりしている。学生が、子どもとかかわり、子どもが変わる事で家庭の中も変わっていく様子を聞かせていただき、感動的だった。
 
 これまでもH先生の実践活動の報告を聞かせていただいたが、いつも粘り強く、子どもの気持を十分聴きながらスクールソーシャルワークの理念を実践し、めざましい成果をあげていらっしゃる。ひとり、ひとりの子どもが自分ではどうしようもない環境のなかで、健全な生活を妨げられている状態を聞くとき、いったいこの子たちになにができるだろうかと、絶望的な気持になるが、こんなふうに実際にできることがあるということがわかると希望が見えてくる。だから、国全体で学校にソーシャルワークを取り入れてくれたら、学校環境はよくなり、問題を抱えている子どもだけでなく、すべての子どもにとって学校が安心できる場所になるだろうなと思った。

 こんな重要な仕事なのに、ボランティアに頼らざるを得ないことに矛盾を感じる。これまでの実績から、2004年度からスクールソーシャルワーカーとして職権が与えられたが、赤穂市全域が対象になり、対応が難しくなってくると懸念しておられた。学校によって、外部との連携を好まれないところもあり、どうしても受け入れの良い学校に行くことになるそうだ。校長に理解していただくにはどうしたらいいのだろう?ほかの問題でもいつも感じる疑問である。(フェルマータ)


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