♪あんだんて♪レポート


不登校・進路変更希望者のためのもう一つの学校選び
〜進路選択のポイント・学校選びのコツ〜
9月4日(土)
不登校・中退サポートセンター主催
第一高等学院後催
  
 第1部は大阪府立高校スクールカウンセリング・スーパーバイザーでもある臨床心理士の山中祥匡さんが「親として子どもに何ができるか」をテーマに講演された。山中さんは不登校を「思春期の現象の一つ」ととらえ、話を進められた。今の子どもたちの置かれている状況、例えば本当の意味での対人関係を学ぶ機会が少なかったり、周囲から孤立して自分の問題を自分だけで抱え込んでしまうような状況の中で、不登校とはこだわりが強かったり、表面の自分と本音の自分とのギャップを強く感じることで「自分の行動が止まってしまった」状態。そしてその子は「今はその選択しかできなかった」のだと。
 その上で動けなくなってしまった子どもに何をしていくかを考えるときに、「見極め」が大切だと話された。特にこれから先のことを話題にするタイミングは難しく、「カードは1回しか切れない」と言うことだ。世間話ができるようになる段階から社会現象の話ができる段階になり、その後でやっとこれから先の話ができるのだと。こう言われると親としてちょっとはしんどく感じるのだが、要は行動が止まってしまった直後から「それならこれからどうするんだ」と子どもをせきたてても、子どもは苦しむだけ。しばらくはゆっくりと休ませて、親子で日常的な会話ができる関係が作れるようになって初めて、これからの自分のことも考えられる。だからそれまでは見守っていくことが大切だということだと思う。これは自分の子どもを見て、あるいはみんなの話を聞いて実感してきたことだ。
 また「タイミング作りはよく考えて、さりげなく」という言葉も印象的だ。親がいっぱい情報を持っていて、ちょっと子どもが聞いてきたらここぞとばかりに出してしまうのもよくあることだが、これでは子どもが引いてしまうことも多いだろう。「クエスチョンで聞いてきたらクエスチョンで答える」。親の方にも一呼吸おくゆとりが必要だ。
 山中さんは非行少年の支援を初め幅広い活動に関わられている。優しさを感じるお顔だち、ユーモアを交えたお話で、気持ちがほっこりする感じがした。

 第2部は不登校・中退サポートセンター教育相談員の菅野道夫さんから、進路選択・学校選びに関するお話があった。不登校・高校中退の現状をふまえ、増加しつつあるサポート校や来年から「高校卒業資格検定」と名称が変わる、大検についての説明があった。その後学校選びのポイントとして、その学校が生徒自身が卒業したあとの自分の将来を考えるためにどう支援しているか、そしてその希望に向けての支援体制はどうなっているのかもしっかりと調べること。そしてパンフレットにはいいことしか書いてない、本当に自分にあった学校なのかどうか、必ず自分の目で確かめることを強調された。
(第3部に個別相談会があったが、これには参加しなかった)

 9月に入り、高校に入学したが登校できず、今後のことの決定を迫られているという相談が増えてきた。中3生も学校見学の時期になり、不安になることも多いようだ。親としては焦ってはいけないと思いつつ、やはりこれからのことが心配になるし、何かしないと落ち着かないのも確かだ。この時期は今回のように不登校の子どもを受け入れている学校が、セミナーを開催する機会が増えてくる。その学校に行く、行かないは別として、講演を聞きに行くという気分で参加してみるのもいいかもしれない。講師の話などから、その学校の姿勢が見えてくることもあるかも。(さくら)



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