ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第80回 (2000年10月05日放送)


<オープニング>
 
T「今日は久しぶりにDMBQの増子真二さんの登場です。」

M-01.女を捜せ/オリジナルラヴ

<近況>
 僕の方は最近はリハーサルですね。ライヴのリハーサルをこないだ終えて。
それはイベントだったんですけど。この番組が放送になる時はもう終わった
後なんですが今日の時点では明日のライヴ(笑)。スーパーカーと真貴ちゃ
んとかとライヴやるんですが(9/26の恵比寿ガーデンホール)なかなかエエ
感じに仕上がってきまして気合いも入ってきたなという感じ。

・モスラ神田イェ〜イ。
 その他は小岩井農場っていう、盛岡の方ですね。盛岡のもっと山の方にあ
る農場みたいなところで「小岩井ロックフェスティバル」ってあって
ムーンライダースとかポールウェラーとか出てまして僕も行って来ましたけ
ども。リハーサルが前日の夜にあって。夜山ん中にあるんで電気つけてリハ
やってると巨大な蛾がね、ムチャクチャ飛び交ってるんですね。人間の手よ
りも大きいぐらいの凄いデカイ蛾がですね、信じられないぐらい沢山飛び交
ってまして。ステージの上にもガンガンに這ってる(笑)。それで最初気持
ち悪くて。そんなんで足下ちょっと見ないもんならいつ踏んでるかわからん
!そういう非常に気色悪い状況の中でリハやったんですけど。ベースの神田
君は蛾が全然気持ち悪く感じない体質で。巨大な蛾を捕まえて(笑)手でこ
うやっていえ〜い!とか言って持って投げてましたけどね。小岩井のライヴ
はなかなかいい感じで終わりまして気持ち良かった訳ですが。そんなこんな、
最近は。

<今週のリコメンド>
 今日は秋なんで秋らしい曲ですね。ドアーズ。どこが秋らしいって感じが
しますが。ドアーズの「LA Woman」。この間うちのツアースタッフが何故か
「田島君これあげる」とか言って(笑)突然「LA Woman」貰った訳ですが。
この中の「ライダーズオンザストーム」。この曲ドアーズん中で凄い好きな
曲なんですけど。この、歌と一緒にずーっとウィスパーが、ウィスパーと歌
とダブルトラッキングで行くこの感じが非常に気持ち悪気持ちいいみたいな。

M-02.ライダーズオンザストーム/ドアーズ

<談話室バースト!>
ゲスト:増子真二(DMBQ)以下M

・除草剤ライヴ。
T「今日のお客様はDMBQのリーダー増子真二さんです。どーも!」
M「どーもこんに…こんばんわー。」
T「(笑)こんばんわ。」
M「こんちとこんばんわ。はい。」
T「最近はどんな事を。」
M「最近はもう来月、10月頭からレコーディングなんでリハーサルばっかり
 ですね。」
T「リハーサル。もう新曲大体揃って?」
M「そうですね。またやってんですけどねごちゃごちゃごちゃごちゃ。」
T「何曲ぐらいなんですか?」
M「5曲録ろうかなと思ってるんだけどなかなかうまく進まないですねやっぱ
 ね。細かい所がまだ詰め切ってない感じ。」
T「あーなるほど。こないだ僕が見に行ったライヴの後まだいろいろライヴ
 やって?」
M「いやそんなでもないですよ。あれあたりで大体終わって。後はもう練習
 ばっかり。9月はもうほとんどやってないですね。」
T「あ、そうですか。こないだそう、バッファロードーターとDMBQと一緒に
 やって、僕観に行ったんですけどね。もー凄かったです!」
M「(笑)ありがとうございます。」
T「もうね、あの後は草も生えない(笑)すーごいライヴでね。」
M「(笑)どーなんすかね。除草剤みたいな感じなんすかね。」
T「そうね、除草剤みたいな感じだったもう最後は(笑)。嫌が応にも鷲掴み
 にこうして草を全部持って行ったって感じのライヴでしたね。」
M「(笑)なるほどね。」
T「凄かったですね。中間、真ん中ぐらいからもうホント手に負えないって感じで。
 あの長い曲のインプロ…」
M「あーそうですね。最近インプロやるようにしてます。」
T「そうインプロ。こうほとんど即興ですね?あれ。」
M「そうですね。」
T「増子君がこーだ!あーだ!とか何かいろいろ指示出したりしてブレーク作った
 りギターのソロになったり。あれが凄いっす!」
M「(笑)あ、そうですか。」
T「もう、驚き笑う、笑い驚きっていうかね。笑うんだけど開いた口が止まるって
 いうか。凄かったです。」
M「嬉しいですね。」
T「良かった。で、あの最後のギター持ち替えも面白かった(笑)。ステージ
 にバッ!と引っ込んだと思ったらベースとギターと…」
M「そうですね。」
T「ボーカルが松居君になって。」
M「ヒドかったよね(笑)。」
T「『イエ〜〜イ!』って言ってるの(笑)。」
M「声高いってもんじゃないでしょあれ。ヘビーメタルの…」
T「(笑)そうそう。あれもおかしかったです。」

***

・気楽に聴こうぜ、バカ・ブルース。
T「今日は増子君がブルースをたくさん持って来てくれてですね、ブルース
 特集をやるっていう…これ贅沢ですね。」
M「そうですかね。ブルースはあんまり若い人に馴染みがないのでやっぱ聴い
 て欲しいですね。」
T「うん。」
M「意外と変なポップな音楽なんですよね。」
T「ポップだよ。うん。」
M「あんまりこう堅い感じで聴くんじゃなくてもっと…確かに『ブルースの
 CDください』ってCD屋さんに行くと苦い顔したオヤジがですね『このあた
 りを聴きなさい』と言ってねBBキングなんかを渡されて。『あんまりピン
 とこねーな』っていうのがまあ主なブルースの断念の仕方だと思うんだけ
 ど(笑)。」
T「あーそうですね。ブルースもジャズもそうなんですけどやっぱり70年代
 にそういった聴き方が…特に日本でそうなんでしょうけど…出来ちゃった
 ような感じありますよね。」
M「そうですね『拝聴する』って感じだね。」
T「そうそうそう。」
M「あれがね良くないので。もっとホントはバカなんですよねブルースの
 人って(笑)。」
T「(笑)」
M「大抵はもうどうしようもない人で。シカゴモダンブルースみたいなのが
 出来た以降のはやっぱりカッチリしてるけど、それ以前のモノとかそうい
 う情報が入んないような田舎のブルースってまだまだちょっとそこら辺の
 ロックの人太刀打ちできないぐらいのバカアイデア満載の音楽なので(笑)」
T「(笑)やっぱりギター持って道でお金貰う為にいろんな事やってたでしょ
 うねきっと。」
M「そうだよね、工夫もしてただろうし。あとはもうとにかく『こういうもの
 ですよ』っていう固定観念みたいなモノが無い。まあ情報入って来ないです
 からね(笑)。みんな自分なりに『まーこんな感じだろう』っていうような
 ところでやってたと思うんで(笑)。それがこういい感じになってきて時間
 が経って凝縮された人が、まあ取り返しのつかない事をやってね。そういう
 人はやっぱいいですよね。」
T「うん。今日いろいろ持って来てもらったブルース。戦前ブルースの人もい
 たりとか。凄い掘り下げて聴いてるんですね。」
M「何か面白ければ別にいつの時代でもよくて。特に戦前ブルースなんていう
 ともう全然聴く気がしないじゃないですか。ところが実は戦前にいいモノ
 ありなんですよ。」
T「(笑)変なモンあり?」
M「そうなんですよね。何かこう…TVはもちろんラジオもつかないような、だ
 からとにかく情報があまりにも無いと。そしてみんなやっと奴隷からちょっ
 と地位は掴んだぐらいで金は無いと。地域のコミュニティーだけがあるんで
 すよ。そういう中で勝手に育まれた音楽がまだ何の情報にも毒されない状態
 でね、純粋培養のまま残ってるのは戦前の頃なんですよね。」
T「あー。」
M「だから地域色も凄い豊かだし。うん。いいっすよー。」
T「へえー。」
M「ただちょっと困りもんなのがね。ほぼ一人語りじゃないですか。まー何が
 つらい事あったのかわからんけど1コードで7分ぐらい歌ったりしてるヤツ
 が結構入ってたりしてるので。それは結構つらいですね(笑)。」
T「(笑)朗々ともう入っちゃって一人でね。」
M「頑張ってやってるんだけどちーっとも何も伝わってこないヤツとかもたま
 にいるんで。それはまあ引いちゃったらハズレと思って(笑)。」
T「(笑)」
M「結構なヒット率で聴けますよ戦前モノはね。」

***
・リビング・デッド・ブルース。
T「じゃあその増子さんの持って来たブルース特集の一曲目ですね。」
M「はい。スキップジェームスです。この人は戦前の人なんですけど。戦前に
 活躍してて60年代のいわゆるフォークブームの頃に再発掘される訳ですよ。
 既にお爺ちゃんとして。」
T「はあー。」
M「いわゆるフォーク畑の人が『君はもう一度頑張ってみなさいよ。君は素晴
 らしいよ!』っていう事でもう1回録音したんですよね。ディレクションと
 してはもう完全にフォークスタイルで。録音も凄いきれいですし。」
T「うんうん。」
M「かえってこの人は新しい録音が似合う感じですね。」
T「あー。」
M「ブルースっていうと力強くて土臭くてなんか肝がゴッ!と座ってるような
 感じだけど、この人はもうほぼ生きながらにして死んでる感じでね(笑)」
T「(笑)生きながらにして死んでる感じ!」
M「霊界に直結型の魅惑のヴォイスなんですよ。」
T「はあーなるほどね。うん。声ね凄くいいですよね。」
M「これ最高ですね。大好きです。」
T「じゃあその曲を。」

M-03.アイムソーグラッド/スキップジェームス

T「いいですねー。」
M「最高ですね。」
T「うーん。」
M「これ後々60年代のバンドがよくカバーしてますね。」
T「あーそうですか。へえー。」
M「意外とギター上手いんですよね(笑)。」
T「ギター上手いね。凄い技使ってますよね。」
M「ちょっと変わってるんですよ。それもフォークっぽいんですよね。高音の
 アルペジオ使って。」
T「そうそうそう!何かスリーフィンガーみたいなさ。」
M「それで曲展開する時だけ低音弦でゴーンゴーンって展開してまた次に行く
 っていうか。ちょっと変わったスタイルのギターの人ですけどね。」
T「うーん。あの展開が何かポップだね随分。」
M「凄いカッコイイんですよねこの人ホント。曲大体ポップですよこの人は。
 素晴らしいと思いますね。」
T「へえー。あれ何かベックがカバーもしてるという。」
M「そうですね。ベックやったりしてますね。」

***
・鯰髭のブルース。
T「次は。」
M「ロバートペットウェイです。この人はあんまり有名じゃないですけど、
 ロバートジョンソンばりに実は重要な人なんですよ。」
T「はあー。」
M「いわゆるブギースタイルをある意味完成させたんじゃないかなというのが
 この人の重要な部分なんですけど。まとまった形で結構録音は残ってるんだ
 けど何かあんまり評価は良くないですね。凄い肝っぽいロックっぽい感じで
 すよこの人。凄いかっこいいですこの曲。即カバーできますねこれは。」
T「あ、そうなんだ。」

M-04.キャットフィッシュブルース/ロバートペットウェイ

T「カッコイイっすね。」
M「これはカッコイイっすよ。」
T「これはもう今にもゼムとか…」
M「何かもうすぐドラム聞こえてきそうな感じっすね。」
T「そうそう。アニマルズとかあーいうのがさ聞こえてくる感じ。」
M「もうカッコイイなあー。こういうのね、上がりきんない感じとかカッコイイ
 んですよねー♪○○○〜ちょっと裏返っちゃう所がねカッコイイんですよね。」
T「(笑)うん。この曲はいつぐらいなんですか?」
M「これは40年代ですね。」
T「へえー。40年代でもうあったんすねこういう…」
M「そうですね、こういうスタイルがちゃんとあって。ただ当時はそれ程普及し
 なかったんじゃないですかねやっぱり。他の同じ年代のモノと聴き比べると
 明らかにリズミックなんですよギターのスタイルとかが。だからなかなか…」
T「あーなるほど。」
M「荒っぽいっていえば荒っぽいんですけど。その辺がね人気が無かった(笑)
 理由なのかなあと思うんですけどね。」
T「あー。」
M「声も凄いカッコイイと思うんですけどね。」
T「なるほどね。もうちょっと木訥としてるっていうかこの時代のヤツ…」
M「うん。もうちょっと何かハッキリしない感じっていうか(笑)そういうのが
 多かったんですけど。」
T「うん。これはノリが…」
M「そうですね。」

***

・笑いながら叩くフィル。
T「次の曲を行きたいと思いますが。」
M「次は、ヘゼカイアジョーンズ&ハウスロッカーズ。」
T「これ謎ですね。」
M「これ凄いでしょ。これ最高カッコイイです。」
T「(笑)」
M「この2曲は一応僕的にはブルースのルーツの大御所なんすけど…」
T「今までの2曲ね。」
M「そう。こっからは今…これね一応爺ちゃん達ですけども、まあ死んじゃー
 なかったりとか一応現役でやってるんですけど(笑)。」
T「うんうん。何年の?」
M「これは80何年の録音ですね。もうねニューウエーブの全盛の頃に…」
T「はあーー!」
M「その裏でコイツらは何やってんのか!って事がもう大問題なんですけど。」
T「(爆笑)なるほど。」
M「ドラム、ハープ、ボーカルのヘゼカイアジョーンズと偽物のレスポール使う
 下手なギターとトロンボーンの3人組です。」
T「(爆笑)」
M「めっちゃくちゃですよ。この演奏とかも最高だし(笑)。」
T「(笑)ヘゼカイアジョーンズ。これドラムとハープやってるヤツがボーカル
 やってるんだ。」
M「そうです。」
T「シブイっすねー!」
M「バカでしょみたいな(笑)。何やりたいのかハッキリ分からないです。」
T「(笑)うん。」
M「曲の匂いとしてはこうちょっとニューオリンズっぽい匂いもしつつ、演奏
 能力は限りなく皆無に近い状態(笑)。」
T「(笑)そうなのかな。」
M「何とかグルーヴを作っていくんですけどそれも何かね。まーそれに対して
 『俺達困ったもんだな』っていう雰囲気は全く無いですね。とにかく楽しく
 やってる感じでね。」
T「楽しそうにね。」
M「それは最高にいいですよね。」
T「うん。でもカッコイイですよねこれ。ちょっと聴いたけど。」
M「いやこれね絶対カッコイイですよ。」
T「うん。編成もイカスけどねこれ。」
M「うん。こういうバンドあったら絶対いいなー。」
T「そうねー観たいですよね。」
M「これカッコイイと思うなー。」
T「うん。では聴きます。」

M-05.ドゥユアシング/ヘゼカイアジョーンズ&ハウスロッカーズ

M「これ楽しいでしょ。」
T「楽しいですね。」
M「カッコイイっすよね。」
T「このドラムもね、すーごい楽しそうな感じ。このフィルが…」
M「(笑)うん。ちょっと今聴いて思ったんだけど、何かサーフロックっぽい
 感じもしますねこれ(笑)あのドラムの感じとか。」
T「そうですね(笑)ちょっとねドラムとかフィルの感じがね。」
M「スネアのあの…何でしたっけ?裏に張ってる…」
T「スナッピーのゆるさ(笑)。」
M「ゆる〜(笑)ざーーーー。」
T「(笑)ずーっとざーーーーってなってる。」
M「あれとかカッコイイなー。」
T「そう。絶対これ笑いながらフィル叩いてるね。」
M「もう楽しくてしょうがないでしょうね。」
T「めっちゃ顔笑ってる感じ?(笑)」
M「最高ですよね。」
T「ね、いい感じでしたけど。あのトロンボーンのショボイ感じがまたいいで
 すね。」
M「そうですね。あんまり上手くないですよね。」
T「そうそう。疲れてる感じが(笑)。」
M「ばひゅ〜〜〜って鳴ってるところが最高ですよ(笑)。」
T「(笑)そうそう。こういうのよく見つけてくるなーと思う訳ですけど。」

***
・80年代ブルース界の隔離病棟。
T「で、次が。」
M「はい。これはアールエルバーンサイドですね。ジョンスペンサーとかあの
 辺との共演でも今はもう大人気の。」
T「あ、そっか。こないだのアルバムで一緒にやったやつだ。」
M「ええそうです。そんなこんなで今はもうブロークンブルース勢の一番手な
 んですけど。」
T「はあー。」
M「もう既にだいぶお爺ちゃんなんですけど。その人がね息子と一緒にバンド
 やってて。まあ要するに全然売れない人だったんですよずーっと。で、ここ
 暫くでやっとそういうモノにのっかって売れるようになったんですけど。こ
 れもまた80何年の録音で。」
T「あー。」
M「80年代のブルースってのは結構肝なんですよ実は。」
T「(爆笑)80年代のブルース!なるほどね。」
M「やっぱ世の中的にもそういうロック的な押せ押せムードとか、またブルー
 スっぽい感じっていうのが最も古臭いモノとして捨て去られてた頃にまあ
 いじけもせず…」
T「(笑)うん。なるほどね。」
M「まさか自分達がそんな状況になってるって事に気づく事さえ無く、黙々と
 彼らは独自の音楽を作り上げてきたんですね。しかももう人気無いから誰
 に干渉される事も無く(笑)。」
T「(爆笑)80年代ってそうだよね。その前までのロックを如何に斜に構える
 かっていうそういうところがあったけど。それをもう全然干渉無く…」
M「そうですね全く何も。まさかそんな事に世の中なってるだろうという思い
 もよらないって感じで。」
T「(爆笑)」
M「『そういえば最近誰からも何にも言われないな』って思ってたかもしんな
 いですけどね(笑)。」
T「(笑)なるほどね。うん。」
M「そんな。息子とやってるんですよね。これカッコイイんですよ。これはド
 ラムと偽物のレスポールばっかり3種類集めたバンドなんすよ(笑)。ギタ
 ー3本とドラムっていう…なーんだったってベースやるヤツいないんですね。」
T「(笑)」
M「多分アール自身ではないような気がするんですけど、息子と誰かとそのド
 ラムだけで無謀にもインストに挑戦してるんですよ。」
T「(笑)」
M「これがまたねもう味出まくってますよ。すーごいですね。もう音楽の概念
 をぶち破る感じ。」
T「(爆笑)」
M「中学生の頃友達と録音した練習テープが出てきたんじゃないか?っていう
 ぐらいのビックリレベルの。」
T「(笑)あ、そう?」
M「これ衝撃だと思いますよ。」
T「わかりました(笑)。じゃあその衝撃的な曲。」

M-06.シッティングオンザトップオブワールド/アールエルバーンサイド

・リーダー一子相伝。
M「はい。これ凄いですねーやっぱねー。」
T「凄いですね。もう世界の頂上に座って。」
M「ね。座って…どーなのよ!っていう(笑)。」
T「(笑)世界観というね。凄いですねー。」
M「けど一応デルタっぽい…8で割り切れない譜割りが…」
T「そうですね!」
M「ぐにょ〜んとなってたりとか、ドラムがシャッフルじゃなくて何かこう
 いわゆるファイフっていうブルースの元になるような原型みたいのがまだ
 残ってたりとか。」
T「うん!」
M「つまりモダンブルースみたいなモノに全然毒されなかったんですよね(笑)
 っていうか『そんなモノあったんだねー?』ぐらいな気分で。」
T「(笑)なるほど。」
M「まだまだ昔のままの形態を残してる人ですね。」
T「じゃあもう60年代とかすっ飛ばしてそのまんま80年代まで。」
M「そう。そのまんま引っ張って来ちゃった感じですね。『こうやってギター
 っつうもんは弾くんだよ』って教えてもらって、皆あそこの農場なり何なり
 働いて死んでいくっていうのが繰り返されて(笑)そのまま…何しろ親子で
 バンドやっとる訳ですからね。親父が死ねば長男が次にバンドのリーダーに
 なって。で、長男が死ねば次男の息子か何かがリーダーになってっちゅー具
 合に…(笑)多分育まれてったものなんでしょうね。」
T「(笑)なるほどね。それがこのノリに。伝統芸能みたいな感じね。」
M「うんそうですね。80年代にしては驚くほど古臭いスタイルですよね。」
T「(笑)」
M「カッコイイっすね。」
T「なんかだってノリがあるもんね。」
M「そうですね特徴的な…」
T「ね、独特の…ずっと気持ちいいんですよね。」
M「お祭りっぽい感じのなんか…」
T「そうそう。でもこのギターとドラムだけの曲を真剣に弾いてる状況ってのが
 さ(笑)結構凄いですけどね。」
M「これ多分ね、レパートリーあってちゃんと。まあ録音する事になって。」
T「あーそーか。」
M「『よし、じゃあ一丁あれやろうか!』っていう事になって(笑)。これ適当
 にやってないですよ全然。ちゃんとあのちょっと複雑なね、テーマになる部分
 あるじゃない、あのちょっとニューオリンズっぽいメロディの。あれが随所に
 入ってきてるんで。」
T「入ってきてましたよねー。」
M「きっと2人でアイコンタクトか何かで。曲はちゃんと何十回と演奏されてる
 筈ですよ。だから適当にやってる感じでは全然ないですね。」
T「なるほどね。いろいろキメもテーマも。」
M「そうですね。多分何回か練られたんじゃないすか?これ。ギター3本入れて
 みたりとか。」
T「(爆笑)練った末にここに行き着いた!」
M「『やっぱこれでいいわ!』って事になったんじゃないですかね(笑)。
 『これベスト!』って事になって。」
T「な〜るほどね。そういう可能性大きいですね(笑)。」
M「うん。」
T「考え抜かれてこの『世界の頂上に座って』みたらこうなったと(笑)。」
M「(笑)何にも見えてないっちゅー事ですね。雲ばっかりって感じ。」
T「(笑)いやいや。いやあカッコ良かった。という訳で『増子真二のブルース
 を聴こう!』でした。」

<エンディング>
・ぐにゃぐにゃドッキリミュージック。
T「今日は最高でしたね。」
M「そうですね。ブルースをねとにかく堅く構えないで。結構こういう風に
 ドッキリミュージックなので割と(笑)。」
T「(笑)かなりね堅くなかった。っつーかもうぐにゃぐにゃになりましたね
 最後(笑)。」
M「そうだね。結構埋まってるのでどんどん聴いてもらって。」
T「そうですねー。」
M「もちろん大御所の人達もカッコイイのいっぱいあるんですけどね。」
T「うん。これはもうちょっと聴きたいなと思いました。」
M「(笑)」
T「いろいろ増子さんのコレクションあるらしいのでまた機会があればね
 持ってきて頂きたいと思いますけど。」
M「はい。」
T「で、DMBQはいつ頃出るんですか?」
M「年明けすぐぐらいに。」
T「あ、そうですか。じゃあそれをちょっともう期待したいと思いますけども。」
M「はい。」
T「で、オリジナルラヴはツアーが10月下旬からですね。ビッグクランチツアー
 が始まります。取り敢えず10月分だけ言っておきますと、大阪ミナミホイール
 at心斎橋クラブクアトロ
。で、10/24が宇都宮ヴォーグ、10/26が横浜ベイホール
 ですね。よろしかったら来て頂きたいと思います。今日のゲストは増子真二
 さんでした。ありがとうございました。」
M「どうもありがとうございました。」



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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki