ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第79回 (2000年9月28日放送)


<オープニング>
T「今日は先週に引き続き木暮晋也が登場します。」

M-01.地球独楽/オリジナルラヴ

T「いつもはこの後リコメン行くんですけど今日は話が長引きそうなんで、
 っていうかいろいろ話したい事もあるので、あのーカット!(笑)。木
 暮との話の後いろいろワタクシの思ってる事を語りたいと思っておりま
 すので、今日リコメンはカットです。 」

<談話室バースト!>
ゲスト:木暮晋也(以下K)

T「先週から引き続き今日は木暮晋也さんに来て頂いてます。」
K「はい、よろしくお願いします。」
T「マリマリのプロデュースとかいろいろやってますね。ヒックスヴィル
 やって…」
K「ヒックスヴィルが本職でございます。」
T「ね。先週はガレージパンク・サイケ。もうほんのちょっとだけですけ
 どねあれ。」
K「ほーんのひと握り。」
T「ひと握りっていうかもうひと粒って感じだな。」
K「あれだけでね俺二晩ぐらい語りたいね。」
T「そうだね。だってあのシリーズだけで200〜300曲あるでしょ?かけた
 い曲。」
K「ねー。ナゲッツとかペブルスとか…」
T「そう、わけわかんない感じの。まあ今日はですね。70年代後半から80
 年代にかけての…」
K「僕らが丁度リアルタイムで聴いていたニューウエイブ・パンク、オル
 タネイティブ…」
T「あの当時のオルタネイティブって、ニルヴァーナ以降のさ…」
K「とは違うんだよね。」
T「ぜっんぜん違う解釈!(笑)」
K「(笑)そうなんだよね。ポストパンクっていうさ…」
T「そうそうそう!」
K「いろんな呼び方が当時あったの知ってる?」
T「知ってるよ。だってヴァージンプリューンズってオルタネイティブっ
 て言われてたんだもん。」
K「そうだよ(笑)。」
T「全然違う(笑)。それが何故かニルヴァーナが出てオルタナティブロ
 ックになっちゃったんだな。」
K「ね。なんかあれちょっと違和感あったけどね当時は。」
T「あれは何だろう?とか思ったけど。」
K「もっと違う言い方して欲しかったよね。いろいろあの当時は、フュー
 チャリストっていう呼び方とかあったの知ってる?(笑)」
T「(爆笑)」
K「テクノ以降のニューウエーブっぽいものはフューチャリストって言わ
 れたりとかね。」
T「あー。なんかあの未来派君気取りというかさ、テクノの時代はそうだ
 ったね。まあ今でもそういう傾向あるけども。ニューウエーブでもいろ
 んな種類あったね。」
K「そうそう。細かく分かれてたからね。」
T「バンド寄りの人達もいればテクノ寄りの…」
K「あとゴシック系とか(笑)。」
T「ゴシック…最近あるけどさ、あん時はだってなかったんじゃない?」
K「そうだねぇ。思えばそのゴシック系っちゅーのがなんかちょっと日本
 のヴィジュアル系とかに発展して…」
T「だからさ!例えばブラックミュージックの黒人女性達のファッション
 がファンに定着してヤマンバになったでしょ?」
K「うんうん。」
T「それと同じようにゴシックのファッションが日本に定着してヴィジュ
 アル系に(笑)。」
K「あの黒を基調としたあの(笑)。」
T「マリスミゼルとかさ(笑)。」
K「そうね(笑)。」
T「この間マリスミゼルがさスペースシャワーに出てて。で、僕ら一緒の
 番組の次の週に出てたのよ。で、いたんだよ!」
K「あ、会った!」
T「そいでいて。そしたらすっごい化粧くさいんだよ。」
K「楽屋が(笑)。」
T「呼吸困難になるぐらいにね。」
K「あ、そんな(笑)。やっぱあれだ局内でやるんだメイク。そのカッコ
 じゃ来れないからね。」
T「いや、来てるんじゃないかな?」
K「あー。なんか前があったのかな?」
T「うーん。わかんないけど。」
K「これ放送できんの?(笑)」
T「いやいや別にいいじゃん。」
K「大丈夫だね(笑)。」

***
T「えーと今日は。」
K「今回持ってきたのは我々の青春のニューウエーブ(笑)。」
T「そうね。そんなのばっかりでなんだかなーという感じなんですけど。」
K「まーいいじゃないすかたまには(笑)。」
T「(笑)」
K「こういうゆるい企画もね。」
T「はい。で、1曲目は?」
K「やっぱりもうニューウエーブっつたらこの人達しかいないかなぁと思っ
 て。ジョイディヴィジョン。イアンカーティスですよ。」
T「ジョイディヴィジョン!もうなんかさ、最近のオルタナティブロック系
 好きな人は遡って聴いたりしてさ。」
K「やっぱり行きつくところはジョイディヴィジョン?」
T「そう。ずるくない?(笑)」
K「ずるいって…(笑)」
T「(笑)なんで?って思ったりするんだけど。でもスマパンの…何だっけ
 アイツ…」
K「ビリーコーガン。」
T「そう。ビリーコーガンとかジョイディヴィジョンが好きだとかさ。」
K「そうだね。みんな言ってるから。で、聴いちゃう?」
T「じゃ取りあえず。」
K「じゃあ一番有名な曲を。」

M-02.ラヴウィルティアーアスアパート/ジョイディヴィジョン

T「この曲は2ndアルバムの後のもうほとんどニューオーダーになる直前の
 頃の曲で。ニューオーダーでもやってましたよこの曲ライヴで。」
K「あ、そうだっけ?」
T「イアンカーティスを追悼するっていうのでやってたのかなー。このシン
 グルでイアン歌ってて。この直後自殺をね…」
K「そうだね。自殺しちゃった後に出たのかな?」
T「自殺した後発売されたシングルが全英一位。」
K「確かねうん。凄いヒットした記憶あり。」
T「最近ジョイディヴィジョンの映像を見る機会があって。」
K「僕もひとつ知ってるけどね。」
T「やっぱキテルね!」
K「凄いカッコ良くなかった?」
T「カッコ良かった!(笑)」
K「それってジョンライドンとかも一緒に出てなかった?」
T「出てたかな?なんかパンクの特集のね…」
K「パンクヒストリーの…クラッシュとか。」
T「そうですね。ジョイディヴィジョンはやっぱりカッコ良かったですね。
 圧倒的にやっぱりイアンカーティスの…」
K「イアンカーティスの存在感が凄いんだよね。」
T「そう!あの一人だけカッコいいですね。カッコイイっつーかねキテル!」
K「もうなんか異様な感じなんだよね。」
T「異様な表情で。完全に狂気を漂わせながらこうつぶやきながら…もう
 絶望してるような表情で歌う訳ですけど。ただねアクションがすごいん
 ですよ!またこれ動きが何とも言えない踊りをするんだけど…」
K「気色悪い感じなんだよね(笑)。」
T「そう!気色悪カッコエエー!みたいなね。そのビデオではやっぱりね、
 1stアルバムから一番影響受けてたのはクラフトワークだとか言って。」
K「あ、クラフトワークが好きだったのかー。」
T「そうそうクラフトワークとあとヒップホップの影響受けた。」
K「ヒップホップ?!」
T「そう。」
K「えっ?!(笑)」
T「あの当時のバンドみんなギターバンドでしょ?みんなギター前面に出す
 アレンジをしてて。そいで僕らはパーカッションてかドラムを前にアレン
 ジする…」
K「あー。まあパーカッシィヴな…」
T「って言っててね。」
K「リズムに凄い敏感だったんだね。きっとね。」
T「そうですね。で、何かね、ニューオーダーになってからTVでプロモーシ
 ョンビデオなのかな?流れて。確かね今のシングルかな?この曲かもしく
 はニューオーダーの新しい曲かちょっと忘れちゃったんですけど。それの
 スタジオライヴプロモーションビデオってのがあって。あの当時はみんな
 プロモーションビデオでちゃんと映像撮ってやってたじゃない?でもニュ
 ーオーダーは…」
K「あ、そうそうそうそう!」
T「一発録りのさ!」
K「そうそう!スタジオの生演奏のその生録音の…」
T「生録、生演奏で一発録りのプロモーションビデオ!」
K「知ってる知ってる!」
T「あれはカッコイイんだよね!」
K「あ〜れは名作っすよ!」
T「あれレコードより全然カッコイイじゃないの!」
K「あれはだって『ブルーマンデー』だったと…」
T「ブルーマンデーだったっけ?」
K「じゃなかったっけ?なんか初期の曲だよね。あ〜れはカッコイイ。
 みんななんかうつむいちゃってさ(笑)。」
T「そうそう!真剣に演奏してんだよね(笑)」
K「真剣(笑)。まあ録音してるっちゅーのもあるし。」
T「ひやひやしながら演奏してる姿がテンション高くていい感じなんすけど。」
K「いや〜あれは熱い!まんまパンクを感じるっていうかね。ああいうニュー
 ウエーブダーク系かなと思いきやね。」
T「なんだニューウエーブダーク系って(笑)。」
K「(笑)」
T「そう、ニューウエーブ魂といいますかそういうものを…」
K「感じるね。」
T「感じられる凄いいい曲でしたけど。」

***
T「はい、曲をじゃあね。」
K「そうですね、またどんどん。これも大好きな。」
T「次はね、モノクロームセット(笑)。」
K「モノクロームセット来ちゃいました(笑)。こ〜れだって聴いてたっしょ
 ー。」
T「もーっ流してっ!みたいな。んな事なくて(笑)。」
K「(笑)結構これも熱くなってたよね。」
T「まあ聴いたねー。っていうかね、あん時当時僕はレッドカーテン。今コレ
 クターズやってる小里君とやってて。」
K「うん、そうだね。」
T「小里君がすっごいハマってたモノクロームセットに。」
K「うん。」
T「僕がデモテープ聴かしたらモノクロームセットに凄い似てるから…」
K「あーそういう感じだったの。」
T「聴いてくれ聴いてくれ!っつって、僕よく知らなくてね聴いたんだけど。
 うーん最初は何か地味な音楽だなと(笑)。」
K「地味かい(笑)。」
T「でも聴いてるうちにね、あ〜なるほどカッチョイイなー、おしゃれやなー
 みたいに思って段々段々好きになってってね。」
K「うん。そうかそうか。」
T「木暮はだってカバーしてたよね?」
K「そうだよ。『ヒーズフランク』って曲があって。ちょっとパンキッシュな
 曲だったんですけどね。」
T「ガレージっぽい曲っていうかね。」
K「それをちょっとやってたり。そのまんま(笑)。」
T「まんまカバーしてましたね。」
K「そうですね。」

M-03.ヒーズフランク/モノクロームセット

T「懐かしいね。」
K「ねー。ワウワウヒッピーズで(笑)。」
T「カバーしてましたね。」
K「懐かしい。」
T「これもまあ何て事ないリフの曲なんだけどさ(笑)。」
K「うんうん。。リフ一発のロックナンバーって感じだね。」
T「モノクロームセットにしては珍しいねこういうストレートなのはね。」
K「うん。異色ナンバーですよね。」
T「大体こうねじくれ曲がったようなさー…」
K「もっとね、中近東っぽい曲だったりとか…」
T「そうそう。何かね、ギリシャポップスとかああいうものとね、あとタンゴ
 とかああいう音楽と…」
K「混じってるよね。」
T「シャンソンとかさ。ああいうのも混じりつつ、サイケロックみたいな。」
K「そうだね。不思議な…」
T「そういう感じがね。エキゾティックでおしゃれな感じがしたんですよね。」
K「そうだよね。ビドってまさに何かちょっと…」
T「インドの人だよね?あの人。」
K「混じってるんだね。」
T「血が。」
K「ボーカルの人ね。」

***
T「で、次は。」
K「いや〜次はキュアーですか。これも青春です。すいません!」
T「(笑)ベタだなあ今日は。」
K「(笑)もー俺の為の!みたいな。すいませんね(笑)。」
T「もー。いやいや。」
K「キュアーね。だってね俺キュアー初来日ライヴ行ったんですよ。」
T「行ったね。いつだ?」
K「高校。」
T「郡山から東京まで新幹線で。」
K「新幹線に乗って一人で。ちょうど学期末テストの期間中で。そん時って
 午前中で学校が終わるのよ。」
T「(笑)あー。」
K「で、チャンス!と思って。それでもう!すぐ午後からね。午後一の新幹線
 に乗って。だって俺、外タレ初めて行ったのってキュアーだもん(笑)。」
T「(爆笑)恥ずかしいヤツ!でもね、俺もっと恥ずかしいよ。俺外タレ初で
 行ったの…言わなかったっけ?」
K「誰?」
T「ナック!
K「ナー!(爆笑)」
T「(笑)外タレ初でさ!ポールマッカートニーが来日する時のチケットを初
 めて買ったのよ俺!一晩並んで。中学2年の時。ほいでワクワクしてさ!ポ
 ールの曲が聴ける生で!ポールに会える!とかって。そしたら捕まっちゃっ
 たでしょ?」
K「来日中止でしたよね。」
T「麻薬で捕まってしまいまして。キャンセル!で、キャンセルしたお金で
 ナック行ったんだよ(笑)。」
K「(笑)ちょうどその後ナックがあったんだじゃあ。」
T「そーなんだよ(笑)。」
K「でもその頃ってナックヒットした後?」
T「ナック大ヒットしてた『マイシャローナ』」
K「マイシャローナの後ぐらいだったんだ。へえー。」
T「それがね、ライヴが面白くなくてさ。」
K「あ、そうなんだ。っていうかマイシャローナしか知らない訳でしょ(笑)。」
T「そう。マイシャローナしか盛り上がんなくて。」
K「やっぱりね。アンコールでマイシャローナだじゃあ。」
T「そう。何かね、照明とかもさ敢えて60年代みたい。ビートルズみたいに色も
 全然使わないんだよ。」
K「あー。白黒のみで。」
T「そう。あんまり面白くなくてさ。演奏はまあハコバンみたいな感じで上手か
 ったんだけど。まあまあだったなーみたいな。で、何だっけなその後ポリス
 とか行ってさ。」
K「あ、ポリスはいいじゃん。」
T「ポリスはね、めちゃ上手かったねー。めちゃ面白かったよ。」
K「へえー。」
T「楽しみまくった!」
K「それって何?え?何処で?東京で?」
T「ポリスは僕中学の頃だから。」
K「あ、あっちか。芦屋か。」
T「大阪のフェスティバルホールですね。もう盛り上がりまくってましたよ。
 凄かったよ。」
K「そうだよね。一番熱い時期だよね。」
T「熱かったねポリスは。演奏上手いしショーの仕方もうまいしね。十分でし
 たねー。」
K「3人でやっちゃうんだもんね。あれは。」
T「あれは面白かったな。と思いましたけど。」

***
T「で、キュアー!」
K「熱狂のライヴ!(笑)」
T「でもキュアーが好きな人多いんだよね実は。」
K「割とアイドル誌とかに載ってましたしね。」
T「そう。あとねアメリカのオルタナティブロック好きなヤツでもね、キュア
 ー聴いてたりとかね、結構いる。」
K「うん。俺聴いてた時はアメリカでは売れてなかったんすけどねまだ。」
T「そうね。今、だってよく聴かれてるじゃないアメリカでキュアー。」
K「だってこないだアメリカ行ったらほら結構レコード屋さんに…」
T「キュアー!」
K「ポスターとか必ず売ってたりね。」
T「うーん。ゴシック…」
K「ゴスロック?」
T「うん。ゴシック流れで…」
K「やっぱり今で言う…最近のマリリンマンソンだとかそういうののね…」
T「うん。そういう人達がこうさ…」
K「リスペクトしてるからね。きっと。」
T「リスペクトしてんの?ホントに?キュアー。」
K「俺の予想では(笑)。」
T「(爆笑)どーなんでしょ。でもマリリンマンソンみたいなあそこまでの
 気持ち悪さはさ…」
T「バウハウスとかね。」
T「まあバウハウスは近いものあるけどね。」
K「うん。何かそういうちょっとグロい感じ入った、魔術的なっていうかさ。」
T「うん。一時期のキュアーはね『ポルノグラフィー』とかあの頃のちょっと
 ヴェルヴェットアンダーグラウンドのね…」
K「そうそう。ヴェルヴェットチルドレンなんだよね。要するに。」
T「そうそうそう。という感じですけど。」
K「聴いてみる?デビュー作からなんですけどね。」
T「これは1stアルバムをね。薄いヤツをちょっと。」
K「薄いヤツ?(笑)どーゆー意味?それ(笑)。」
T「(笑)」
K「まあ聴いて下さい(笑)。」

M-04.ボーイズドントクライ/キュアー

T「いや〜薄いね〜(笑)。」
K「もうこのスカスカな音。ね〜。」
T「何かバズコックスみたいだな。」
K「うんそうだね。凄く近かったね初期は。」
T「でもこのドラムの下手さは笑うな。これだってさドラム叩き初めて一ヶ月
 のテクでしょ(笑)。」
K「うん。それで良かったのこの頃は。」
T「♪ドゥトゥタチドゥトゥタチ…」
K「♪ドゥットゥッダガダ!…多分学生なんだろうね。」
T「学生で。ドラムやった事なくて友達から『今日からドラムだ!』って突然
 言われて(笑)。」
K「『えー?!』なんて言いながら…」
T「練習してレコーディングしたって感じ。そんな風に聴こえますけど。」
K「そうじゃないとこんな風になんないからねー(笑)。」
T「うん。だけど元祖ネオアコっていう雰囲気はあるな。」
K「あ、そうか。う〜〜ん。」
T「この曲の雰囲気といいね。」
K「なるほどね。俺は主にね、ボーカルのロバートスミスの髪型に影響受けて
 ね(笑)。」
T「(爆笑)そうでしたねー!」
K「結構長めなんだけど立ってるっていう。
T「UFOみたいな頭ね。」
K「UFO!(爆笑)」
T「すーごいさ、きのこみたいなさ。髪の毛立ってるんだけど横に広がってる
 んだよね。」
K「そうそうそう。」
T「すーごい髪してて。それを木暮必死に真似してたでしょ。」
K「必死に真似しようとしてて…でもなかなかなんないんですよね〜。」
T「なかなか。だからさ横にどれだけ髪が水平に立つか。と…」
K「流れて。そしてちょっと上のほうも立ってるかっていう…」
T「そうそう。それをさ挑戦してたじゃない。」
K「頑張ってやってたんだけどねー。だからもうスプレーとか1本ぐらい使っちゃって
 ね一回にね。」
T「そう。ダイエースプレー(笑)。」
K「スーパーハードね。」
T「フロンガスをさ、もうホントに大放出で。どーすんだ!っていう。」
K「地球に良くない。まくり!」
T「ホント良くない。ね(笑)。」

***
K「そう言えば当時さ一緒にニックケイヴとかライヴ見に行ったりしたよね。」
T「行った!」
K「あと、ノイバウテンは一緒じゃなかった?」
T「俺一緒じゃなかった。木暮は行ったんだよね?」
K「うん。ニックケイヴ行って燃えたよね結構ね。」
T「ニックケイヴ。燃えた!あのーギターが…」
K「ブリクサ!(笑)」
#ブリクサ・バルゲルト(ノイバウテンのボーカル)
T「普通のギター弾いてたね(笑)。」
K「結構ちゃんと弾いてたね(笑)。」
T「だけど何かあのこわもてな感じがさカッコ良かったね。」
K「や〜凄いインパクト受けたねー。」
T「なんかこう不良っぽいっていうかね。バラードなんだけどなんかダイブが
 起こっちゃうみたいなさ(笑)。」
K「(笑)うん。狂気を感じる。」
T「後楽園ホールね。」
K「後楽園ホール行ったねー(笑)。」
T「で、僕ニックケイヴはね、渋谷のパルコかな?どっかのエレベーターで
 一緒になってさ。」
K「あ、出くわした?」
T「出くわしてね。そしたらねすごーく細くて。」
K「そう。凄く細いんだよ!」
T「細くてなんか弱そうなヤツでさ(笑)。何だよ。」
K「(笑)自分の方が大きかった?」
T「俺の方がデカイなー。何かね俺の方が勝ちそうなんだよ。そのぐらい細く
 てひょろひょろっとしててさ。なーんだかと思ったんだけど。」
K「(笑)うん。ひょろひょろしてるよね。顔がいかついからムキっとしたよ
 うに見えるけど。」
T「そう見えるけど。だけどニックケイヴのね、文章読んだ事ある?」
K「本出てるね。」
T「うん。あれさ凄くない?」
K「凄い世界に行っちゃってるよね。」
T「もうね、ほとんど作家なんだよね。」
K「うん。文学。」
T「町田康さんみたいな。ちゃんとこの人全然文章で行ける!みたいな感じ
 の文を書く人でね。」
K「うん。そうなんだよね。ニックケイヴは。」
T「ニックケイヴそっちの方がいいんじゃないか。みたいな(笑)。」
K「(笑)。」
T「思っちゃったりなんかして。」

***
K「次はねギャングオブフォー。これをトリに(笑)。」
T「トリがギャングオブフォーってこの番組だけだな。」
K「(笑)」
T「ギャングオブフォーがかかる事も無いですよね。」
K「うーん取り敢えず自分…そうですね。聴いた事ないかもね。」
T「うん。だけどギャングオブフォーはミュージシャンで影響受けてる人多
 いよ。だってレッチリだってそうだしさ。」
K「あー!そうかそうか!」
T「レッドホットチリペッパーズねギャングオブフォーの大ファンで。1stア
 ルバム…」
K「1stがいいんだよね!」
T「アンディギルがプロデューサー…ギャングオブフォーの。意外に多いんだ
 けど。だからね。ラジオでかかんないアーティストの方がミュージシャンへ
 の影響力が強いんだよ(笑)」
K「まあ…(笑)」
T「きっとそうだっ!!」
K「(笑)今手上げちゃったねもうね。」
T「うん。手上げたでしょ(笑)。」
K「そういうのを応援して行こう。な!(笑)」
T「多分そうなんだよ。俺はそう思えてきた!」
K「俺もそう思った。うん(笑)。」
T「ていう事で。はい。」
K「(笑)これはラストナンバーなんだけどね。ギャングオブフォーのライヴ!」
T「これはね『Urgh! A Music War』っていう。ポリスのドラマーのスチュワート
 コープランドの兄貴が企画したヤツ!」
K「あーそうだそうだ。じゃあ聴いてみる?ギャングオブフォーのこの凄さを。」
T「そうですね。これはアルバムには入ってない…」
K「ライヴバージョンでお届けします。」

M-05.ヒードセンドインジアーミー/ギャングオブフォー

T「兵隊に送られたと!彼は。みたいな。」
K「このギターっ!!」
T「(笑)」
K「このギターなんだよね!やっぱね!俺の求める!」
T「(笑)求める。あーそう。なるほど。」
K「うん。この切り込むような感じねー。」
T「こういうギターってのが新しかったんだよねこういう弾き方が。」
K「いや、めちゃめちゃ!俺どうやって弾いてるかわかんなかったもん。」
T「うそー。だってただめちゃくちゃ弾いてるだけじゃない?(笑)」
K「なんだけど!」
T「でも中学生の俺はね真似してた。」
K「真似したくなるよねこの感じ。」
T「うん。もうヴァンヘイレンなんてクソと思ってたもんね。」
K「うん。俺もああいうテロテロ早弾きみたいなテクニカルな方向よりはこう
 アートな…」
T「うんそう。ヴァンヘイレンとかのああいうテクニカルなレフトハンド奏法?
 バカじゃねーのかと。」
K「ねー。」
T「本当のギターっつーのはこのギャングオブフォーの(笑)…」
K「ホントにカッコイイギターっちゅーのはこういうテクニック度外視のモノ
 だ!っつーね。」
T「そう。だからこの当時80年代初頭のね、例えばDNAの…何だっけ?」
K「アートリンゼイ。」
T「アートリンゼイとかね。ああいう弾き方がやっぱすーごいカッコ良く見え
 たね。」
K「そうだね。まあトレンドだったっていう感じもあるけどね。」
T「ああいうゲシュタルト崩壊みたいなね(笑)。」
K「とにかくフュージョンっぽいギターが何か嫌だったんだよね。」
T「ダメだね。ああいうテクニックとかそういったものを全部一回ひっくり返
 すんだと。」
K「うん。」
T「まあ、パンクニューウエーブはそういうムーブメントだったからね。」
K「そうだね。」
T「それがまたこう極めてこうほら安定してさ。今や煮詰まりまくってる訳じ
 ゃないですか。」
K「うん。」
T「どうひっくり返すか!オリジナルラヴだけですよもうビッグクランチ。
 テーブルひっくり返そうと…してるだけ!(笑)」
K「(笑)取りあえずテーブルひっくり返しましたね。」
T「ひっくり返しましたけど。気づいたら俺だけだったか…みたいなさ(笑)」
K「(爆笑)」
T「感じです。でもね、今ひっくり返さなきゃいけない時代だと思うんだよね。
 いろんなモノを。価値観を。全部!叩き壊せ!と。」
K「うんそうだね。もう壊しつつあるのね。」
T「もう叩き壊す!どんどんどんどん!何かねそういう風に取り敢えず叩き壊
 してみる!」
K「(爆笑)なんか弱気だねそれ。」
T「いや弱気じゃないんだけど。取り敢えずわかんないから。そういう時こそ
 叩き壊してひっくり返してみるっていう事は必要だと思うんだよ。今一番
 ね、一位になってるモノ。今一番エエんではないかと思われてるモノは実は
 逆であって、最低なんじゃないか?とか。」
K「まあね。」
T「わかんないけどね。そういうモノの見方なり何なりってのをね、一回して
 みる事が必要かもと。」
K「そういう考え方すんのは要するにこの時の感じだよね。」
T「この当時のイギリスのニューウエーブパンクっていうのはね、イギリスの
 経済ってのがもの凄い停滞して失業っていうか…もう煮詰まっちゃって経済
 がさ。どうしようもない閉塞感ってのがあって。で、サッチャーがそん時出
 てきたんだよ。」
K「そうだね。」
T「で、丁度そのサッチャーに代わったぐらいで、ジョンライドンとかパンク
 ムーブメントみたいなのが若者達と…」
K「ゴッドセイブザクイーン。」
T「そうそう。波長が合っちゃってさ、盛り上がった訳でね。」
K「うん。」
T「サッチャーはでも偉かったんだよな。あれでイギリスの経済をもうめちゃ
 くちゃこう…」
K「いい方向に持ってっちゃってね。」
T「女なんだけど男勝りというかね。もーねガンガンやって復興さした訳だよ!」
K「そうだねー。」
T「日本は今のほら首相?あれ何ですか?って感じ(笑)。言っていいのかな…
 っていう所もある訳じゃない。」
K「(笑)そうだな〜。」
T「日本の経済もこういう状態だけど。これはいかんな!と。」
K「そうだねー。」
T「うん。だからこういうパンクっていうんじゃないけども、こういうなんか
 ひっくり返してみる!ね。」
K「ちょっとそれオリジナルラヴが先頭になって何かやってよ!」
T「俺だけやってもなーみたいな(笑)。」
K「(笑)ひとつ。」
T「取り敢えずテーブルをひっくり返してみてるんですけど(笑)。」
K「次はもっと大きいモノをね、ひっくり返してもらってね。」
T「そう。どーなんでしょうか。という感じでね。やっぱりねそーゆー事を
 しなきゃなと思ったりしてる訳ですけどね。」
K「うん。」

***
T「だからね!さっきの続きだけどね。何かいろいろ思いついちゃったんだ
 けど。ごめんね(笑)。」
K「いやいや。」
T「だからさあん時さ、ジョンライドンのパンクにしがみつけるモノあったじ
 ゃないイギリスの子供達には。今無いんだよな!」
K「今ね。うーん確かにこれ!っていうのが無い。」
T「これ!っつーのがね。ロックでも何なりいろんな幻想の力が弱いんだよ。
 だからねー、すがりつけるモノが無いからあーのー…犯罪者になるとか何
 だかんだってさ…」
K「そっち行っちゃうからね…」
T「取り敢えず俺はね、テーブルひっくり返してみたんだけどビッグクランチ
 で(笑)。」
K「うーん取り敢えず(笑)。」
T「取り敢えずっていうかね、やってみたけど…どーなるのよって感じがする
 んだけど。そういった事を今は考えなきゃダメだと思うな。」
K「今ホントそういうの欲しいよね。」
T「うん。ね、この番組取り敢えず『バースト!』とか言ってるけどさ(笑)
 …俺だけか?言ってるの。みたいな(笑)。」
K「俺も言っとく?(笑)」
T「そう!君も言ってよバースト!」
K「バースト!」
T「やっぱね何っていうのかな…」
K「場数だよねやっぱね。」
T「もちろんそれもあるけど。不思議なもんでね、例えばインターネットとか
 いろんなツールとか増えてさ、芸術的な…例えば純文学であるとか、あーい
 ったものっていうのがね、芸術度の理解が広がって行くはずだとみんな思っ
 てた訳よ。ところがさ減ってるんだ。」
K「あー。」
T「今、純文学の売り上げがどんどん下がってるんだよ。で、音楽もそうでね。
 芸術的な香りのする音楽ってね、ラジオではほとんど今かかんなくなってる
 し。」
K「そうだよなー。」
T「メディアの人がなかなか取り上げなくなってるし。おかしな事にそういう
 傾向にあんだよな。」
K「うん。みんなそういう所に興味無くなっちゃったのかね?」
T「だからね、いや、あのね、逆の事が起こってんのよ。昔の方がこう情報与え
 られてない時の方が…俺らみたいにさ、郡山にいて全然情報入ってこない…」
K「片田舎でねー。」
T「そん時に俺らはさ、アステリックコスピリッツ80's(←?)だ、ギャングオ
 ブフォーでめちゃくちゃ盛り上がってた訳よ。でもね今逆でね。」
K「簡単に知れちゃうからね。」
T「今はね、宇多田ヒカルちゃんとかあーいった曲がヒットすればみんなそうな
 っちゃう…とかね。逆の事になってるんだ。」
K「一極集中型。」
T「何だかなーこれは。」
K「そうだね。」

<エンディング?>
T「これはね、吉本隆明さんの本こないだ読んだんだけど…あのえーと盛り上が
 っちゃうなこれだけで(笑)。」
K「(笑)」
T「まあいいやここだけずっーと…。資本主義からね、超資本主義?超消費資本
 主義だっけな?ちょっと忘れちゃったけど。違う段階に入った訳よ。」
K「あー。今は入ってんの?もう。」
T「そう、入ったの。だからね、そうなった場合、出版社の人達とかはね、やっ
 ぱりね、純文学なり、をやってる人達を保護しなきゃダメだと言ってるんだ
 よ!」
K「まあ、そうじゃないとねえ。」
T「だからね!音楽もね!…それやってくれっ!」
K「(爆笑)それが言いたかったのね。ずーっと長々と。」
T「(爆笑)そう!それやってくれ!!」
K「それやって欲しいよそりゃ(笑)。」
T「出版社なり何なりね、あのね、保護してくれ!と。」
K「保護されたいよなそりゃ〜(笑)。」
T「(笑)芸術とかそういう事やってる人達を…」
K「守れ!みたいなね。」
T「そうそう。そうしないとね。吉本隆明さんって真面目にそういう風に言って
 る。でもねかえって推理小説とか直木賞モノとか、ああいったモノはね、昔
 より読まれてるの。」
K「かえってね。」
T「うん。でもさ、今だから生産者よりも消費者の方が力が強い訳だから。それ
 がその今までの資本主義社会からもう1コ上に上がったレベルの社会なんだっ
 てよ。」
K「うん。」
T「消費者の方が力が強いと。昔は生産者の方が力が強かった…作ってるんだか
 らモノを!みたいな。今は売れるもんがさ、消費されてるモンがたくさんある
 からそっちの方が価値が高い!みたいな。」
K「そうだね、そういう傾向だよね。」
T「レコード会社の人達とかさ、今や雑誌の人達まで音楽評論してる人達まで、
 そんな事言ったりする事あるから、俺腹立つんだよなそれ!」
K「ちょっとそれは辛いね。」
T「うん。なんかねやっぱりそこをね…」
K「もー!名指しで来い!」
T「ん?(笑)」
K「どーだ!(笑)」
T「名指しはね、まあそれは…お茶を濁すけど敢えて(笑)。」
K「(笑)」
T「だからね、これはね、もう保護しちくれい!」
K「(笑)」
T「インターネットだ何だかんだ言ってもね、結局ね。インターネットで勘違い
 するのはね、そこで自分の感覚が…人間人々の感覚がね、広がって…世界に
 広がっていって、で、心も広がると勘違いする。」
K「あーそれはあるかもね。」
T「そんな事ねーんだよ!と。」
K「うん。実は無いからねそれは。」
T「人間の心の…何つーの?興味なり何なりそういった望みっていうのはギリ
 シャ時代から変わってないんだって吉本隆明さんが言っててね。その通りだ
 なあ!と。」
K「そうだよね。」
T「感心しちゃってさ俺(笑)。だからね、そういう事を基本的に思ってね。
 やっぱね、芸術をどっかで保護するように取り組んでくれと。みんなで。
 何かね、いろいろ思ったりした訳でありますけど。…まとまれませんでし
 た(笑)。」
K「いや、語ったね今日何か。熱く語ったね最後に(笑)。」
T「(笑)いやいや。たまたまですけど。はい。という事で、今日のゲスト
 は『プッシントゥハード』の木暮晋也さんでした。」
K「どうもありがとうございました。」



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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki