フクシマ50への放射線防護

東日本大震災による原子力災害の教訓
安井 省侍郎

"専門的ではあるが包括的な、福島原子力災害対応における労働者の安全対策のまとめ."
— Kirkus Reviews

English Version


2011年に東日本の海岸を襲ったマグニチュード9.0の地震は、東京電力福島第一原子力発電所に深刻な損傷を与え、3基の原子炉でレベル7に相当する炉心溶融を引き起こし、放射性物質を放出した。これら状況は、緊急作業従事者と除染作業者の即時の対応を必要とし、それら作業者の放射線防護は、厚生労働省が責任を負っていた。

著者は、厚生労働省の緊急対応チームの担当官の一人であり、放射線による危険の下での労働安全衛生確保に関して、この事故からの教訓を明らかにするため、国際学術誌に掲載された多数の論文を執筆した。福島原子力災害については、数多くの書籍や報告書が出版されたが、労働者の放射線防護にはほとんど触れていないからである。

本書は、事故対応における放射線防護の次の4つの大きな課題別に、学術誌で出版された論文を掲載している。


本書は、事故対応に直接従事した厚生労働省の職員によって執筆されたものであり、原子力事業者、政府職員、そして放射線の有害性と危機対応に興味のある方に対し、放射線被ばく下における対応の実情を共有するとともに、今後の指針や参考となる教訓を提供する。福島原子力災害から得た教訓は、原子力産業全体における労働安全衛生の改善に資するものである。

本書は、2022年に出版された”Radiation Protection for Fukushima 50: Lessons Learned from Fukushima Nuclear Disaster. Second Edition”の著者自身による忠実な邦訳である。

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