ある日、私の心をぐぐぐっとわしづかみにしてくれる本に出会いました。


大変素敵な本です。
見目麗しく美味しそうなお菓子のレシピと
それを贈り物にする際のラッピングのアイデアと実例が
綺麗な写真で掲載されています。
色遣いも秀逸。
私好みの渋い色にきっぱりとした鮮やかな色をあわせる色遣い。


お菓子作りに凝った中学生くらいから
気負うことのない場への手みやげは
手作りのお菓子でした。
圧倒的に多いのは、保存も利いて、形もしっかりした
パウンドケーキやマドレーヌ。

ラッピングはもともと好きですから
それほど凝ったことはしなくても、なにかしらの
アイデアはしてきたつもりでした。

結婚して、二人暮らしの生活ではお菓子を作っても消費に困ることの方が多く
(それでなくても体重に危機感を抱いているというのに)
めっきりお菓子を作ることが無くなりました。
それでも、手みやげにはやはり手作りのモノを添えるのが好きで
ともすればラッピングは自分の手で行うしかなく
どうにもマンネリ化する自分のラッピング技術に「少々難あり」感を
抱えたり、それでも、街でみかけたラッピングを真似してみたり。


そんなときにこの本に出会いました。
この本ではパウンドケーキ以外のケーキすらも
己の力で美しく格好良く包んでしまいます。

気の利いたレシピのお菓子は
モダンでお洒落なモノもあるかと思えば
金柑のシロップ煮だったり干し柿のビスコッティだったり
しみじみと美味しそうなモノも。
シンプルなんだけど人に見せたい!味わわせたい!というお菓子です。
そして、それを引き立てるようなラッピング。
お互いがお互いで上手くコラボレートしている一冊。

お菓子のレシピもラッピングも
すごくすごく奇をてらったモノとか難しいモノというのではないのです。
だけど、ちょっと頭を柔らかくして一工夫するだけで
こんなに美味しい物が。
こんなに素敵なラッピングで。
そういう本です。


でも、実はこの本、自分で買ったのではないのです。
ある日時間をつぶすために立ち寄った本屋で出会い
まさにノックアウト状態だったのですが
相方の誕生日とぶつかった今月はどうにも金欠。
後ろ髪ひかれるような思いをして帰宅をしたその日、まさにその日に
私にメールを下さった方が居たのです。
それは私が「今年のカレンダーを作る気にさせてくれ。
誰か尻に火をつけてくれ。」とdiaryでのたまったときに
真っ先に尻に火をつけるためにメールを下さった方でした。
彼女の名前はMさん。

折しも、私がラベルのcolumnをupした後でした。
そのcolumnで私が石鹸をラッピングしているのを読んだ
彼女が出版に関わった本を送ってくださる、という申し出のメールでした。
そして、Mさんが関わった本というのがその「おいしい手みやげ」だったのです。
なんたるタイミング。
私が後ろ髪ひかれる思いで別れたその日に、そのメールが届いたのです。
これを運命の出会いと呼ばずしてなんと呼ぶか。
あまりのことに興奮して支離滅裂な返事のメールを出した私に
Mさんはわざわざ速達でその本を送ってくださったのです。


そして届いたのがこちら。
ななんとシンプルで可愛くラッピングされて。
そして、このラッピングはなんとこの本の著者でいらっしゃる井上さんの
手によるものとのこと。

うひゃあああ。なにごと。

お手紙によるとMさんは井上さんのお手伝いをしているとのこと。
私の興奮したメールの話を井上さんにしたところ、
井上さんがその場でこの本をラッピングして下さったとのこと。
感涙です。
さあ、見てください。(自慢げ)

その場で障子紙をびびっとやぶって包んでくれたそう。 かっこええ!

maneというのは井上さんのデザイン事務所のお名前だそう。
ただの工場長の私にメールを下さった上に、本までお送りいただいて
Mさんのお気持ちに感謝感激雨霰。
本だけの問題ではなく、添えられた手紙の文面、
井上さんに私のことをお話しして下さったこと、
欲しいとメールをした私にわざわざ速達でお送り下さったその気持ち、
全てがしみじみと嬉しい。


興奮した工場長、お礼にJunkFactory謹製手作り魂セットと
称したモノ(中身は石鹸や自家製マーマレイドなどの手前味噌もの)を
お送りしたのですが、そうしたら更に素敵なモノがモノがモノが・・・


井上さんのカード。フェルトのコラージュ。うひゃあ。



去年行われた展示の冊子。
中身もちろっと。


創作意欲に火をつけられる感じでした。
デザインというのは、その媒体が紙であれ布であれ
共通のものがあるんですね。
私の中の「こういうモノを創りたい。こういうモノを描きたい」という
気持ちにぴったりくる品々でした。
感性に合うというか。

さて。
これから年末年始の手みやげシーズン。
私はこの本を活かして作りまくり包みまくりたいと思います。
そして、頂いたこの創作意欲でもりもりと創作を。


惜しむらくは猫の包み方が載っていなかったこと。
あ、猫は「おいしい手みやげ」ではないのでした。
当然です。あいつは食えない野郎です。



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