クマツヅラ

クマツヅラの名は900年代に書かれた 「和名抄」 に登場し、又、漢名の馬鞭草(バベンソウ)の名で古くから漢方薬として使われてきたように、日本の野に古くから自生し、各地の夏から秋の野原に咲く。
ヨ−ロッパ、アジアにも広く分布し、クマツヅラ科クマツヅラ属(あるいはバーベナ属)にはヤナギハナガサ、アレチノハナガサ等の仲間があり、共に夏の野原を彩る。( 「ヤナギハナガサとアレチノハナガサ」 の項参照)。
クマツヅラのラテン名のバーベナ(Verbena)は 「祭壇を飾る花」 の意味で、古代ローマでは聖なる草とされ、ヨーロッパではハーブとして利用されてきた。
洋の東西を問わず薬草として使われ、解毒、感冒、婦人病の薬として、又、皮膚病や腫れ物にも用いられ、キリスト教の伝説では十字架にかけらたキリストの出血を止めた草とされる。
このように万国共通の薬草として用いられた野の花には他にカキドウシ、ウツボグサ、ノコギリソウ、オトギリソウ、メハジキ等がある。( 「カキドウシは世界の薬草」 「和洋共通の薬草ウツボグサ」 「ノコギリソウと西洋ノコギリソウ」 「オトギリソウの伝承」 「世界の婦人病薬メハジキ」の項参照)

クマツヅラ(馬鞭草)

馬鞭草(バベンソウ)の名は写真のように細長い穂状花序を馬の鞭に見立てて付けられた名である事ははっきりしているが、クマツヅラの名の由来は良く分かっていない。 一説には花の後、米粒状の実が穂状に付くので 「米ツヅラ」 がなまってクマツヅラになったとされる。

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