私の好きな名人たち

三宅菊子
筑摩書房 1979.11.20

表紙 

家庭画報とに「名人・達人を訪ねて」と題して1977年〜1979年の間に掲載されたもの(一部は 日本の仏像(講談社MOOK)に掲載)。古い職人さんの仕事や生活について、愛情たっぷりに語ってあります。白黒写真付き。 たった数十年前には隅田川を材木の筏で上り下りしていたなんて不思議です。

たったひとりで巨大な石仏を掘るおじいさんの話が気になっていて、あるとき調べたら、石仏は完成せず、おじいさんが自ら壊して、亡くなったということが分かりました。
「一輪車を一般向けのスポーツ用品として普及させたい」というおじいさんもいたけれど、これは実現しましたね。
などと未来人な気分にも浸れます。

目次
 八十五歳の自転車乗り 鈴木義豊さん(東京)
 ムツゴロー釣り四十年 小山房巳さん(有明海)
 巨大な”磨崖仏”に挑む老石工 松下与一さん(瀬戸内海)
 大川(隅田川)川並衆の長老格 中村博さん(東京)
 鳶職、梯子乗り 佐久間勝義さん(東京)
 打ち上げ花火一筋 大石武雄さん(静岡県藤枝市)
 法隆寺大工 西岡常一・小川三夫さん(奈良)
 初節句を祝うブカ凧づくり 村松新一さん(静岡県森町)
 夫婦で彫り続けた三千体の仏像 佐川定一さん(京都)
 女文楽の座長 織田マサ子さん(瀬戸内海直島)
 船の名人・パイロット 加藤敬二さん(横浜)
 鳩待峠の共稼ぎ荷背負い 佐久間幸吉・きよ子夫妻(尾瀬)
 京都で一番古い髪結いさん 南ちえさん(京都)
 熊野随一の筆匠 赤翼洞水さん(広島市安芸郡)
 鴨の坂網猟 谷功夫さん(石川県片野)
 型染友禅の彫り師 川村政次朗さん(京都)

(2011/4/10更新)