40-10:三重県 津市 榊原温泉 大観音寺  



所在地:三重県津市白山町佐田字東谷1957番地

取材時期:2008年1月

ジャンル:おいのり系

珍スポ度:☆☆☆☆(☆五個が最高得点)

この年末年始はどこを取材しようかと構想を練っていた。取材の薄い岡山・兵庫あたりを狙って計画を立て始めたが、この時期はあの方面に新幹線で出かけるパックツアーは異様に値が張ることがわかった。それなら、初詣も兼ねてお伊勢参りはどうよ?ということで三重方面取材ということに決定。三重なら外せないのが、あの宗教テーマパーク「大観音寺」である(残念ながら元祖国際秘宝館はすでに閉館してしまいました)。ここは既に3回ほど訪れているので、今回で4度目。ん〜何度行ってもその都度発見があり、楽しめる場所である。

さて元旦の翌日、新幹線で名古屋入りし、近鉄で榊原温泉に向かう。朝、横浜を出れば昼にはもう榊原温泉に到着できるとは、自走してきたらこうは行かない。近鉄特急を降りると既に駅ホームから黄金の大観音とルーブルのピラミッド・巨大ヴィーナス&ニケが望める。列車での取材ならではサービスショットである。

ホームのコインロッカーに荷物を押し込み、いざ取材開始。と行きたいところであるが、昼食がまだである。駅員さんに聞いてみてもこのあたりに食事の出来るところは無いらしい。あきらめて大観音寺に向かう途中にありました立派な和食処。正月営業もやっているらしく暖簾をくぐり正月会席を頂く。こんな寂れた場所にこんな立派な食事処が・・。参拝して戻ってみると空き地になっていた、なんてことはないだろうか?と、心配になってしまった。

日本酒付きの豪華ランチ(電車取材のなせるワザ!)も終了し、いざ大観音寺である。店を出て寺に向かう。黄金の巨大観音が見えるので迷いようがない。すぐに到着。手前がルーブル彫刻美術館であるが、まずは奥のお寺さんから攻めて行こうと、進む。お約束のスフィンクス像にカエルの楽団のお出迎えを受ける。何度見ても強烈である。なんでカエルなんだぁ〜!誰か教えてくれぇ〜!いちいち、これしきの小ネタに構っていると、とても一日で取材が終了しないので先に進む。




拝観料徴収ブースにつながる長い土産物店アーケードである。前回までの取材では、まずこの場で土産物屋のオバチャン達の洗礼を受けるはずだ!と身構えていたのだが、やはりこういうご時世なのか、土産物屋は撤去され、奇石展示場になっていた。ちょっぴり寂しい。受付でセット拝観料を支払いいざ取材開始!

最初に通されるのはやはり土産物コーナーであった。今巷で話題の(って全然話題じゃないですが)大念珠や、各種お守りなどてんこ盛り。その奥に「なでれば金運・長寿」の純金恵比寿・大黒さまが鎮座している。なんと時価五億円!これまで同様ナデナデさせてもらいました。これは有名な彫刻家北村西望氏が作製したそうである(あの長崎平和祈念像を造った人)。そういえば去年、あの飛騨の「大橋コレクション館」で白昼堂々と2億円の金塊が強奪されたが、ここのセキュリティは大丈夫なのだろうか?他人事ながらちょっと心配である。でも、大橋コレクション事件の犯人はどうやら捕まったので、少しは安心できますね。まあ、金運・長寿の恵比寿様を盗んで切り売りしたら、金運・長寿どころじゃないでしょうから・・・。そうそう、今回の取材では、財布にいれる恵比寿・大黒カードが配られていなかった。そういうことなら手持ちのカードは無くさぬよう大事にせねば。



土産物店(パンフを見ると「純金恵比寿大黒霊場」という場所だったようである)を出ると、まず出迎えてくれるのがネコの楽団。カエルといいネコといい、なぜか楽団が好きなんですね、このお寺を造ってしまった竹川管長という方は。ここは真言宗山階派のお寺ということで弘法大師像もある。こちらは至ってまじめな造りで面白味が無い。階段を上り百観音霊場。靴を脱いで上がるとズラッと仏壇のようなものが並び、中に一体ずつ仏像もしくは七福神が入っている。その前に足形があり、上に乗っかって一つ一つ拝んで行くのだ。沢山あってきりがないので、ぽんぽんと足形の上を飛び跳ねて参拝させて頂いた。何だか稲葉の白ウサギになった気分。年輩の方々は生真面目にも一々5円玉を賽銭箱に投入しつつ拝んでいる。うーん、結構うまい商売かも・・。



お次は大観音に向かう参道に戻った。そこには「やるき達磨」がカァ〜ッと気合いを入れる像やら、なにやら艶めかしい弁天様やら、もーどうにでもして!感が漂っている。弁天様の奥には水子供養殿があり、内部には正面に大きめ仏像がありちょっと周りとは雰囲気がちがう。参道にもどると、お待ちかね正面に33メートルの黄金巨大観音様だ。おおっ!と近づくが、待てよ、前回はこんなもんあったか?と記憶を辿るが、出てこない。それは観音様正面の円形砂場に造られた目を閉じた仏陀である。ひぇ〜、何となく不気味。正月特別バージョンなのか・・・。



ご本尊・純金黄金大観音様の足下に行き、一応(じゃなくて、きちんと)お参りする。当然お賽銭はなし。まだまだ取材は続く。この大観音は残念ながら胎内巡りはできない。観音様左手奥は「四国八十八カ所お砂踏霊場」となっており、システムは先ほどの百観音霊場と一緒。ここもポンポンと白ウサギ状態で駆け抜け、出口でおみくじを引いた。「中吉」であった。あんまりうれしくない。百観音霊場にも置いてあるが、ここにも霊験灼かな大念珠という数珠が土産物として展示してある。前回訪れた時に不覚にもつい購入してしまったのだが、こいつは樹齢2000年のアフリカ産ブビンガ巨大木から作製した巨大数珠のミニチュア版なのだ。これは岐阜の林寛至氏が二匹の狐に導かれて作り始めたものらしい。ニカ家唯一の数珠として大変重宝しているのでした。

ふう〜っ、これで大観音寺の最深部まで到達したので後は帰還するのみと、引き返すことにした。すると大観音の向かって右手に巨大な「手」が・・。さらに、その横には、あのガン封じの珍獣「白澤(はくたく)」が目を剥いているではないか!そうそう、ここに居たんだよなぁ〜と思い近寄る。近くにハンドマイクを持ったカラオケ観音も居たはずだ、と右手を見ると、小指を立てニッコリ歌うカラオケ観音像が・・。何度見ても変。ここは何でもありの仏教テーマパークなんだな、と再認識させられたのだ。



これで一通り取材終了。例の土産物屋、いや恵比寿・大黒霊場から出口に向かう。お次はルーブル彫刻美術館だ、とアーケードを行くと、例の奇石展示スペース。「石」は究極のコレクターズアイテムで、集め出したら切りがないと良く言われているが、ここにはかなりの数の奇石がある。あの秩父「珍石館」の羽山館長もびっくりではないだろうか。石表面にくっきりと人型が浮き出ているものや富士山と命名された石など多数展示。石フェチは一度観に行く価値はあるだろう。

4度目の取材を終え、帰宅してから膨大な写真を整理しているうち、大観音寺はいったいどういう目的で誰が建立したのだろう、という素朴な疑問が生じた。なんと言っても、あの黒川紀章建築都市設計事務所が設計監理しているというのだから半端ではない。一応拝観受付ブース前には「宗教法人 寶珠山 大観音寺」と書いてあった気がするので、宗教法人であるのは間違いない。では、生口島の耕三寺のように檀家のいない趣味寺なのか?敷地内のルーブル彫刻美術館と同じ竹川勇次郎氏が造ってしまったのだろうとは想像できるが、何のために?耕三寺のように自分の母のためだけに?

結局、ネット調査では判明しなかったが、「怪しげ探検隊」さんの掲示板で唯一得られた情報では、創設者の枕元に観音様が現れて「三重に美術館を造りなさい」と言ったとか。この手の話は、室蘭のドライブイン大仏亭でも聞いたことがある。しかしである、この規模の巨大仏教テーマパーク建設のみならず、あのルーブル美術館から実物の型を取り三重の山奥に展示させる許可を取り付けるには、莫大な資金が必要なのではないか?いったい竹川勇次郎なる人物は何者なのだ?あ〜、もっと知りたい・・。

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