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D&G(ドゥルーズ&ガタリ)研究会は,早稲田近辺で開催する読書会を活動の中心とした,てんでんばらばらの参加者による,自由気ままな集まりです。

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G. ドゥルーズ&F. ガタリ『千のプラトー』読書会

『千のプラトー』解題へ

12. 1227年――遊牧論あるいは戦争機械 pp.407~

報告: 2005/04/07 ―― 戦争機械は国家装置の外にある

いよいよ『千のプラトー』の代名詞ともいえる章,戦争機械論に入ります。

これまでの議論では常に戦争機械にポジティブな役割があてがわれていましたが,その内実は必ずしも明らかではありませんでした。この読書会で皆さんと一緒にそれを少しでも明確なものにしたいと思います。

なお,「遊牧論」の冒頭で参照されているジョルジュ・デュメジルは日本語訳がちくま学芸文庫から出ています。

今回の範囲は「戦争機械は国家装置の外にある」というテーゼをさまざまな実例を挙げて証明しようとするところで,テーゼが単純なだけに,内容上特に込み入ったところがなく,大きな議論は起こりませんでした。

印象的だったのは,読書会の後に食べた韓国料理のおいしさと(案内していただいた吉田さんに感謝!),その帰り道,新たに加わった清水さんがふと漏らした,「この読書会,おもしろい」という言葉でした。

確かに,これだけ専門の異なるメンバーが一堂に会して,同じテクストをめぐってあーでもないこーでもないと議論するのは,よくよく考えてみれば非常に稀なことなのかもしれません。

僕がふと思い出したのは,ドゥルーズの「出会い:rencontre」(蓮実重彦風に訳すなら「遭遇」)という概念です。何度も反復されることによって知らず知らず習慣となってしまった思考形式を,暴力的に打ち砕き,新たな思考へ向かうことを強いる,外から訪れる「出会い」。それはおそらく「出来事」や「他者」の別名でもあるでしょう。この読書会はそのような「出会い」に満ちている気がします。また,そのような新たな思考こそが真に「思考」の名にふさわしいのであり(習慣的に惰性で考えているのは,「思考」ではなく,デリダ風に言えば,「計算」でしかない),この「思考」はまた「創造」でもあるならば,この読書会は「思考」し「創造」する場でもあるのかもしれませんし,そうであってほしいとも思います。 ――大久保

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