貴方に感謝しています (死 その4)


四回忌 という言葉があるのかどうかよく知らないが、俺にとって特別な存在の人が亡くなってから 丸3年が経過した。
特別な存在と言う理由は、当時 職場の直属の上司であり、「いつかぶっ倒してやろう」と真剣に思っていた 憎たらしい程の鬱陶しい存在であったからである。

口やかましい人は、大ざっぱな印象だと 以前の俺は 勝手な印象を抱いていたであるが、貴方は違った。 とにかく口やかましくて、うるさくて、しかも、その内容が細かかった。

貴方は 常にエネルギッシュで、暑苦しくて、見た目にも脂っこくて、声も大きければ、態度もデカくて、今でいう パワハラ何て当たり前を実践する上司であった。

そんな面倒くさい貴方が亡くなってから、今日で丸3年。
今俺が一番言いたいことは 悔しいけれど「貴方に感謝しています」だ。

貴方は 常々 こう言っていましたね。「俺がいなくても回る仕組みを作るのが俺の仕事だ。」
その言葉通り、本来は貴方がやるべき仕事を部下である俺たちに押し付けて、俺たちは必死になって本来の自分の業務に加えて 貴方の作業や仕事を学ばせてもらいました。

・・・もう、あれから丸3年が経過してしまいましたが、
ようやく貴方とは社内的には同等のポジションに俺はこれから就くのですよ。副店長という役職です。
ベテランの貴方とは比べようもないですが、貴方の教えは俺の中でもまだ ギラギラと生きていますし、これからの俺を見ていてください。
そして、かなわぬ願いですが、引き続きご指導の程 よろしくお願いいたします。
・・・ただし、貴方をぶっ倒したいという思いは今現在も俺の中にはある事をお忘れなく。


2012.8.17.


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