人が死ぬということについて書いてみる。
誰しも、生を受けた者はいつか終わりが来る事は事実である。
自分自身を含めてそんな事は当たり前過ぎて、気にも留めていなかった。

現役の、職場の仲間が死んだ。
会社組織である、俺の直属の上司である。

昨日まではピンピンしていた人が死んだ。
病気等を患っていたとかならともかく、突然の話である。

不謹慎な話ではあるが、殺しても死なないようなタイプであった。
いつもギラギラと脂ぎった感じのエネルギッシュなパワーを持ち、ある意味暑苦しく、うざいという言葉がピッタリな感じ。

心筋梗塞と聞かされた。
そんなはずはない、と今でも俺は個人的には思っている。
謎めいた部分も多少なりともあったから。

口やかましいタイプの人間は、大ざっぱな事が多いと思っていた。
しかし、この人はとても細かくて うるさかった。

俺が言うんだから間違いない。
俺の言うとおりにやれば間違いない。
・・いつもそう言っていた。

法律や、会社の方向性も含めて、
指示や指導など糞くらえの勢いであった。

2009年8月17日。
どういう理由だか未だに良く判らないまま、
俺にとっての偉大なる指導者である、職場の仲間の生涯は幕を閉じた。

おやすみなさい。
・・だけど、さよならは言いません。

あなたの残した物、やりたかった事は俺が引き受ける覚悟です。
リアル社会ではまだ誰にも言っていませんが、その覚悟は出来ています。

あなたから見れば生ぬるい事は判ります。
あなたがやりたかった事は、俺が後を引き継ぎます。

ただし、野球の話は抜きにしてください。
あなたがとてもひいきにしていた巨人は今年はリーグ優勝するでしょう。
でも俺はそんな事は興味ありません。

誰でも、いつかは死ぬよ。
あなたは その「いつか」が少々早過ぎたのではないかと思われます。
ウザい事言い続けるあなたが居なくなっては、なんだか締まりません。

大きなこと、細かい事、言い続けていたあなた。
どんな理由か知りませんが、もうあなたの傲慢な指示は頂けなくなりました。

こちらは好き勝手にやらせて頂きますが、
ご了承いただけますでしょうか?

いただけなくても、好き勝手にやらせて頂きます。
・・もちろん、あなたの意志を引き継いで。

仏様になられた。あなたを拝見させていただいた通夜式では、
正直、涙は一滴たりとも出ませんでした。

いつもエネルギッシュで、暑くて、脂っこくて、うるさくて細かい、あなたとは思えなかったからです。
オーラが何も感じられませんでした。

これ以上、あなたを苦しめる気はありません。
出来れば静かにしばらくお休みください。

永遠の別れを言う気持ちには、今はまだなれませんが、
その時が来るまでは、しばらく静かにお休みください。

あなたには、ひょっとしたら休息が足りていなかったのかもしれませんよ。
それでは。


(追記)
あなたの贔屓にしていた野球チームは、
今年もリーグ優勝を果たしました。
当然だろうとあなたが言うのも判っています。
監督が胴上げされる映像を見ながら、
私はあなたが胴上げされているように重ねて見ていました。
申し訳ありませんが、俺にとってあなたは、
まだ過去の人ではありません。
それでは。


2009.9.13.
2009.9.15.(加筆修正)
2009.9.26.(追記)




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