三回忌 (死 その2)


人はいつかは死ぬ。
そんな当たり前の事は誰しもが知っている。
俺にとって特別の人である貴方が亡くなってから、三回忌です。

人は死んでもその魂は何らかの形で存在する様な気がしている。
肉体は死んでも、何かしらの影響を受けた他の人の心にはその人は生き続けるのである。特定の宗教とか、特別な信仰心が俺にある訳ではないが、そう感じずにはいられない。
未だに白昼夢と言うか、貴方は俺の中に出てきます。
あの時と同じ失敗を繰り返しそうになるたびに、「だからお前は駄目なんだよ」、と駄目出しの嵐です。


俺にとって特別なその人は、とても仕事に誇りを持っていて、後輩の指導や教育にはとりわけ熱心に情熱をそぞくタイプの人であり、俺はいつも、貴方には叱られっぱなしであった。
悔しいかな、本当に毎日のようにケチョンケチョンに叱られていた。

その人が死んだ後でも、事ある毎に 俺は叱られている気がする。
見返してやりたいが、なかなか俺のスキルでは届かない。

実際に、偉大な人であった故にそう感じるのである。
少なくとも、俺の中に貴方はまだ、いる。

はやく成仏させてやりたいのは山々なのではあるが、
実際、心の整理は俺の中では付きそうにもありません。


2011.8.12.


死 (2009.9.13.)




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