西之川から石鎚山往復

 石鎚山は以前から写真などを目にしてその峨々たる山容に憧れていましたが、瀬戸内海で隔てられた四国は地理的には近くても心理的には遠いところでした。瀬戸大橋が開通してから一度だけ四万十川へカヌーツーリングに出掛けたことがありましたが、今年4月に明石海峡大橋が開通して、いつも通勤途中にこの橋を見たり、垂水ジャンクションのそばを通るうちに、車で瀬戸内海を越えれば前夜発日帰りで石鎚山に登れるのではないかということを考えるようになりました。高知以外の四国も見たい!ディスカバー四国!・・・というわけで。


日 時  1998年8月27日(木)
行 先  西之川から成就を経て石鎚山往復
日 程
 26日(水)

20:00神戸出発(0km) = 24:25西之川(255km)テント泊

 27日(木)

6:30起床 8:00山麓下谷〜〜8:08山頂成就−−10:30石鎚山頂上12:00−−13:40山頂成就〜〜14:08山麓下谷

14:30西之川(0km) ==22:40神戸(327km)

             車 ==  徒歩 −−  リフト 〜〜


山行を振り返ってみると・・・

 東北・関東各地に大雨が降り、台風4号が近付く中、天気に多少の不安を感じつつ、神戸を車で出発した。初めて渡る明石大橋は壮観で、丁度9時に着いた淡路のサービスエリアでは虹色に光る橋を見ることが出来た。

石鎚山 翌朝は心配した雨の気配もなく、いわし雲の良い天気で、寝不足を除けば気持ちの良い出発だった。8時発のロープウェイの乗客は数名ほど。途中、瓶が森がロープウェイ後方に特異な姿で聳えていたが、それがとても魅力的で、何故今回あれを登ることを視野に入れていなかったのかと残念に思った。

 山頂成就駅から100mの登りで成就社に着く。お社は奥の壁が無く、そこから覗く石槌山そのものが御神体になっている。ここでは安全登山を祈願しておいた。

笹原とブナ お社からは100m程下りで、鞍部を八丁と呼んでいる。今日は荷物も軽く、登りもさほど苦にならず、そこから快適に高度を上げてゆく。前社森を越える頃から尾根筋は笹原とブナの美しい庭園となり、山頂付近は峨々たる岩と立ち枯れした樹木が修験道の山に相応しい貫禄を漂わせているのを眼前にする。いくつかの険しい鎖場を登るが、鎖そのものは非常に太く立派で、これをホールドにしている限りは何の心配もいらないだろう。またこうした鎖場には巻き道が用意されており、子供や女性、そして下りにはそちらを利用する人が多いようである。

鎖場 三の鎖を登るとそこが弥山山頂だった。荷物が軽くてペースが早かったためか、予定よりも1時間早い到着である。ここからの眺めは本当に素晴らしい。瓶が森の美しさはもちろん、他の山も鋭角的な山容が多く、重なりも複雑で、山深い印象を受ける。そしてなんと言ってもいろんな木々の緑色のバリエーションが豊かで、ゆっくり出来るなら何枚もスケッチをしたいところだった。

 痩せ尾根を天狗岳まで足を延ばし、山頂を越えたところで淡路で買った蛸飯弁当を広げた。天気の良い日の山の昼食は最高だ。しかし、ここの蟻の多さはどうだろう。そしてお構いなしに体中を徘徊する。これが咬むと結構痛いのだ。弁当箱やザックの中にも何匹か入ったようだが、神戸につれて帰ることにしよう。

天狗岳 空身で大砲岩まで足を延ばす。岩は高度感があって、その先端で記念撮影をするが、寝不足のフラフラした身にはちょっと厳しい。靴がウレタン底の運動靴なのも不安定の原因だ。しばらく展望を楽しんだのち、下山を開始した。

 下山は休憩せずに結構飛ばして下った。三の鎖は下山にも使ったが、下にいた50才くらいの女性登山者が、「ええっ!鎖場を降りてきたの?そんな人は初めて見た!」と吃驚していたので、下りは巻き道が普通のようだ。この女性のパーティは4名だったが、皆妙にハイで、にぎやかな登山を楽しんでいた。その後の鎖場は登りの人の迷惑にならないように僕たちも巻き道を採った。途中ガスが巻いていたところもあったが、西の川はよく晴れていた。


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