東吾妻山スキーツアー

 ここ数年の暖冬傾向から、年末は雪を求めて東北に出掛けることが多いのだが、今回は数年前に西吾妻を登った時から懸案の、東吾妻山と安達太良山を目指すことにした。しかしなんということか、ここも雪はほとんど無かったのだ。東吾妻はスキーが使えず、ツボ足での登山となってしまった。従って当初予定していた高山から土湯への大滑降は夢と消え、担いでいったスキーは、情けないことに磐梯吾妻スカイラインの滑降に使ったのだった。そして安達太良山はいつかスキーで登ることにして今回は取りやめ、結局ゲレンデスキーをして帰ってきてしまった。

磐梯山と猪苗代湖

東吾妻山頂から見た磐梯山と猪苗代湖


日時  1997年12月25日(木)〜12月27日(土)

行先  吾妻スキー場から東吾妻山、吾妻スカイラインを滑降

日程と記録

24日(水)

18:00兵庫出発(0km)  ===

25日(木)

=== 6:00吾妻スキー場(851km) 仮眠

9:00起床 10:00出発‥‥15:00五色沼‥‥17:00一切経山‥‥19:00吾妻小屋

 吾妻スキー場、暖冬の年末でここも雪がほとんど無い。かろうじて一本だけリフトを動かしており、客の姿はまばらだ。

 スキー場の磐梯吾妻スカイライン沿いの駐車場に車を止め、普通ならリフトで登るスキー場をシール登高で登る。スキー場上部から林道があり、何とか雪をつなぎながら辿ってゆく。幸い天気には恵まれて気持ちのよい登高だ。慶応吾妻山荘への分岐を越える頃から傾斜が急になり、積雪が少なくなって、スキーは担ぎになった。

 五色沼は家形山と一切経山の鞍部にあり、水面こそ雪が薄く覆っていたが、岸は陽を浴びて完全に地肌が露出していた。対岸を巻いて一切経山への登りに取り付く。しかしなかなか登高ははかどらず、どんどん陽は傾いていった。

 夕陽に照らされながら立った一切経山の山頂には、いくつかの石の山が積んであり(これをケルンと呼ぶべきか?)そこに卒塔婆のように木の柱がいくつも立ててあった。雪はほとんど付いていない。ここからは吾妻小富士の火口が蟻地獄の穴のように見下ろせる。その右側に今日目指す吾妻小屋があるのだ。僕はこのころから左脚が痛くてストックを頼りに下降を始める。やがて陽は暮れ、ヘッドランプでのルートファインディングとなった。特に尾根を降りきった浄土平あたりでは散策ルートが交錯しており、真っ暗な中で苦労させられた。

 やっとの思いでたどり着いた磐梯吾妻スカイラインだったが、ここから桶沼の向こうの吾妻小屋まではまだしばらくかかりそうだ。ルートは沼を巻いて両側についている。はじめは右側から行こうとしていたが、最も手近に入り口が見つかった沼の左岸を通るルートにした。しかしここは結構雪が深く、ツボ足ではつらい行軍だった。

 暗闇の中に突然現れた吾妻小屋は明かりもつかず、今日は誰も居ないようだった。雪避けの網の隙間から玄関にたどり着いた。2階が冬季の出入口になっている。なるべく雪を入れないように配慮しながら中に滑り込んだ。有名な話だが、吾妻小屋にはストーブが用意されている。宿泊代とコークス代を備え付けの箱に納め、部屋を暖める。夕食を取り、2階で横になるとたちまち心地よい眠りがやってきた。こんなに快適な夜を過ごせるなんて・・・。

26日(金)

5:00起床 7:00出発‥‥8:30姥ヶ原‥‥10:00東吾妻山‥‥13:00磐梯吾妻スカイライン‥‥16:00吾妻スキー場 猪苗代に移動し、夕食。裏磐梯猫魔スキー場へ

 さわやかな朝日が窓から差し込んでくる。気持ちのよい目覚めだ。コークスはまだストーブの中に十分残っており、使用しなかった分もかなり余った。これなら極寒の中で数日沈殿することになっても大丈夫だろう。

 昨日一切経山を越えた感じでは、東吾妻もスキーでの登下降は無理だろう。高山を越えて土湯温泉へという当初の予定コースはとうてい考えられない。しかしここまで来た以上せめて東吾妻には登っておきたいと考え、磐梯吾妻スカイラインにスキー及び余分な荷物をデポして、東吾妻に向かって出発した。

 姥ヶ原の木道から左手に折れる。樹林の下は結構雪があるが、スキーまでは無理だろう。頂上まで何の不安もない単調な登りだったが、振り返って見る鎌沼が三日月のように白く輝いていた。

 山頂からは吾妻の山々や磐梯山そして猪苗代湖の眺めが美しかったが、山が黒々としている様はとても年末の東北とは思えなかった。

 磐梯吾妻スカイラインに戻り、デポした荷物を回収して、下山にかかった。しばらくスキーを履くが、日向に来ると雪が切れていて、シールで地面を踏んだり、また頻繁にスキーを脱ぐことになった。かなり難渋させられたが、結構スキーのメリットはあったのではないだろうか。昨日出発した懐かしい吾妻スキー場が見えて、僕たちのツアーもフィナーレを迎えた。さて、明日に予定していた安達太良山はまたいつか状態の良いときの楽しみにとっておいて、今回はこれで打ち止めにしよう。数年前磐梯登山の時に寄った、懐かしい猪苗代のレストランと猫魔スキー場が僕達を呼んでいる。

27日(土)

午前中スキーを楽しみ、午後博物館の観覧と五色沼散策。夕方帰途につく
19:00裏磐梯(0km) ===

28日(日)

=== 6:00兵庫(851km)
      (車 ==  徒歩 −−  滑降 ‥‥)


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