室堂からタンボ平

 タンボ平を滑降した。ここは十数年前に一度滑ったことがあったが、そのときの雪面は最悪のモナカで、黒部平まで2時間を要し、最終のロープウェイにやっと間に合った覚えがある。今回は午前の陽光にゆるんだ雪をねらった。


日時  2001年5月5(土)

行先  室堂から一の越、東一の越を経てタンボ平滑降、黒部湖へ

日程と記録

  9:20 室堂出発 --- 10:05 一の越10:20 ---10:45 東一の越 10:55 --- 11:30 黒部平 --- 11:45 黒部湖畔 --- 11:55 黒部湖駅12:00 -(ケーブルカー)- 12:10 黒部平 13:00 -(ロープウェイ)- 13:15 大観峰13:30 -(トロリーバス)- 13:45 室堂

 雷鳥荘をチェックアウトして家族で室堂に向かうが、みくりが池手前で、散策を兼ねてゆっくり歩くというカミさんに子供をまかせて、私は登山を急ぐことにした。今日もピーカン。

 室堂のコインロッカーに不要な荷物を押し込んでデイパックで出発。荷が軽いとシール登行が早い。ツボ足の登山者の足取りが随分ゆっくりに感じられる。

 一の越に着いたが、黒部側はずいぶん雪が少なく感じられた。東一の越へのトラバースルートはかなり夏道が露出し、ずいぶん担ぎがありそうである。だが夏道以外に良さそうなルートも見あたらない。そんなことを考えながら斜面を眺めていたときに、単独行の登山者にタンボ平のコースについて質問を受けた。まるで私がこれからそこを滑ることを知っているかのようだった。ひととおりの説明をしたが、タンボ平初見参の登山者は若干不安なのか、なんとなく私と同行することになった。

 御山谷はいつも快適だ。単調なのが玉にきずだが。ひとしきり滑って左へトラバースする。またターンを繰り返し高度を下げる。いくつか這松帯を切りながらトラバースしてゆくが、すぐに夏道が出て担ぎになった。以前この斜面がすべて雪に覆われていたときにルートがよくわからず、ずいぶん上に出てしまったことがあった。今回はそのときの反省もあって正しいルートをすぐに見つけたが、この夏道というのもよく整備してあって歩きやすい。時々現れる雪壁のトラバースでは意地でスキーを履くが、これもなかなか快適でスピーディだった。

 東一の越では数名が休憩していた。中には女性も混じっているようであった。ゲレンデ用の装備である。若くて山の経験はあまりなさそうだが、脚前には自信がありそうだった。

 視界は良好。黒部平のロープウェイ駅がすぐそこに見えるが、前回ここを滑ったときにはモナカ雪に手間取り2時間かかったのだった。この谷は東向きなのだが、あの時は午後遅くなっており谷は陰になりかけていた。今日はその反省の上に立っての行動である。我々はしばらく休憩して腰を上げる。

 くだんのパーティも腰を上げそうだ、スキーを履いた一人が谷を覗き込み「これはなかなか急だぞ。」とつぶやいていた。

 我々はスキーを履くと、彼らに先立って滑降を開始した。スキーで踏む雪はまずまずの感触。幾分重いが素直にコントロールできそうだ。一つ一つ確実に制動しながら大きくターンしてゆく。同行者も私に続いた。

 急な壁を下りきると、斜度は適度になり、雪質も安定して快適に飛ばせる雪面になった。はじめは谷の中央付近を滑ったが、下には谷が切れ込んでいるので左岸に回り込んでおかなくてはならない。いくつかデブリを切りながら左へトラバースする。大観峰へ登ってゆくロープウェイの下を滑る。

 黒部平の駅を左に見ながら黒部湖へ落ちる尾根を下る。樹林を縫ってのルートファインディングに忙しい。はじめは尾根筋を、そして樹間に湖が見えかけたあたりから左の谷へとルートをとった。林道に出てツアーを終了する。黒部湖ケーブルカー駅までほんの10分程の歩きだった。


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