黒石ダムから西光寺山へ

 1年位前、私の故郷である丹波・北播の地形図を眺めていると、低山ながら長く尾根を連ねた山々が多いのに気が付いた。そして等高線のつながりを視線でなぞっているうちに、いつかそのスカイラインを歩いてみたいという欲求がムクムクとわいてきたのだった。丁度その頃折良く書店で慶佐次盛一氏著の「兵庫丹波の山々(下)」を見つけ、「高山から中口山へ」という記事を読んで、少なくとも自分の思い描いているルートの前半は尾根を辿れそうであることが判明した。残る後半については資料がなかったが、エスケープルートもはっきりしたので、友人を誘ってとりあえず入山してみることにした。



日時  2001年11月25日(日)

行先 黒石ダムから播丹界の山を縦走して西光寺山へ 

日程と記録 

25日(日)

  11:53 峠 --- 12:07 571mピーク --- 12:28 530mピーク --- 12:34 553mピーク
   --- 12:40 分岐 --- 12:47 中口山 --- 12:54 分岐(昼食) 

 篠山市の西部に黒石ダムがある。そこを西脇市方面に少し辿った峠が二つの市の境であり、播磨と丹波の境にもなっている。今回の登山はここから出発した。東西に走る峠の南側はコンクリートで固めてあるが、その東の端から取り付く。しばらく藪こぎに近い感じだが、人が通れるくらいのルートはいくらでも見つけられる。そして難なく尾根上に出ると、山の管理道なのか、わずかな切り開きがずっと南に向かって続いている。木々が視界を邪魔していて展望はあまり無いが、顕著な尾根を辿るのは面白い。尾根はクネクネと曲がりながらもあまり枝分かれすることなく、素直に次のピークに延びているのだった。

 いくつかの小ピークを踏むうち、分岐点が現れる。右は西光寺山へと続く縦走路、左前方は中口山へのルートだ。中口山は同行の友人にとってはおなじみの山で、別ルートで何度か登ったことがあるらしい。丁度昼食によい時間になっていたので、山頂で弁当を食べるべく左へ向かったが、腰を下ろして握り飯を頬張るには中口山の頂上は藪に覆われて狭く、結局先程の分岐まで引き返してから腰をおろした。

 

  分岐 13:27 --- 13:36 鞍部 --- 13:50 534mピーク --- 14:00 分岐 --- 14:06 鞍部
   --- 14:07 470mピーク --- 12:15 474mピーク --- 14:19 460m分岐 --- 14:22 420m鞍部
   --- 14:30 460m

 昼食後、分岐を西南西へとる。グッと下ってまた登り返しだ。そして南西へ。534mピークの手前でルートはまた西に大きく屈曲する。だがここで我々は南下しすぎて少し道を間違ってしまった。はじめはトラバースしてルートを修正するつもりだったが、途中が崖になっており、結局ほとんど登り返して正しい分岐点に戻る。そしてまた下り。このあたりは懐にジャパンビレッジゴルフ場を抱えているのだが、幸いなことに稜線からはゴルフ場の気配を感じることはなかった。

   --- 14:40 ササバ --- 14:45 机峠 --- 15:13 618mピーク --- 15:30 西光寺山

 ルートは屈曲して進み、480mのササバと呼ばれるピークを踏んで、机坂へと下る。途中から仰ぎ見る西光寺山は均整のとれた美しさがある。慶佐次氏の記述によると机坂は聖徳太子が越えたという伝説があるらしい。坂より振り返って見たササバは、白骨化した松が痛々しくも異様な風格を感じさせていた。またここからは北方に高山をはじめ西脇方面の山並みが一望できる。

    

 机坂からしばらく登ると鉄塔の側を通る。あたりは広く、気持ちのいいところだ。ここから西光寺山までの傾斜はさほどきつくないが、延々40分あまりの登りとなる。西光寺山は兵庫県内でもよく知られた山であり、今回の登山のハイライトである。

 西光寺山のピークに到達。昔は山頂付近に寺があったらしいが、それがどこだったのか、頂そのものはあまり広くない。しかしここからはとても見晴らしがいい。霞が濃くてあまり遠くまでは望むことが出来なかったが、辿ってきた中口山方面や、東の西寺山、和田寺山、南の北山など、周辺の山がずらりと頭を並べていた。まだ稜線は南に続いており、食指を動かされるが、時間はすでに15:30になっており、これ以上辿るのは無理だろう。予定通りここから下山と決めて、大休止をとる。

  西光寺山 16:00 --- 16:20 炭焼小屋 --- 16:22 林道終点 --- 16:41 本荘登山口 --- 16:50 本荘公民館

 下山は山頂から数十mほど南に下ったところから東に折れる。登山道は尾根上からやがて谷に入り、シダの群生の側を抜け、更に下ると沢沿いに出た。しばらく下ると炭焼き小屋があり、水場を過ぎるとすぐ林道に出る。この林道を辿るとやがて傾斜が緩くなって本荘の集落に入った。西光寺山登山口の標識を見ながら我々は登山を終えたのだった。


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