四阿山ツアー

 昨日に引き続き目指した山は2年前に寡雪のために断念した四阿山。そのときは根子岳から縦走することを考えていたが、今回は脚に不安を抱える単独行であり、往復ルートをとることにした。


日時  2001年3月19(月)

行先  菅平牧場から四阿山往復

日程と記録

  7:40 四阿高原ホテル前出発 --- 7:55 牧場の柵 --- 10:00 大岩 --- 10:30 2000m地点10:40 --- 12:00 山頂12:10 --- 12:45 大岩 --- 13:10 牧場の柵 --- 13:13 四阿高原ホテル前

 四阿高原ホテル前に停めた車中で目を覚ます。素晴らしい天気だ。インスタントラーメンで腹ごしらえをし、出発の準備をする。他にも数台の車があり、それぞれ身支度を整えているようだ。数台は既に出立したと見えて人影がない。しかし7時頃一台の車がやってきて、降り立った女性が、「ここはこのホテルの従業員用の駐車場なので、登山者は下の方にあった空き地に車を停めてください。そうでないと後ろに従業員の車が停まって出られなくなりますよ。」と言う。まあそりゃそうだろう。しかしこの駐車場は丁度登山口にあり、日頃しょっちゅう登山者に利用されているに違いない。だがはっきりとダメだと言われてしまったので、仕方なく車を200mほど移動する。折角履いていた兼用靴を脱いで・・。

 登山口から早速シール登行だ。緩い林道をたどる。10分ほど登ったところでキジ撃ちをする。すぐに牧場の柵を越える。

 牧場は広い雪原だ。右手に浅間山が噴煙を上げて輝いているのが見える。後方の山並みも陰影が深く美しい。それらが春の陽光に霞んでいる様子は平和そのもの。私が期待していたとおりのスキーツアーになりそうだ。

 

 牧場の裾をしばらく左に巻いて、雪原の登りにかかる。緩い斜面が続いてゆく。見上げると常に目指すピークが目に入るが、それはなかなか近づいてこない。

   

 4時間ひたすら登りに徹する。上部は傾斜もきつくなり、止まって息を整える回数も増える。頂上直下に来ると、尾根は痩せており、若干の下りの向こうに急傾斜の登りが待っていた。脚に自信がなかったこともあり、スキーを履いてゆくべきかデポするか迷ったが、幸い移動性高気圧に覆われて気温はぐんぐん上がっており、雪質はいい具合にゆるんで来ていた。横滑りなどをうまく交えれば向かいの斜面もスキーでこなせそうなので、結局履いてゆくことにした。途中から一緒になって抜きつ抜かれつして行動している別パーティーの数名も担いだり、私に続いて履いたままだったり、積極的にスキーを使おうとしている。

 結局頂上までスキーを履いたままだった。早速標注や祠の側で記念写真を撮った。いい天気で眺望はよいが、風が強くて頂上に長時間はいられない。スキーを履いて他のパーティーに挨拶する。ほんのわずかな区間だがややテクニカルな滑降を強いられることになりそうだ。次第に心が高ぶってくる。痩せ尾根を10mほど滑り、急斜面を横滑りでやり過ごし、勢いをつけて鞍部を通過する。先ほど登りでスキーをデポするかどうか逡巡していた地点をあっという間に通り過ぎると、雪面はゆったりと広くなった。ほっと一息つく。

 適度な斜度の雪面がずっと続く。雪の状態もはじめは堅めだったが、やがていい具合にゆるんで快適な滑降が出来るようになった。まばらな立木をスラロームしながら、登ったときのトレースを大きく外さないように気をつけて下る。登りで先行していた壮年テレマーカーを途中で追い越す。「私はゆっくり行きますよ。」と言いながら、プラブーツでなかなか優雅に滑っていた。広大な牧場まで降りると、あとはゴール目指してカッ飛ばすのみ・・・。脚に金具が入っていることを忘れることは出来ないが、このスピードの気持ちよさ!

 やがて牧場の柵を越えて林道に入り、左右の林を縫いながら下ると、ぽっかりと登山口に出た。滑降は夢のようだった。広大で適度な傾斜の裾野を持つ四阿山は登りに5時間かかったルートを1時間で下るという、山スキーの醍醐味をたっぷりと味わわせてくれたのだった。

 アフター山スキーとして善光寺横の信濃美術館に寄って東山魁夷の作品を楽しむ。


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