所司和晴:【新装版】駒落ち定跡

作成日 : 2023-10-30
最終更新日:

概要

「はじめに」から引用する。

本書を一家に一冊備え、家族で将棋が指せて、駒落ちでいい勝負が楽しめるように、目的に応じて皆さんで活用していただければ、著者として最上の幸せです。

感想

八枚落ち、六枚落ち、四枚落ち、二枚落ち、飛香落ち、飛落ち、角落ち、香落ちの定跡が解説されている。

八枚落ち

八枚落ちでも高度だ。以下、図面で説明する。


図 1 は☗2五飛まで

図 1 はp.19 の第4図である。下手の指し手は次のように解説されている。

☖5四金 ☗3四金 ☖3二銀 ☗3三角成

ここで☖5四金のあとの☗3四金や☖3二銀のあとの☗3三角成が浮かぶ人は、相当強い人である。駒落ちとはかくも残酷なものなのか。

二枚落ち

二枚落ちの二歩突き切り定跡では、上手が絶妙なタイミングで☖6六歩と突く手がある。花村元司「よくわかる駒落ち」では☗6六同角と取る手を推奨し、 先崎学「駒落ちのはなし」では☗6六同歩と取ることを勧めている。本書では、局面によって☗6六同歩だったり(pp.109)☗6六同角だったり(pp.116-117)している。 もっとも、後者の☗6六同角を推奨している局面でも、☗6六同歩でもじっくり指すのが好みなら参考C図の順を選ぶのも良いでしょう。といっているので、 まずは☗6六同歩を検討するのがよさそうだ。

二枚落ちの銀多伝定跡では、上手が☖8五金として先手の7六にある歩を取るぞという手が出てくる。通常の銀多伝定跡では7六の歩は取るにまかせて、 実際に☖7六金と取られたときに☗7八金と守る。花村元司「よくわかる駒落ち」では、☖8五金に対して☗7八飛と守る手を紹介しているが、先崎学「駒落ちのはなし」ではこれはない手だとしている。 どちらが正しいのか、ここでも意見が分かれているが、本書では上手が7六にある歩を取る形のみを解説している。ただし、☖8五金に☗7八飛(参考図)と歩を守っても一局です。という一文のみある。

謝辞

盤面表示および棋譜再生には、marmooo さんKifuViewer を用いている。marmooo さんに感謝する。

書名 【新装版】駒落ち定跡
著者 所司和晴
発行日 2023 年 4 月 30 日 初版第一刷
発行所 日本将棋連盟
販売元 マイナビ出版
定価 2800 円(本体)
サイズ
ISBN 978-4-8399-8346-8

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MARUYAMA Satosi