半径 `a` の定円に外接しながら半径 `b` の円が滑らずに回転するとき、
回転円の円周上の定点の軌跡を外(がい)サイクロイド
(エス:epicikloid, 英:epicycloid)という。
日本語では外擺線(がいはいせん)という。
媒介変数表示では
` {(x=(a + b) cos theta - b cos ((a + b) / b theta)) , (y= (a + b) sin theta - b sin ((a + b) / b theta)) :} `
となる。
右図は、`a = 1.0 、b = 0.2 ` の例である。
`a` = `b` のときはカーディオイドになる。
`a = 2b` のエピサイクロイドはネフロイドと呼ばれる。
ネフロイド
外サイクロイドの方程式で `a = 2b` とした曲線はネフロイドと呼ばれる。
直交座標表示では次の通り。
`(x^2+y^2-4a^2)^3 = 180a^4y^2`
媒介変数表示では次の通り。
` {(x=3a cos theta - a cos {:3 theta:}) , (y= 3a sin theta - a sin {:3 theta:}) :} `
右図は、`a = 0.5 ` の例である。
ネフロイドの名前は、腎臓を意味する古典ギリシア語に由来する。
定円に内接しながら円が滑らずに回転するときの円周上の定点の軌跡を内(ない)サイクロイド
(エス:hipocikloido、英:hypocycloid)という。
日本語では内擺線(ないはいせん)という。
パラメータ表示は次のとおりである。
` {(x=(a - b) cos theta - b sin ((a - b) / b theta)) , (y= (a - b) sin theta - b cos ((a - b) / b theta)) :} `
右図は、`a = 1.0 、b = 0.2 ` の例である。
図形においてとがった点(曲線に沿って走る動点がそこで向きを逆転するような曲線上の点)
を尖点(エス:kuspo, 英:cusp)という。
内サイクロイドの特別な場合がデルトイドやアステロイドである。
パスカルのリマソン(エスペラント:Heliko de Pascal、 フランス語:limaçon)は、日本語では蝸牛線と呼ばれる。
直交座標系:`(x^2 + y^2 - ax)^2 = b^2(x^2 + y^2)`
極座標系:` r = a cos theta + b`
パラメータ表示:`{(x = a cos^2 theta + b cos theta), (y = a cos theta sin theta + b sin theta) :}`
`a=b` の場合はカーディオイドとなる。
右図で青の曲線は、`a =1, b = 2` の場合、緑の曲線は `a = 2, b = 1` の場合である。
緑の曲線は日本電信電話株式会社のロゴマークに似ている。
昔は電電公社と言われていたので、でんでんむしむしカタツムリ→蝸牛線、
となったのではないかという面白い説がある。
カーディオイド
カーディオイド(カージオイド)(エス:kardioido, 英:cardioid)は、
日本語では心臓形と呼ばれる曲線である。
リマソンの特別な場合であるとともに、
外サイクロイドの特別な場合でもある。
直交座標系:`(x^2 + y^2)(x^2 + y^2 - 2ax) = a^2 y^2`
極座標表示:` r = a(1 + cos theta) `
パラメータ表示:`{(x = a (1 + cos theta) cos theta), (y = a (1 + cos theta) sin theta) :}`
となる。右の図では `a = 1.5` とした。
円錐曲線
放物線、楕円、双曲線を合わせて円錐曲線という。
放物線
放物線(エス:parabolo, 英:parabola)の解説は不要だろう。通常放物線は `y = x^2` の形で扱うが、
今回は次の形で紹介する。
直交座標系:` (x + y - a)^2 = 4xy `
パラメータ表示:`{(x = t^2 + t + a/4),(y = t^2 - t + a/4) :}`
右の図は `a = 1` としたときの図である。
なお、直交座標系を` sqrt(x) + sqrt(y) = sqrt(a) `で表すと、`x , y, a ge 0` という条件がつくため、
グラフの範囲が `0 le x, y le a` となることに注意。
バラ曲線(英:rose curve)とは
`r = a cos k theta` または `r = a sin k theta`
の形で表される曲線である。ここで `k` は有理数である。バラ曲線は正葉曲線ともいう。
下記で紹介するトリフォリウム(三葉線)や四葉線はバラ曲線であるが、
下記のバイフォリウムは上記の形ではないのでバラ曲線ではない。しかし、形状が似ているので便宜上この項に収める。
バイフォリウム
バイフォリウム(英:bifolium)は次のように表される。
直交座標系:`(x^2+y^2)^2 = a x^2 y`
極座標系:`r = a sin theta cos^2 theta`
パラメータ表示:`{(x = a sin theta cos^3 theta), (y = a sin^2 theta cos^2 theta) :}`
トリフォリウム(英:trifolium)は日本語では三葉線と呼ばれる。
なお、trifolium はクローバーのラテン語学名でもある。
極座標系:`r = a sin 3 theta`
パラメータ表示:`{(x = a sin 3theta cos theta), (y = a sin theta sin 3theta) :}`
右図は `a = 2` の場合である。
四葉線(英:quadrifolium)は次の式である。
極座標系:`r = a cos 2 theta`
パラメータ表示:`{(x = a cos theta cos 2 theta), (y = a sin theta cos 2 theta) :}`
右図では `a = 2` としている。
四葉線はバラ曲線 (英:rose curve) の一種である。
まず、ハイパボリック・スパイラル(双曲らせん)は下記の式で表される。
極座標系` r theta = a `
パラメータ表示:`{(x = a/theta cos theta), (y = a /theta sin theta) :}`
右図は `a = 5` であり、`theta` は ` pi / 2` から `12 pi` までとしている。
ロガリスミック・スパイラル
次に示すのはロガリスミック・スパイラルである。これは下記の式で表される。
極座標系:` r = e^(a theta) `
パラメータ表示:`{(x = e^(a theta) cos theta), (y = e^(a theta) sin theta) :}`
`a = 1/pi, -4 pi le theta le 4 pi` としている。
アルキメデスのらせん
最後に、アルキメデスのらせん(エス:arkimeda spiralo, 英:Archimedean spiral)を示す。
これは次の式で表される。
極座標表示:` r = a theta `
パラメータ表示:`{(x = a theta cos theta), (y = a theta sin theta) :}`