亀書房による「数学のたのしみ」シリーズから。テーマは「逆問題の広がり」。
CT と線型代数と題された記事では、その表題のとおりの例が示されている。 CT ( Computed Tomography ) は、典型的な逆問題の応用例である。端的には、次の過剰系の連立一次方程式を解くことになる。 すなわち、次の `x_1, x_2, cdots, x_n` に関する次の連立一次方程式を解くことになる。
`{(a_11x_1 + a_12x2 + cdots + a_(1n)x_n = s_1, ), (a_21x_1 + a_22x2 + cdots + a_(2n)x_n = s_2, ), (vdots quad + vdots quad + cdots + vdots quad = vdots, ), (a_(m1)x_1 + a_(m2)x2 + cdots + a_(mn)x_n = s_m, ) :}`
この過剰系を解くアルゴリズムとして当初考えられたのは、 ART (Algebric Reconstruction Technique)らしい。 この記事では ART の原理図が紹介されている。そして、現在の CT では ART ではなく filtered backprojection というアルゴリズムが使われていると解説されている。
私は ART にしても filtered backprojection にしても理解していない。いつかは理解したい。
表題の、平田典子氏による解説がおもしろい。
数式の表記には MathJax を用いている。
1 次元方向の比の絶体値が 3 未満のものは誤りで、
1 次元方向の比の絶対値が 3 未満のものが正しい。
ロスの定理の対遇をとるとは誤りで、
ロスの定理の対偶をとるとが正しい。
書名 | 数学の楽しみ 春・夏 逆問題の広がり |
著者 | 上野 健爾,砂田 利一,新井 仁之(編集) |
発行日 | 2007 年 6 月 19 日 |
発行所 | 日本評論社 |
企画・制作 | 亀書房 |
定価 | 2,500円(本体) |
サイズ | B5 判 ページ |
ISBN | 978-4-535-60322-6 |
まりんきょ学問所 > 数学の部屋 > 岩波講座 応用数学 方法 > 上野 健爾,砂田 利一,新井 仁之(編集):数学の楽しみ 春・夏 逆問題の広がり