近藤武:群論Ⅰ

2026-02-11

概要

本書の目次は次のとおりである。

      第1章 群の概念
      第2章 群の集合への作用
      第3章 単因子論と有限生成 Abel 群
      第4章 直積と正規列
    

本書は、章の途中に「問」がある。章の末尾の「問題」はない。さくいんもない。

感想

借りてきてわかるところはないだろうなと思ったら案の定わからなかった。

「一般線型群」や「特殊線型群」を忘れたので、p.5 から引き写す。なお、本書の複素数体を表す記号 \( \boldsymbol{C} \) は、引用時には `CC` を用いている。

例1.1 線形群 複素数を成分とする `n` 次正方行列の集合を `M_n(CC)` とする.行列の積は結合法則を満たすから `M_n(CC)` は行列の積に関して半群である.

`GL_n(CC) = {A in M_n(CC) | det A != 0}` (`det A` は `A` の行列式)

とおけば,`GL_n(CC)` \( \ni \) `A, B` ならば `GL_n` \( \ni \) `AB` だから,`GL_n(CC)` の上に演算が定義されている.このとき,`GL_n(CC)` はこの演算に関して群となる.(中略)
`SL_n(CC) = {A in M_n(CC) | det A = 1}`

とおくと,`SL_n(CC)` は `GL_n(CC)` の部分群である.(中略) `GL_n(CC)` を複素数体 `CC` 上の`n` 次一般線型群,`SL_n(CC)` を複素数体 `CC` 上の`n` 次特殊線型群という.

「準同型写像」を忘れたので、p.10 から引き写す。なお、下記の式には (1.10) という番号が付いている。

`G, G'` を群とする.`G` から `G'` への写像 `f` が

`f(xy) = f(x)f(y) \quad (AA x, y in G)`

なる条件を満たすとき,`f` を `G` から `G'` への準同型写像あるいは簡単に準同型という.(後略)

問題

`H` を `G` の部分群とする.\( G \ni x, y \) に対して

(*)
`x^(-1)y in H`
なる関係は `G` の上の同値関係である. すなわち `x, y` が (*) を満たすとき,`x ~ y` と書けば,
(`alpha`) `x~x` (反射律),
(`beta`) `x~y rArr y ~ x` (対称律),
(`gamma`) `x~y, y~z rArr x ~ z` (推移律)
が成り立つ.
問 1.14 (`alpha`), (`beta`), (`gamma`) を確かめよ.

問題を解いてみよう。`e` を単位元とする。
(`alpha`) `x^(-1)x = e in H` より `x~x` .
(`beta`) `x~y` なら `y^(-1)x = (x^(-1)y)^(-1) in H` より `y ~ x` である.
(`gamma`) `x~y, y~z` ならば `x^(-1)z = (x^(-1)y)(y^(-1)z) in H` より `x ~ z` である.

じつは、この答は藤田 岳彦:難問克服 解いてわかるガロア理論の p.84 の解説を参考にした。

「左剰余類」を忘れたので、p.12 から引き写す。問 1.14 のすぐあとの記述だ

\( G \ni x\) を含む同値類 `{y in G | x ~ y}` は (*) からわかるように `xH` である.`xH` を `x` を含む `H` の左剰余類という.

左剰余類と右剰余類を参照のこと。

リンク

数式記述

このページの数式は MathJax4 で記述している。

書誌情報

書名群論Ⅰ
著者近藤武
発行日1976 年 7 月 2 日 第1刷
発行元岩波書店
定価
サイズA5版 115 ページ
ISBN
その他岩波講座 基礎数学 草加市立図書館にて借りて読む