基礎解析 II |
作成日:2012-01-17 最終更新日: |
著者曰く、本講では,明確な概念の把握,実感のこもる事実の納得,
さらに信用できる方法の理解を目標として,応用志向の解析概論を展開したつもりである.
第2分冊では多変数の微分法や積分法が登場する。
p.148 で、一様収束と連続性についての定理が述べられている。区間 `I =(a, b)` において,連続関数 `f_n (n = 1, 2, cdots)` が `f_0` に一様収束するならば,
極限関数 `f_0` も連続である.
という定理である。証明は次の通りである。
`I` の任意の点 `c` を固定する。
与えられた任意の整数 `epsilon` に対して,次の性質をもつ整数 `delta` の存在を示せばよい。
`|h| < delta => |f_0(c + h) - f_0(c)| < epsilon`
ここで関数のノルムの記号を導入する。すなわち
`{:|| f_n - f_0 ||:} = "sup"_(x in I) |f_n(x) - f_0(x)|`
とおく.連続関数 `f_n` が `f_0` に一様収束することから、 `{:||f_n - f_0 ||:} < epsilon / 3` となる `n` が存在する。さて、`|f_0(c + h) - f_0(c)|` を次のように変形する。
`f_0(c + h) - f_0(c) = {f_0(c+h) - f_n(c+h)} + {f_n(c+h) - f_n(c)} + {f_n(c) - f_0(c)}`
右辺の第一のカッコと第三のカッコはそれぞれ点 `c+h` 、`c` において関数が一様収束するからそれぞれ `epsilon / 3` 未満である。 また、第二のカッコは関数が連続であることから `epsilon / 3` 未満である。よって上の式から次が言える。
`|h| < delta => |f_0(c + h) - f_0(c)| < epsilon / 3 + epsilon / 3 + epsilon / 3 = epsilon`
よって極限関数 `f_0` も連続である。□
以上、「しかるべき項を引いて足して、絶対値の三角不等式で分離して評価式を導く」という手法があることがわかった。 同書ではこれを望遠鏡型変形 ( telescoping ) と呼んでいるが、通用することばなのだろうか。
もう一つ、この分解してそれぞれを評価するという方法は `epsilon / 3` 論法と呼ばれているらしい。 宮島静雄「関数解析」参照。
2 次元の Gauss (ガウス)の定理は次の通りである。
`S` を平面上の有界な領域,`C` をその周囲とする(区分的に`C^1`級正則). `bbn` を `C` の外向き法線ベクトルとすると
`int int_S "div" bbF \ dxdy = int_C bbF*bbn \ ds `
が示される.ただし、`bbF(x, y) = (f(x, y), g(x, y))` は `S` を含む範囲で `C^1`級なベクトル場, `"div" bbF = f_x + g_y`である。
あとがきには、どこか応用数学者や物理学者の書いた数学解説書に対して「あてこすり」があるように思える。
数式記述はASCIIMathML を、 数式表現はMathjaxを用いている。
| 書 名 | 基礎解析II |
| 著 者 | 藤田 宏, 今野 礼二 |
| 発行日 | 年 月 日 |
| 発行元 | 岩波書店 |
| 定 価 | 円 |
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