応用数学講座の中で、古典幾何学をどう扱うべきか、という問いを著者は掲げた。 イメージ時代における図形的直観の要請や広義の形の科学の基礎理論という使命も考慮に値する、と著者は述べている。 この要請や使命に応じて書かれた、著者曰く、私案である。
初等幾何は昔から苦手だった。だからこの本に書いてあることはなかなか理解できない。 図を見るだけである。
第1章の幾何学小史で、著者は多様体の概念をこのように紹介している。
これで多様体がわかるといいのだが。『空間の各小域ごとにスケールが入り,別の地域に移っても全体が整合している「連邦国家」である (本講座「いろいろな幾何II」参照)』
罪滅ぼしに、p.10 にある過剰座標系である重心座標を SVG で描いてみた。ただし、点の名前は略した。
複素数を利用したトレミーの定理の証明がある。
三角形には、内心、外心、重心、傍心、垂心など、多くの「中心」に相当する点がある。これらの一部を九点円というページでまとめた。
第3章の射影幾何学の解説で、双曲幾何学において『例えば非交2直線には「この世」では交わらないが, 「あの世」で交わる2直線である』といっている。数学のような俗世間とは無縁にみえる学問において、 「この世」と「あの世」が出てくるのは面白い。
発行日 | 1993 年 11月 8日 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 3495円(税別) |
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備考 | 3分冊合計の金額 |
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まりんきょ学問所 > 岩波講座 応用数学 基礎 > 一松 信:いろいろな幾何 I