一松 信:いろいろな幾何 I

作成日:2011-09-24
最終更新日:

概要

応用数学講座の中で、古典幾何学をどう扱うべきか、という問いを著者は掲げた。 イメージ時代における図形的直観の要請や広義の形の科学の基礎理論という使命も考慮に値する、と著者は述べている。 この要請や使命に応じて書かれた、著者曰く、私案である。

感想

初等幾何は昔から苦手だった。だからこの本に書いてあることはなかなか理解できない。 図を見るだけである。

第1章 幾何学小史

第1章の幾何学小史で、著者は多様体の概念をこのように紹介している。

『空間の各小域ごとにスケールが入り,別の地域に移っても全体が整合している「連邦国家」である (本講座「いろいろな幾何II」参照)』

これで多様体がわかるといいのだが。

第2章 Euclid 幾何学

SVG による図形描画

罪滅ぼしに、p.10 にある過剰座標系である重心座標を SVG で描いてみた。ただし、点の名前は略した。

トレミーの定理

複素数を利用したトレミーの定理の証明がある。

第3章 射影幾何学

あの世とこの世

第3章の射影幾何学の解説で、双曲幾何学において『例えば非交2直線には「この世」では交わらないが, 「あの世」で交わる2直線である』といっている。数学のような俗世間とは無縁にみえる学問において、 「この世」と「あの世」が出てくるのは面白い。

書誌情報

発行日1993 年 11月 8日
発行元岩波書店
定 価3495円(税別)
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備 考3分冊合計の金額
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MARUYAMA Satosi