はしがきから引用する :
(前略)数学といっても,数学の勉強に何か特別なセンスが要るとはじめから考えてかかるのは,何かおかしいような気がしている. 日常のごくふつうの感性と,いわばふつうの本を読むときの読解力とでもいうべきもので,十分理解できる数学はあると思っているし, 「解析入門」もその適用の広さからいえば,やはり,そのような数学の形をとることが望ましいと思っている.
本文に問が含まれている講があり、巻末には解答がある。
p.108 から引用する。
また,不定積分が,私たちの知っている関数では,どうしてもかき表せないような場合もある.たとえば
`int(dx)/sqrt(1-x^4)`,`int1/(log x) dx`,`inte^(x^2)dx`などは,私たちの知っている関数 - 有理関数,三角関数,逆三角関数,指数関数,対数関数など - では,表せないことが知られている.
そういえば、ある種の初等関数の積分が表せないことの証明が、金子晃:数理系のための基礎と応用微分積分Ⅱ で見たような気がする。
p.144 の Tea Time から引用する。2 つの段落からなり、前半には、面積を知るために長方形の和で面積を近似することや、立体の体積を知るために直方体の積み上げてその立体ができるかどうかを考えることが書かれている。 これを受けて、後半の次の段落に続く。
しかしいつか,ある先生からお話を伺ったことがあるのだが,アフリカのある部族では,大きさを測る単位が円とか球とかであって,たとえば 2 つの容器の大小を測るのに, いくつ同じ球状のものが入るかで比べるそうである.ブロックを積み上げるような考えが全然ないので,この部族の人に,面積や定積分の考えをのみこせるのは,至難の業であると聞いた. 世界には,いろいろな考え方をする人がいるものである.
私も、筆者と同じ考えを抱いた。
書名 | 解析入門 30 講 |
著者 | 志賀 浩二 |
発行日 | 2004 年 4 月 20 日 初版 第 13 刷 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 3400 円(本体) |
サイズ | A5 判 ページ |
ISBN | 4-254-11480-X |
備考 | 川口市立図書館にて借りて読む |
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