表題の通り、言語、とくに日本語の聞き取りや発話や読み書きに焦点を当てた小説集。次の7篇からなる。
井上ひさしが亡くなった後で刊行された本である。 筒井康隆が本の森の狩人で激賞していた「括弧の恋」が収録されていたので、 発売後すぐに購入した。全編読んだが、やはり「括弧の恋」が抜群に面白かった。もう今となっては古風に響く「ワープロ」から、 擬人化された記号類が発することばのすごみには、恐れ入りました、の一言に尽きる。
「言い損い」には、ご存じスプーナリズムが登場する。 「言語生涯」はタイトルからして筒井康隆のドタバタ風であり、これもまた面白い。 ただ、これら2篇は井上ひさしの手練れが少し鼻についた。
書 名 | 言語小説集 |
著 者 | 井上 ひさし |
発行日 | |
発行元 | 新潮社 |
定 価 | 円(本体) |
サイズ | |
ISBN | 9784103023333 |
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