宮本 常一・山本 周五郎・楫西 光速・山代 巴(監修):日本残酷物語 4 保障なき社会

作成日: 2015-09-26
最終更新日:

概要

江戸時代の鎖国が終わり、明治の時代を迎えた。士農工商と呼ばれた身分制度は、明治の時代どのようになったか。

感想

今さらながら驚いた。次はその個所である。

例えば 207 ページ、「三陸の悲劇」という項がある。ここからの記述はまるで 2011 年 3 月 11 日の東日本大震災の津波をそのまま描いているようだ。 ちなみに同書の原典は 1959 年 11 月から 1961 年 1 月にかけて刊行されている。 この項の最後、213 ページから 214 ページにかけての最後の2段落には戦慄を覚えた。

そして 214 ページ、「十津川くずれ」と題された項が始まる。ここでは 1889 年に起きた十津川の氾濫の恐ろしさが描かれている。 221 ページの表を見ていただきたい。豪雨で流木や流石、流土などにより川の流れがせき止められてできた新湖、 いまのことばでいう「天然ダム」の一覧が掲げられている。これは 2011 年に起きた和歌山・奈良の天然ダムの災害を思い起こさせる。 そして、この災害で十津川村を追われた人たちが北海道で入植した土地が新十津川だということをこの本で初めて知った。 私のかつての勤務先の同僚がこの新十津川(札沼線の終点)に住んでいたのだが、土地の名前の由来がわからないまま今まで生きてしまった。恥ずかしい。

2015年の今、この本を含む全 5 巻は一括重版されている。今すぐ買うべし。

関連書

書誌情報

書 名日本残酷物語 4 保障なき社会
監修者宮本 常一・山本 周五郎・楫西 光速・山代 巴
発行日****年*月*日 第1刷
発行元平凡社(平凡社ライブラリー ***)
定 価****円(本体)
サイズB6変型判 ***ページ
ISBN978-4-582-*****-*

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MARUYAMA Satosi