吉田 秀和:永遠の故郷―夕映

作成日: 2020-08-25
最終更新日:

概要

「永遠の故郷」四部作の最終作。下記を収める。

作曲家
《イッヒ・リーベ・ディッヒ》L. v. ベートーヴェン接吻
《イッヒ・リーベ・ディッヒ》L. v. ベートーヴェン私は君が大好き
《遥かなる恋人によす》L. v. ベートーヴェン遥かなる恋人によす
《蓮の花》R. シューマン(たえ)に美しい月、五月
《蓮の花》R. シューマン蓮の花
ラインの歌R. シューマン山や城が見下ろす
ラインの歌R. シューマン私の馬車はゆっくり走る
《博物誌》M. ラヴェル博物誌
《シューベルト頌》F. シューベルトさすらい人の夜の歌
シューベルトの歌(I)F. シューベルト夜と夢
《春を信じて》F. シューベルト春を信じて
シューベルトの歌(II)F. シューベルト水の上で歌う
シルヴィアとはどんな人?F. シューベルトセレナーデ
《白鳥の歌》からF. シューベルト(省略)
《菩提樹》S. フォスター金髪のジェニー
《菩提樹》F. シューベルト菩提樹

ここで《白鳥の歌》からの曲は(省略)としたが、 本文では、《白鳥の歌》から H. ハイネの詩につけられた6曲が取り上げられている。

感想

例によって、本文はほとんど読まず、わずかに読んだ個所から連想されることばかり書きつけている。

あとがき

あとがきには、当初の連載、あるいはこの四部作について、 「最初は出来るだけ軽く船出して、」と書き出している。 この四部作の最初である「夜」では、 どんな作曲家を取り上げたのだったか。最初に来たのは G. フォーレである。そのあと、R. シュトラウス、 H. ヴォルフ、J. ブラームスである。つまり、出来るだけ軽く船出した対象は、フォーレだったのだ。 吉田秀和にとって、フォーレは非常に軽く扱われている存在だとわかり、 私は失望した。

表題

この本の表題は、「永遠の故郷 夕映」である。第一作の「永遠の故郷 夜」のあとがきでは、 「夜」の次にくるそれぞれの表題は「薄明」、「昼」、「黄昏」だった。 実際に刊行されたのは、「薄明」のあと、「昼」ではなく「真昼」で、「黄昏」ではなく「夕映」だった。 このあたり、「真昼」や「夕映」をみても表題が変わったことへの言及はない。 まあ、こういうものだろう。真昼、ということばは映画「真昼の決闘」はあまり聞かないし、 「夕映」に至っては、雅語という認識で自分はおろか、ほかの人が使うのを聞いたことさえない。

どうでもいいこと

本書で取り上げられたシューベルトの「セレナーデ」は、有名な「セレナーデ」ではなく、 シェークスピアの詩『シンベリン』からの《セレナーデ Ständchen》である。

吉田秀和「永遠の故郷」

書誌情報

書 名永遠の故郷―夕映
著 者吉田 秀和
発行日20xx 年 xx 月 x 日 x 刷
発行所集英社
定 価円(本体)
サイズ
ISBN978-4-08-771388-6
その他越谷市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi