「まえがき」から引用する :
電磁気学の統一理論としての側面は,通常の教科書ではあまり強調されていないし,組織だって解説されてもいない. だから,この立場に立って電磁気学をとらえた教科書を新たに書くことにも十分意義はあるであろう.
p.17 では、具体的な問題で真空中の静電場を求める方法を比較検討している。問題は次のようなものである。
半径 `a` の球殻上に電荷が面密度 `sigma` で一様に分布しているものとして,球殻の内外での静電場を求める.球殻の全電荷は `Q` とする.
第 1 の方法は、クーロンの法則に従って求めるものである。クーロンの法則は本書 (1.4) 式として与えられている。位置ベクトル `bbr` における電場 `bbE` は、電荷が領域 `V` にわたって電荷密度 `rho(bbv)` で分布しているものとする。ここで、`bbR = bbr - bbr'` であり、`dv'` は領域 `V` の体積要素であり、 直交座標系では `dv' = dx'dy'dz'` である。
`bbE(bbr)= int_V dv' (rho( bbr'))/(4piepsilon_0 R^2) bbR/R`
第 1 の方法では、球殻上の 1 点 `P'` のまわりの面素 `dS` からの寄与から計算する。この寄与は次の式で与えられる。
`dbbE = (sigma d S)/(4 pi epsilon_0 r') (bbr') / (r'), \quad dS = (a d theta) (a sintheta d phi) `
これを`theta, phi` に関して積分すればよい。しかし計算は面倒だ。実際どうすればいいのか見当がつかない。
第 2 の方法ではガウスの定理を使う。
`epsilon_0 int_S bbE * d bbS = { (Q, r gt a),(0 , r lt a):} `
ここで `S` は 点 `P` を含む半径 `r` の球面であり、`Q = 4pi a^2 sigma` である。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | 電磁力学 |
著者 | 牟田泰三 |
発行日 | 2016 年 4 月 5 日 25 刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 2800 円(本体) |
サイズ | A5 版 ページ |
ISBN | 4-00-007792-9 |
その他 | 現代物理学叢書、草加市立図書館にて借りて読む |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 牟田泰三 : 電磁力学