「序」から引用する。
本書は,工学部電気情報・物理工学科の学生のための応用数学のテキストです.(後略)
私は頭が弱いのでわからない。
本書は誤植が多いとの感想が載っているが、誤植を見つけるにはきちんと本書を読まないといけない。わたしにはそれだけの力がない。
一つぐらいは問題を解かないといけないだろう。第6章「特殊関数」から p.167 の問 6.2 を解いてみた。
ガンマ関数 `Gamma(6), (Gamma(20))/(Gamma(19)), Gamma(7/2), Gamma(-7/2)` の値を求めよ.
(略解)`Gamma(6) = 120, (Gamma(20))/(Gamma(19)) = 19, Gamma(7/2) = (5/2)(3/2)(1/2)sqrt(pi), Gamma(-7/2) = (-7/2)^-1(-5/2)^-1(-3/2)^-1(-1/2)^-1sqrt(pi)`
ガンマ関数は、漸化式 `Gamma(z+1) = zGamma(z)` および `Gamma(1/2) = sqrt(pi)` を用いて値を求めることができる。
`Gamma(6) = 5(Gamma(5))` などから = `Gamma(6) = 5! = 5 * 4 * 3 * 2 * 1 = 120`。これはいい。
`Gamma(20) / (Gamma(19)) = (19!)/(18!) = 19` 。これもいい。
`Gamma(7/2) = 5/2 Gamma(5/2) = 5/2 3/2 Gamma(3/2) = 5/2 3/2 1/2 Gamma(1/2) = 15/8 sqrt(pi)`
最終結果であれば、ふつうはここまで計算するものだろう。(略解)の値は計算過程を示したということなのだろうか。ただ、他の計算問題は過程は書かれていない。
`Gamma(-7/2) = (-7/2)^-1(-5/2)^-1(-3/2)^-1(-1/2)^-1sqrt(pi) = 8/105 sqrt(pi)`
前の問題に引き続き、最終結果であれば、ふつうはここまで計算するものだろう。pp.106-107 の例 6.1 では、`Gamma(-3/2) =` (中略) `= (-3/2)^-1(-1/2)^-1 sqrt(pi) = 4/3sqrt(pi)` で、最終結果まで計算されている。
本書の参考文献では、福山秀敏・小形正男 : 物理数学Ⅰや塚田捷:物理数学Ⅱが出ている。
書名 | 電子情報系の応用数学 |
著者 | 田中和之・林正彦・海老澤丕道 |
発行日 | 2007 年 4 月 15 日 初版 第 1 刷発行 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 3400 円(本体) |
サイズ | A5版 ページ |
ISBN | 978-4-254-22891-5 |
その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 田中和之・林正彦・海老澤丕道:電子情報系の応用数学