能力成熟度モデル統合

作成日:2002-09-15
最終更新日:

1. 能力成熟度モデル統合

経営の質をよくしようという思いは、経営者なら誰でも持っているに違いない。 これまでにも、経営の質をよくしようという取り組み方法がいろいろ提案されてきた。 今回紹介するのは、ソフトウェア産業で効果をあげてきた(とされる) 能力成熟度モデルと、このモデルの後継である能力成熟度モデル統合である。

まず、能力成熟度モデルについて説明する。能力成熟度モデルとは、 Capability Maturity Model(CMM)の日本語訳である。 カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所で作られ、 ソフトウェア産業を対象としている。基本的な考えは次の通りである。

  1. 組織の成熟度は、典型的な段階に分けられる。
  2. 高い段階に進むためには、必ず確立していかなければならない前段階がある (スキップはできない)。
  3. 成熟度を維持するためには、絶えず努力しなければならない。

そしてこれらの考えの根底には、成熟度を高めることは可能である、という信念がある。 ただし、成熟度を高めるためには、時間がかかること、 そしてトップの強い意志が必要であることを認識しなければならない。

ここで成熟度ということばを定義せずに用いてきた。 厳密な定義は CMM に任せておこう。感覚的には、 プロセスで行われるいろいろな活動がどの程度うまくいっているかを表す度合、 というところだろうか。 では、プロセスにはどんな活動があるのだろうか。

ここまで述べてきたことは、CMM だけでなく、その後継モデルである能力成熟度モデル統合 (Capability Maturity Model Integration, CMMI)にもあてはまる。 以下の記述は、CMMI による。成熟度の段階は5つに分かれる。

レベル1は仕事が予測できない段階、混乱している段階である。 レベル2以降では、各種の活動が必要なものとして導入される。 レベル2では、単体のプロジェクトレベルで、基本的な管理ができている。 レベル3では、複数のプロジェクトにまたがって、プロセスが一貫した方式で定義されている。 レベル4では、レベル3における定義が定量的に管理されている状態である。 レベル5に至って、最適化という言葉が使われる。最適化しているとは、 対象によってよりよいプロセスが絶えず考慮され、 選択され、活かされている状態である。

レベル2以降の具体的な活動(範囲)は、場所を改めて説明する予定である。 実際には、CMMI を読むという場所で説明する。 これらの業務の説明書は細かく見るとなかなか大仕掛けである (600 ページを超える)。紹介は私の手に余ると思うが、 時間を見つけては取り組んでいきたいと思う。CMMI は前身がソフトウェアを対象としているためか、 ソフトウェア業界以外の方々にはなじみが薄いので、この場を借りて研究していきたい。

2. リンク集

日本語

なお、以前は http://www.excel-japan.co.jp/image/CMM.pdf (エクセルジャパン社、PDF)というページがありましたが、 リンク切れです。

英語

3. 権利表示

[R] CMM, Capability Maturity Model, Capability Maturity Modeling are registered in the U.S. Patent and Trademark Office.

[SM] CMM Integration, CMMI IDEAL, Personal Software Process, PSP, SCE, Team Software Process, and TSP are service marks of Carnegie Mellon University.

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MARUYAMA Satosi