古典的で基本的な幾何学対象として、点、線分、(半)直線、円、多角形などがある。 これらの対象の関係で述べられる問題を解決するために、 コンピュータで扱うのに効果的なアルゴリズムとデータ構造を研究する学問を計算幾何学という。 以下は成書の紹介である。 計算の品質の観点から綴った「計算幾何学」もどうぞ。
以下、よく出てくる定義と読み方を示す。 本によっては原語でのみ与えられ日本語としての読み方が不明なものが多いので、 その整理も兼ねている。
ドロネー図とも呼ばれる。 距離空間内に離散的に分布した点の集合に対し得られる、それらをある方法に従い辺で結んだ図形。
与えられた点の集合に対して、それらの中で最も近い点に代表される部分に属するように空間を分割する図形。
私は数学が好きだったが幾何学は苦手だった。計算機で図形が扱えればいいなとずっと思っていたので、 計算幾何学と言う名前を聞いた時はわくわくしたものだ。とはいえ、学問であるから 難しく、どんなことも大変なのだなあというごく当たり前の印象をもった。
Fortran 77 で書かれたプログラムにより、 計算幾何学の各種問題をプログラミングしている。サブルーチンの使い方に一貫した姿勢が見られ、 気持ちがいい。
こちらはスマートな、工学を意識していない計算幾何学である。 こうなると役立つ役立たないをうんぬんするのはばかげているくらい、観賞用の数学になっている。 もちろん、この本で言及されている Vapnik-Chervonenkis 次元は、パターン認識という工学の一領域について 非常に大事な概念であることは私にも分かっているのだけれど。
計算幾何学だけでなく、幾何学の一番基本的なことが載っているのがこの本である。 たとえば、三角形の外接円の中心と半径はどのようにして求めるか、ということは いざ聞かれると困ってしまうのだ。こういったことが整理されている。 もちろん、高度な話題も載っているのだが、内容が古めである。
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