テルマエ・ロマエ

作成日:2012-10-27
最終更新日:

あらすじ

古代ローマの浴場設計技師であるルシウスは、浴場に関する斬新な発想が出ずに苦しんでいる。 あるとき、浴場で湯につかって考え事をしていたルシウスが見たものは、日本の風呂であった。

感想

テルマエ・ロマエの評判は前から気になっていた。 阿部寛が演じるリシウスがどこまでローマ人になりきるのだろうか。 見てみたら本当にローマ人だった。それも特殊メイクはなしというが本当だろうか。

思わず笑ってしまった個所はいくつもあるが、そのなかで特におかしかったのが、 ルシウスが驚きのあまり目が半開きになって、その目が白目になったところだった。 こんなことができるんだ。

銭湯の桶で定番の「ケロリン」もきちんと出ている。リシウスにはカタカナが意匠に見えたのだろう。 ローマにもどって設計した浴場で用意された湯桶には、ケロリンという文字に似ていた図形があった。 「クロリ>」という図形に近いが、実際は、最初の文字がコを45度反時計回りに回転させた図形、 リは右側が湾曲せずにまっすぐになっている。

心配なのは「テルマ・エロマエ」となぎなた読みする奴がいないといいが、ということだ。 いや、絶対AV業界はしているだろうな。

音楽

映画で使われたクラシック音楽は、一つを除きすべてイタリアの歌ものである。 例外の一つとは、フォーレラシーヌ讃歌である。 なぜこれが使われたのか映画の筋に絡ませて考えよう。 この映画は風呂が主題なのだが、時のローマ第14代皇帝ハドリアヌスは風呂が大好きという設定だ。 このハドリアヌスはアンティノーという美少年を愛していたが、異国の地でアンティノーが死んでしまう。 さて、死んだのは少年だから、朗々たるテノールは使えない。 ボーイソプラノが出てくる曲でイタリア歌曲では適当なものがなかったのだろう。 そこで白羽の矢が立ったのがラシーヌ讃歌と推測する。 当時のローマ帝国は、ガリア(今のフランス)も領土だったから問題ない(そういう問題か?)。 話の筋からは、同じフォーレでもレクイエム、 そしてボーイソプラノで歌われることもある「ピエ・イェズ」を使うのがよかったと思うのだが、 ここで使われている音楽は映画全体を通じて筋とは無関係に出てくるから、 ラシーヌ讃歌でもいいのだろう。

映画そのものの音楽は、前半の弦を主体とする音楽は特によかったと思う。 後半で管も入ってきたためか、あるいは作曲技法のせいか、 少し俗世間的に聞こえてきてしまったのは気のせいだろうか。

その他

記録。2012 年 10 月 27 日、南越谷のサンシティ小ホールで見る。

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MARUYAMA Satosi