家族ゲーム

作成日:2012-01-09
最終更新日:

あらすじ

高校受験を控えた二男のために親が招いた家庭教師は型破りな青年だった。

感想

つれあいと一緒に見て、いろいろ感想を言い合ったのだが、中盤を過ぎて言った一言に驚いた。「この映画、音楽がないね」 全く気が付かなかった。もし何か音楽が流れていれば、「これは陳腐だ」とか「この音色はいいね」とか言っているはずだからだ。 私としたことが、うかつだった。

この映画は、先ごろ亡くなった森田芳光を追悼して NHK で放映された。これを録画して見たときの感想である。 森田芳光は、「失楽園」や「黒い家」の監督としても有名である。

さてこれは有名な映画である。いろいろ言っている人もいて、そのどれもが当たっているように感じる。

家庭教師を演じる松田優作は、いつも植物図鑑を持参している。この植物図鑑はデザインからして学研のであろう。四つ角に●が配置されているからだ。 この図鑑を見て実際に植物を栽培しているのだから笑える。 俺も学研の図鑑をもっていたのだが、どのシリーズだったか忘れてしまった。

二男の志望校は最初「西武高校」だったが、レベルを下げてしまい「神宮高校」にしてしまう。高校の名前の一貫性はあるだろうかと考えたら、 何のことはない、野球場の名前だった。

最後に、家族の妻を演じる由紀さおりが「なんだかヘリコプターがうるさいわね」とつぶやく。実際うるさい。 私はこのヘリコプターの騒音を聞いて、地下鉄サリン事件を思い出した。

この事件は 1995 年 3 月 20 日に起こった。 私は通勤で地下鉄東西線と日比谷線を使っていた。葛西から茅場町まで乗って、茅場町で乗り換えて日比谷線に乗ったが、電車が動かない。 車内で「緊急事態により列車は運転を打ち切ります」とアナウンスされた。そのときは、爆発事故というアナウンスだったかもしれない。 歩いて職場に向かうことに決めて、車両を降り地上に出ると、地下鉄の上にある新大橋通りは車両通行禁止となっていて、 空にはヘリコプターが何台も大きな音を立てて旋回していた。まるで、西部警察のロケでもあったのではないかと思ったほどだった。

この映画の撮影はもちろん、サリン事件の前である。監督がヘリコプターが何を言おうとしたのかは全くわからない。 自分にひきつければ、そういうことを思い出す、ということだけである。

記録。2012年1月9日、録画したビデオで見る。

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MARUYAMA Satosi