極私的関数解析:古田の不等式

作成日:2018-04-10
最終更新日:

古田の不等式

作用素の順序を保存する興味ある不等式が、古田孝之により証明されている。

`p , r ge 0, q ge 1` が `(1 + 2r)q ge p + 2r` を満たすとき、 $ \mathcal{H} $ をヒルベルト空間、$ \mathcal{H} $ から $ \mathcal{H} $ への有界線形作用素の全体を $ \mathcal{B} ( \mathcal{H} )$ で表す。 `A, B in ` $ \mathcal{B} ( \mathcal{H} )$ `, 0 le A le B ` ならば、次の不等式が成り立つ。

`A^((p+2r)//q) le (A^r B^p A^r)^(1//q)`
`(B^r A^p B^r)^(1//q ) le B^((p+2r)//q)`

証明は割愛する。

この古田の不等式は、`r = 0` とすればレーヴナー - ハインツの不等式である。 すなわち、古田の不等式はレーヴナー - ハインツの不等式の拡張であるといえる。

数式記述

このページの数式は MathJax で記述している。

まりんきょ学問所数学の部屋極私的関数解析 > 古田の不等式


MARUYAMA Satosi