フォーレ:ピアノと管弦楽のための幻想曲(ファンタジー) ト長調 Op.111 |
作成日:1998-06-10 最終更新日: |
フォーレが幻想曲(ファンタジー)と名付けた曲は、いくつかある。
このページでは、ピアノとオーケストラのための幻想曲について記す。
Op.111 のこの作品は、ピアノとオーケストラのために書かれた。 幻想曲という名前だがあまり幻想的ではない。 三部形式の曲を作って他に名前のつけようがないからこれを当てたのではないか、 というのが私のうがった見方である。
なお、フォーレにはもう1曲、 ピアノとオーケストラのために書かれた作品として、 バラードがある。
ピアノ独奏の出だしが非常に立派であり、あまりフォーレらしくない。 ただ旋律がリディア旋法なのでやはりという驚きがある。 そのうち旋律がオーケストラにわたされピアノは幅広いアルペッジョを奏でる。 その後ピアノとオーケストラで旋律と和声(アルペッジョ)のやりとりが続く。
中間部はピアノの付点のリズムで始まる。和声の解決が極度に少ない、 不安定さを感じる箇所から属和音と主和音のみからなる箇所を経て、 再度不安定な箇所、 何がなんだかわからない経過部、第一部の回想のようなもの、 それらを経てオーケストラがピアノの主題を高らかに奏して再現部を開始する。
再現部は提示部とは異なった展開を遂げ、 強音で曲を終える。別の箇所でも書いたが、フォーレが曲を強音で終えるのは珍しい。
珍しく曲の紹介を長々とかいてしまった。それだけこの曲への思いが強いのである。 この曲を2台ピアノでやろうと画策したことがある。1984 年のことだ。 相棒を巻き込み、 独奏部分を練習したまではよかったが、 事情があり練習を中断してしまった。 もうそれから長年たつが、 この曲を演奏してみたいという野望は相変わらずある。 せめて、どこかの楽団がやってくれないかなとも思う。
なお、ドビュッシーにも「 ピアノとオーケストラのための幻想曲 」がある。この作品には、 フォーレの影響(特にバラード)があるとも言われている。(2007-09-17)
編成は次の通りである。
フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット、 ティンパニ、ハープ、弦5部、ピアノ
約15分の曲、協奏曲というには小さいが、 せめて「パガニーニラプソディー」ぐらいに有名にはなってほしい。
スコアはペータースから出ている(Nr. 9569a)。2台ピアノ版はデュランや春秋社から販売されている。
ピアノにミスタッチがあり、やっつけ仕事で録音された様子がある。 オーケストラとのずれも、バラード以上に目立つ。あまり感心しない。
雄大さと華やかさで、立派な演奏である。 転びそうなところもあるが、雰囲気がよく伝わる演奏だ。
ピアニストの思いが余り、前にのめってしまっているところがある。 オーケストラとのずれもけっこうあるのだが、ヨハネッセンの演奏とは違い、憎めない。 ヨハネッセンは単調だが、ハイドシェックは大きなうねりを感じて弾いているからだろう。(2009-07-11)
ピアノは適度な揺れがあり、表現力が高い。グラント・ヨハネッセンの演奏との対極にある。 付点が鋭いことで緊張感が高まっている。(2009-10-02)
その他、エマニュエル・ストロッセ、フェリシア・ブルメンタールの録音もあるが、筆者は未聴。
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