フォーレのフルート曲:
幻想曲(ファンタジー),コンクール用小品

作成日:1998-05-28
最終作成日:

1.フルートとピアノのための作品

フルートとピアノのためのオリジナル作品は2つある。 一つは幻想曲(ファンタジー)、もう一つはコンクール用小品である。

2. フルートとピアノのための幻想曲

フルートとピアノで奏される幻想曲(ファンタジー)(Op.79)は、フォーレには珍しい管楽器の独奏曲である。 管弦楽伴奏もある。前半は緩やかなホ短調、後半は快活なハ長調である。

曲はゆるやかで憂いを帯びた旋律から始まる。 徐々に盛り上がったあと華やかなロンドへと進展する。 フルートという楽器のゆえか、全体に軽く、肩の凝らない作品に仕上がっている。 とはいえ、管楽器の語法にはどこか違和感をフォーレはもっていたのだろうか。 プーランクの作品群と比べるとその感を深くする。

なお、幻想曲という名前の曲は、他にも2曲ある。 管弦楽とピアノのための幻想曲(Op.111)と、 ピアノ独奏曲(小品集所収、Op.84-2)である。

3. フルートとピアノのためのコンクール用小品

フルートとピアノのための曲は幻想曲が有名だが、もう一つ、あまり知られていない曲、 フルートとピアノのためのコンクール用小品がある。 作品番号はない。ヘ長調のごく短い小品である。

ネクトゥーの「評伝 フォーレ」によれば、 本作品は、制作日が1898年7月14日とされているが、表題は Morceau de concours pour flûte et piano, 作品番号なしとある。 この初演情報が、Paris, concours du Conservatoire, 1898年7月28日 とされているので、おそらく本曲のことであろう。 コンクールといっても、フォーレが教えていたパリ音楽院で 初見能力を試すために試験に使われたものと思われる。したがって、「初見視奏曲」という表題で通っている。 ほかにも、フォーレはヴァイオリンの初見視奏曲も作っている。

冒頭の旋律は、どこかモーツァルトのピアノ協奏曲第21番の第2楽章(「みじかくも美しく燃え」に使われた) を思い起こさせる。 フルートはピアノと協力して転調を繰り返す。リズムの変化はもわずかにつけられる。

4. 編曲

じつは、上の2曲よりも、 フルートで奏される頻度の多いフォーレの有名な曲がある。 それは、「シシリエンヌ」である。 原曲はオーケストラ組曲であるが、この原曲も開始部はハープの伴奏の上で フルートが有名な旋律を歌う。 どういうわけか、フルートとハープは一緒になる曲が多いが (さらにヴィオラが付くとドビュッシーの有名なトリオになる)、 どうしてなのだろう。

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MARUYAMA Satosi