フォーレと同じく、ドビュッシーは協奏曲という名称での作品はない。 しかし、実質的に協奏曲といえる作品は何曲かある。 このピアノとオーケストラのための幻想曲もそのひとつである。 くしくも、フォーレにも同一名称の作品がある。
この曲はドビュッシーの23歳の作品であり、 若さ故の元気はあるが、特徴はあまり見られない。 曲の解説には、フォーレやフランクといった先人の影響が感じられる、 とある。私が聞くかぎり、第1楽章と第2楽章はともに映画音楽で、 第3楽章はダンディのフランス山人。。。を思い出す。 また、リズムの扱いで、後の夜想曲「祭」を彷彿とさせる個所もある。
しかしそれはそれとして、ピアノはオーケストラとつかず離れず、 という書き方であり、安心してきける。ちょうど、 ブラームスのピアノ協奏曲とは対極にある。
少し聞いてみた限りは、ドビュッシーの若さがよく伝わる演奏である。