曲の有名度と名作度をはかる手っ取り早い方法として、編曲がどのくらいあるかを調べるという手がある。 フォーレの作品の場合、せいぜい「夢のあとに」がチェロの曲になったぐらいではないだろうか(もとは歌曲です)。 私の心配は、フォーレの作品がクラシックの中で閉じているのではないだろうかということである。 私はクラシックから飛び出たフォーレの作品の編曲は次のものしか知らない。他のご存知の方がいたら連絡ください。
昔、エアチェックか何かで、L.A.4の音楽を録音していた。多分フュージョンか何かだったろうか、 その中に「パヴァーヌ」の編曲があった。もとは合唱曲であるが、合唱なしでもいいようになっている (事実、フォーレの「マスクとベルガマスク」では合唱なしバージョンのパヴァーヌが終曲である)。 L.A.4はかなり冷ややかな感じのインストゥルメンタルで編曲していたが、ほとんど覚えていない。
なお、ジャズピアニストのビル・エヴァンスもパヴァーヌをどこかのアルバムに入れていた。
また、パリ憲兵隊吹奏楽団の指揮者も、自身の楽団のためにパヴァーヌを編曲した、という事実がある。
パヴァーヌの解説もあるので、 よければ参照いただきたい。
1999年3月19日、フォーレの合唱曲のお好きな古郡さんから、以下のお便りをいただきました。 特に2枚目が愛聴盤であるとのことです。なお、多少体裁に手を加えています。
ところで、フォーレ作品の編曲ものの件ですが、私の手元にCDが2枚あります。
番号 タイトル 演奏家 曲目 発売 K35Y 6010 春の祭典 ヒューバート・ローズ(Fl.) Pavane キングレコード BVCW-650 The Impressionists A Windam Hill Sampler それぞれ異なる Pavane
Sicilienne
Au Bord de l'Eau
Libera MeBMGビクター 歌曲の中には知られてない名曲がまだまだありますね。
どうもありがとうございます。 ウィンダム・ヒルでしたか、なるほどという感があります。
世の中にはピアノの腕が立つ人が鬼のようにいて、その人たちのかなりが多くのクラシック曲をピアノ独奏用に編曲し、楽しんでいる。 フォーレの歌曲もいくつかピアノ独奏用になっている。
「夢のあとに」と「ネル」は、パーシー・グレンジャーによって編曲されている。これを聴いてみた。 「夢のあとに」もいいけれど、「ネル」は絶品である。 伴奏のアルペジオにのってメロディーがあるときは上で、 あるときは中で歌われ、掛け合いになる、そのからみが美しい。 なお、「夢のあとに」には、アール・ワイルドの編曲もある。こちらも評判が高いようだ (1999-12-23)。
Youtube などを探せば出てくる。よい時代になったものだ(2014-03-30)
追記:「レクイエム」もピアノ独奏用に編曲されている。 エミール・ナウモフによるピアノ、編曲である。金が許せば買ってみたい。 ( 2004-02-22 )
こちらはクラシックの範囲内での編曲になるが、 ピアニストの江口玲が、ヴァイオリニストのギル・シャハムと録音したアルバムで、 「夢のあとに」のピアノトリオ版を披露している。 この曲の節回しが泣かせるものであることを、再認識した。 もともと、「夢のあとに」はメロディーが先にあって、 詩を後で付けたのではないかと推理する人もいるほどなのだ (2004-02-22)。
ブリティッシュロックグループ「ルネサンス」の元ヴォーカリストであるアニー・ハズラムが、 フォーレの「パヴァーヌ」を歌っているという。情報を寄せてくださった藤沢さんに感謝します。 (2005-11-27)
フォーレのパヴァーヌについては, ギタリストのジョン・ウィリアムス(John Williams) による編曲、演奏が CDアルバム「アルティメット・ギター・コレクション」 (The Ultimate Guitar Collection)に収められているという。 指摘を頂いた 横浜マングース さんに感謝します。 (2008-06-05)
ヘイリーという女性歌手が、 フォーレのパヴァーヌを歌っていると以前記しましたが、 これは誤りでした。正しくは、 ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」でした。 指摘を頂いた 横浜マングース さんに感謝します。
上の古郡さんのお便りにあった、ヒューバート・ロウズのパヴァーヌを Youtube でやっと聴いた。 寂しさをより強く感じる。 (2014-03-30)。
フォーレの弟子たちが、 「ガブリエル・フォーレへのオマージュ」( Hommage à Gabriel Fauré または Hommage Musical à Gabriel Fauré ) という作品を残している。 その中のひとつが、モーリス・ラヴェルによる「フォーレの名による子守歌」で、ヴァイオリンとピアノのための作品でよく知られている。 他の弟子たちの作品も含めて、沼部信一さんによるブログ、 オマージュとしての音楽:私たちは20世紀に生まれた(numabe.exblog.jp) に詳しく書かれている。
ロバート・ヘルプス(Robert Helps)に 3 つのオマージュという曲がある。 第1曲がフォーレへのオマージュ( Hommage à Fauré )である。 最近、よく知られるようになった。 なお、第2曲はラフマニノフへの、第3曲はラヴェルへのオマージュである。
ステファン・レイノルズ ( Stephen Reynolds, 1947 - ) による『フォーレへのオマージュ 2 つの詩』 (Two poems in homage to Fauré) がスティーヴン・ハフにより録音されている。ピアノ独奏のための曲で、 秋の歌 Chanson d'Automne と 即興曲:春 Impromptu: Le printemps の2曲である。
菅原明朗は日本の作曲家である。 フォーレの名によるロンディーノという、マンドリンオーケストラのための作品がある。
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