人工知能学会誌を読む(2002年 1 月号)

作成日: 2002-03-24
最終更新日:

私には特集も小特集もわからない。「歌人とコンピュータ」という、 坂井修一さんのアーティクルを見て感想を述べる。

坂井さんは有名な歌人である俵万智、水原紫苑、塚本邦雄、高野広彦の四氏からそれぞれ一首を選び、 解説をしている。そして、これらの歌の特色がコンピュータには理解しづらいこと、 創作と鑑賞は動かないもの(恋愛感情など)と動いていくもの(世間一般の流れ)の両方を 頭に入れて初めて成り立つこと、インターネットが短歌に及ぼした影響、その他を述べている。

私には短歌の世界はわからない。坂井さんの解釈を手がかりにすれば、 なるほどその一首のもつ広がりと奥行きを感じることはできる。しかし、 何もない、三十一文字だけが投げ出されていては、私は途方にくれてしまう。 もちろん、坂井さんをはじめとする歌の素養の深い人は、 自分のイメージを作り上げることができるだろう。しかし一般人がどうやって、 歌の素人から玄人へと成長することができるのだろうか。

ふと昔のことを思い出した。 以前、阿部宵人の「俳句—四合目からの出発—」を読んでびっくりしたことがあった。 それと同じことは短歌の世界でもできるのではないか。

そういえば、この阿部宵人の本の書評を目にしたのも、今はなき bit 誌のアレフ・ゼロという コラムだった。


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MARUYAMA Satosi