『冬』は森作品の中でも”内包”が顕著な作品となっている。 『四季』というタイトルと登場人物からしてそのように位置づけられているのは明白だ。 この作品では”四季”が”四季”の中で”四季”の思考をめぐらしている。 また、この作品には物語の終点と始点が混在している。 入れ子とは複雑なものであるが、ここまでくると美しいのひと言に尽きる。 そして、その中心にはいつも彼女が存在するのである。 |
(No.10895/ヒロやん) |
四季シリーズの最終巻である「冬」。 天才が感じる“孤独”とは、誰もが1度は考えたことがあるだろうが、それを孤独とは認識しないようなことだった! 実は私は四季シリーズの前に○○○○○○を読んでいたのだが、「冬」を読み、全てが繋がったように感じた。 |
(No.11009/樹) |
あちこちから見つめられている。様々な時代から様々な視点から。私という存在は実在するのか?誰かの夢の中のキャラではないのか?私の意志は?今こうしている私は誰?「冬」で私は混乱した。この本を選んだのは私の意志のはず。自由意志で読み始めたはず。なのに、四季に操られたかのような錯覚。幻想。この矛盾を綺麗と言わずして何と言う。 |
(No.07532/くっきもんちゃん) |
非常に純粋であり愛にあふれた人である。というのが「冬」を 読み終えて真賀田四季に対して感じたイメージです。 そして犀川先生の質問とそれに答えた四季の答えはとても美しい。 これは人間であるからこそ出来る「思考」というものに対する 大きな愛の物語であると感じました。 |
(No.10819/neoaquarian) |
天才は常に変化する。全く同じである瞬間なんて存在しない。追いつこうとしても、想像する事さえままならない。しかし、なんという幸福だろうか。天才・真賀田四季の変貌を彼女の視点から捉える事のできたすばらしさ。変化するが故に一瞬しか望めない儚さ。彼女に近づけるという期待。理解の範疇を超えて思考に響く美しい言葉が、清々しい孤独と共に駆け抜けた。 |
(No.11349/ナミコ) |