僕はどこに立っているのか。そんな疑問が頭に浮かんだ。そんなことを知らなくても生きていけるのも不思議なものだと思う。誰も知らずに生きているのかもしれない。でも、みんな知っているのかもしれない。この物語はそれを教えてくれる。分かるのは一瞬。次の瞬間には、何が分かったのか忘れてしまう。でも、その瞬間は夢から覚める前のまどろみのように優しそうなのだ。出来れば覚めないままでいたい。 (No.11400/ミルフィーユ) |
『秋』では、いろいろな形の愛が出てきます。四季の母性愛とでも言うような愛を中心として、犀川と萌絵、保呂草と亜樹良、紅子と林、それぞれが様々な愛の形を見つけていきます。とりわけ保呂草と亜樹良の関係は、微妙な均衡の上で、仕事と愛の狭間に揺れ動きます。最後の1行を読んだ時、そういう愛もありなんだな、と思いました。 (No.07532/くっきもんちゃん) |
真賀田四季に外側から触れることも、四季を語る上では欠かせないのだな、と思いました。読みながら、天才が何かわからなくなります。真賀田四季は、移ろう季節のように、人間を置き去りにしながらも影響を与えて、気がつけば違うものになっている。『春』や『夏』を読んでもまだ、全然計り知れません。 (No.10177/にわか) |