森ぱふぇ版『四季』解説

「春」


※ 性質上、多少のネタバレ要素があります。ご覧の際は十分ご注意ください。 ※

『F』につながる序章

四季シリーズの記念すべき1冊目である「春」。
四季の兄である其志雄の登場、そして天才少女が流した涙…。
「自分の母親を殺すというのは、どんな感じかしら」
「自殺よりも、純粋なものかしら」
その問いかけが、まさに『F』につながる序章であるように思われる。
そして忘れてはいけないのは、今までのシリーズとの関連である。紅子と其志雄の対話、そして西之園萌絵との初めての出会い…。
見所一杯の春がここにある。
(No.11009/樹)

「生きているって?」

自分が死んだ後、どうなるのだろうかと考えました。自分に近い人には、ある程度記憶が残るだろう。だが、それも時間と共に薄れていく。四季には記憶の劣化がない。
四季の中では、人は永遠に生きる。其志雄は、四季の中で永遠の命を得た。四季に選ばれ、そして生命を持った其志雄が羨ましい。生きている意味を問われた1作でした。
(No.07532/くっきもんちゃん)

天才という名の少女

見た目は少女、それもまだ幼い。
それでいて思考も話し方も大人。
どう考えても可愛げのない・・なのに彼女には圧倒的な魅力がある。
彼女が考えていることを知りたくなる。
決して知りえないことだとしても何をするのか見届けたくなる。
そんな風に思ってしまう私はすでに、
「真賀田四季」という絶対的な世界の片隅にいるのだろう。
(No.03520/KIYOMI)

始まりの季節

天才、真賀田四季がまだ少女の頃。
彼女の頭脳が組み立てた計画によって世の中が動かされていく。
周りの人は自らの考えで動いていると思っていても、それは四季に動かされているだけ。
それに気付いている者、気付かぬ者。誰一人としてそこから逃れることは出来ない。
もちろん読者とて例外ではなく…。

春、すべての始まりがここにある。
(No.10875/nao)

ふんわりと落ちてきた衝撃、です

初めて書かれた"天才"に、くらくらしました。考え方の巡らせ方が立体的で、表現が美しくて。何度読んでも色褪せません。今まで天才というものを、漠然と、単純に捕らえていたのですが、これからは天才の基準がこの真賀田四季に定着しそうです。
(No.10177/にわか)

基底に流れてるもの

幼児期から、真賀田四季は人類の智恵を信用している。これは作者の森博嗣が言っていることにも通じよう、「世界はよくなる方向に向かっている」と。「天才」と「天才を描く天才」がそう考察し結論づけてくれてるって、力強く希望が持てるんぢゃない?(にっこり)
(No.00002/をかへま)

きっと寂しい物語

可愛らしい、幼い少女の頃の彼女もやはり天才だった。新たな発見が数多く存在し自分を構築する、最も刺激的で危うい時期。四季が多くの人と接触した時期。生き方を、生きる意味を、彼女は模索したのだろうか。彼女の存在は人類にとって全てにおいて、狂い咲きの桜のように早過ぎた。かといって、人類が彼女に追いつく可能性は皆無。全てが取り残されていく。彼女は、誰のために、何のために泣くのだろうか。
(No.11349/ナミコ)


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