四季。彼女の香りはきっと外国の高級ホテルでシャワーを浴びた後の様。仄かに漂う上品な、まだ成熟していない少女の香り。 男は、白い服、そこから見える白い肌、人形の様な容姿、透き通った瞳に一瞬にして虜になるだろう。少女から発せられる大人びた口調。その頭脳に支配されるのだ。その心地良さに酔うであろう。 女は、彼女の容姿、漂う気品、知的な雰囲気、口調、絶対に太刀打ちできない。彼女を嫌うか羨むか、それ以外にはない。 |
(No.05152/kupo) |
『四季』を読むのは、最後の楽しみに残しておいたイチゴパフェの苺の部分を、クリームをたっぷりつけて口に放り込むのと同じくらい幸せなことだ。 純粋にその美味さを楽しんだり、たまに混じる酸っぱさに驚いたりできる。 そして、食べ終わったあとは、「もう一杯たべたいなぁ」と呟いてしまうのだ。 |
(No.11220/マキ) |
森先生はどの作品から読んでもかまわないとおっしゃいますが、 Fから読み続けて四季にたどり着いた人ならだれでも、 発行順に読んだほうが絶対おもしろいと思っているはず。 少なくとも天才ではない私のような頭では、 ばらばらに読んだのでは整理が追いつきません。 整理する必要すらないのでしょうか? この四つの季節をめぐる永い物語の全てを、 早く知りたい。 |
(No.05025/birdmanrally99) |
春、夏、秋、そして冬。まとめて四季と呼ばれている。 彼ら全員と出逢うことができる地域はとても貴重だ。幸運にも日本はその一つ。 春に芽吹いた植物は真夏の太陽を一身に受止め生茂り、秋には豊かな実を結ぶ。そして未来への希望を残して土へ還る、それが冬。 まるで人生だ。 「四季」全4巻を読み終えた時、メビウスの環のごとく「春」に立返らなければならないことに貴方は気づく。 四季は4つで1つ巡り巡っているものなのだから。 |
(No.00003/TAKU) |
森先生の作品の魅力の一つは、人物だと思います。 彼、彼女等の考え方は、私にとって、身近ではありませんが、とても惹かれるものがあります。 葛藤のある優しさでしょうか、哲学のある優しさでしょうか。 この物語に出てくる人物の様々な優しさに、心打たれるのでした。 |
(No.11286/御堂) |
「春」の冒頭の対話こそが四季の本質だと感じました。 自分だけは、自分の頭に入らない。 この時間と空間からの乖離は、周囲との断絶を意味します。 自己の特殊性の認識と、それゆえの孤独。 これを乗り越えるには自分の頭に入らない、他の存在を見つけ出すしかない。 きっと、それが、犀川であり萌絵だったのです。 この孤独が癒されたから、四季は涙を流せたのではないでしょうか。 嬉しかった? 悲しかった? それとも、寂しかった? |
(No.07281/shiro) |
『四季』は、僕が初めて読んだ森作品である。当時は、なにも知らずに読んだので珍紛漢紛だったが、森博嗣の独特のセンスに魅力を感じた。今、改めて『四季』を読んでみると、初めて読んだときにかかっていた雲はなくなり、○○○と○○○○○○○○の繋がりが見えるようになっていた。今にして思えば、初めて読んだときは『四季』の凄さに気づいていなかったのかもしれないが、再読してようやくその凄さがわかった。 |
(No.09766/没一) |
天才という存在は謎に包まれている。 知りたいという欲求は人の性。それを「四季」は満たしてくれる。けれどもこの作品の魅力はそれだけには留まらない。 これまで森作品を読み続けてきた読者に対し、凄い仕掛けを用意している。 読んでいて、面白いやら、驚くやら、いろんな感情のオンパレード。 本を閉じる時には、心地良い疲労と、もっと読みたいという気持ちがむくむくと。 森作品の中で特別な一冊になることは間違いないでしょう。 |
(No.03448/はぴえだ) |
「四季」というタイトルを聞いた時、四季のことをもっと知る事が出来るのか、と私はわくわくした。そして、その期待は十分に満たされた。しかし、彼女のことをもっと知りたい、という気持ちはさらに大きくなっている気がする。きわどいところで逃げられた、そんな感触がするのだ。でもそれは決して残念な気持ちではなく、むしろ、追いかける幸せ、のようなものを感じている。 |
(No.00163/水都) |
「四季」は、地層のようなものだと思う。しかし、過去から連綿と堆積してきたこの地層には、断層もなければ、風化を受けた形跡もない。側に立って眺めると、化石のように遺された過去の印象が見え、ルーペを使ってみると、劣化していない鉱物の美しさが見える。まさしく、地質学者が地層から過去の環境を知るように、「四季」から森博嗣作品の過去と未来が読み解ける、と思う。 |
(No.11425/ひでひら) |
何回も読み返す本はある。だがミステリィは別だった。 また読もうと思う本は少なかった。 でも先生のミステリィは違った。何度でも読み返したくなる。 四季をどこにはさんで読むかがポイント。毎回違う気持ちになる。 嬉しかった、出会えて。 |
(No.09550/nakamura) |