可燃物な日々

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11月30日(金)

 休みだ〜
 今日は「自主夜勤」なので、たっぷり寝ることにする。昼頃目が覚めたが、寝なおして、目が覚めたらもう5時だった。よし、いいぞ。計画どおりだ。
 軽い夜ご飯を食べて、お風呂に入り、9時くらいに家を出る。
 昨年も堪能した、幕張メッセでのテクノ・イベント「エレクトラグライド」に行くのだ。

 早目に出たので、帰宅ラッシュにも巻き込まれず、のんびりと幕張に到着。メッセの入り口に着いて中に入ると、去年は入って正面の会場だったが、今年はさらに右側を100メートルくらい歩いた場所だった。昨年よりも広い会場なのか?よくわからなかったが、昨年は仕切り壁がひとつで、「ライブ」と「DJ」のスペースに分かれていたが、今年は3分割してあって、左右が「ライブ」と「DJ」で真中が飲食&休憩スペースになっていた。音が混ざらなくていいみたいだ。

 ライブ・スペースでめぼしいのはエイフェックスなのだが、私はDJスペースに的を絞る。
 11時には会場に入っていたが、まず荷物置き場を探してDJスペースを一巡して奥のほうに陣取り、しばしリチャード・マーシャル(誰?)のDJを聴いていたが、音はわりとトランスっぽかったが、なんでかしらんが客が異様に盛り上がっているのは去年と同じ。まだ12時前なのに「うぉおおおお」とか歓声が間断なく上がっていて「みんなそんなにテンション上げて、朝まで持つのかな?」と心配になるが、人の心配しててもしょうがないし、ぐるっと一回りしてからトイレに行って20分くらいの行列に並んでいたらあっという間に12時になる。これからが本番。

 12〜2時 ファット・ボーイ・スリム

 ファット・ボーイこと、本当に太ってるノーマン・クック君を生で拝顔するのは10年ぶりくらい。前に観たときはビーツ・インターナショナルが渋谷のクワトロでやったときだった。あのときもヘラヘラとターンテーブルの前に陣取って「別にこの人、いなくてもいいんじゃないか?リーダーだけど・・・・」とか思っていたのだが、その後、本格的にハウス系に手を出して大成功した。
 彼は本当にファットなので、会場からは「デブ〜」とか「ハゲ〜」とかの暖かい声援が飛ぶ。ノーマン・クックを知らない人(の方が世の中の大半だと思うが)は、だらしなく太ったフィル・コリンスだと想像してもらえばおおむねOK。
 PAが悪いのが気になるが、大会場だから仕方ない。場所によっては音がダブるところもあるので、いい場所を探すのが大変。この時間はライブがやっていないので、客もDJの方に集まってきてけっこう混んでいる。

 クック君は、めちゃ愛らしかった。これで、この音だとゲイ受けするだろう。レコード袋(白い紙でできた中身のほうね)に「KONNNICHIWA」とか書いたものをモニターに写したりして、会場を盛り上げるし、DJブースから飛び出して変テコな踊りを踊ったりして大ウケしてたりした。音はハウス中心だが、ブレイクが多くて客煽り型が見え見えだが、大会場ではそうするのが正しいことを知り尽くしているパフォーマンスという感があった。

 1時すぎにライブのほうではエイフェックスが始まったので、客はそちらに流れる。私もちらりと覗いてみたが、やっぱりリチャードは姿を隠していた。(あとで、友達に聞いたら、最後の方ではちゃんと顔を出して挨拶したし、プロモーション来日していたケミカル兄弟が飛び入りで舞台で踊っていたりしたそうだ。だからなんだってかんじですけど・・・)音はよかったが、客はなんかユラユラしているかんじで、雰囲気的にはDJのほうがいいかな、空いてるし、と思って再びDJスペースに舞い戻る。

 2〜4時 ダレン・エマーソン

 クック君がアンダーワールドのボーン・スリッピーを掛けたところでダレンに交代。ダレンはアンダーワールドを脱退してから日本に来てくれなかった。シンガポールではプレイしているのにさ。念願の来日である。しかも私はダレンのプレイを生で聴いたことがない。ラブ・パレに行ったときにダレンが回すパーティがあったので行ってみたのだが、見事に来なかった。同じ時期、ロンドンで鶴見済も同じ目に遭っている。
 アンダーワールド在籍時はオヤジメンバーに守られて、ヒヨッ子だけど天才という風情だったが、体も一回り成長し(太ったということの婉曲表現)、顔つきも逞しくなり(おやじ顔になったということの婉曲表現)、貫禄十二分。
 しかし、プレイの方はイマイチ散漫なかんじはしたが、けっこう渋くキメていたともいえる。

 あとで、友達が「ダレンってやる気なさそうにプレイするけど、でもそのくせきっちりやるところがカッコいいと思っていたが、今回はほんとうに手を抜いていたように思う」とのこと。まあ、大会場であんまし音もよくないし、何かけても客は盛り上がってるしで、集中力に欠けるもしかたないか・・・それに裏ではエイフェックスのライブだったので、客もそっちに行ってしまってたし・・・・まあ、イベントってこういうもんかもね・・・・などと思っていたら・・・・

 4〜7時 ローラン・ガルニエ

 ガルニエは私が最も愛するDJである。今まで行って良くなかったことが一度としてない。毎回すばらしいというプロ中のプロである。だが、最後に来日したときはあまりよくなかったという噂があったが、そのとき私は都合が悪くて涙の不参加だったので、「あたしがいなかったからダメだったのね」ということにしておいた。
 以前は毎年くらい来日していが、フランスで文化賞とかとっちゃったりして大御所になったのかなんなのかしらないが、ほんとにご無沙汰でございました。

 そして、ガルニエがレコードに針を落とした瞬間、PAの悪さがすべて解消された。「音が違う〜〜〜〜〜」
 いや、ほんとに、こういう幸せな瞬間ってあるのだが、調子のいいDJがきっちりプレイすると、かけているのは同じレコードでも音が違うのである。いいDJは空気をデザインするのだ。
 このころになったら、エイフェックスも終わっていて、客も戻ってきたが、早くから飛ばしていた客はもう疲れきっているので、フロアは本当に踊るのが好きな人しかいなくて、ほどよく埋まっているので居心地も良くなる。 
 それにしても相変わらず官能的でそれでいて、しっかりとしたリズムを刻むガルニエの世界・・・・「How to sex」とか「カーマスートラ」とか読むよりも、こっちのほうが数倍勉強になると、以前から力説しているのだが、あまり理解されていない。昔も会場で出会った若い男の子に「いい、女はこうやって口説くのよ!よく聴いておきなさい!」と説教して嫌がられたが・・・
 フランス男の「女たらしテク」が凝縮されたかのようなその音の世界(←こんなこと言っているの私だけなんだが・・・・)にどっぷりはまる。「うぉおおお」とか「ぎゃぁああ」ではなくて「ふぇえええ」「ほぇえええ」「いゃあああん」という歓声こそがふさわしい!(?)

 というわけで、7時くらいまで堪能したが、会場入りしてから誰にも知り合いに合わなかったのでちと淋しくなり、疲れてきたので、会場を出てすぐの公衆電話から友達に電話したが、まだ音が鳴っている。終了するまで待って、友達のいる場所を聞いたら駐車場のほうで「乗せてあげる」と言われたので、また300メートルくらい歩いて駐車場に行くと、そこで友達が溜まっていた。皆「あんまし中で人に会わなかった」と言っていた。
 
 8時過ぎにやっと車で東京に向かうが途中で一人車酔いしてしまったので、駅を探してさまよったりしてので、結局、家に着いたのが10時近かった。ビタミン剤を山ほど気休めに飲んでバタンと寝る。夜に電話で起こされて、すこし喋ってからまた寝た。「明日まで寝ぬく」



11月29日(木)

 昨晩は「事務処理と生産性」について書こうとしていたら、話が逸れていった上に途中で電話に邪魔されそのまま寝てしまった。
 もう一回、最初から練り直そう。

 明日は休みをとったので、今日はあまり真面目に仕事する気がしなくて、溜まった請求書を台紙に貼り付けたり、台紙用の紙を作ったりして、うだうだ内職のような仕事をする。 



11月28日(水)

 ♪すいよーび、泳いでる、スイスイスイスイ泳いでる♪
 
 やっと定時で帰れるくらい仕事が落ち着いたので気分良好。人間やはり働きすぎはいかん。荒むよ、まったく。
 機嫌がいいからお仕事関係の話題にもノっちゃう。

 そもそもコンピュータなんて事務処理の助けにならないのか?

 どうなんでしょー。これに私が意見するのには、私が「生産性」についてよくわかっていないという壁がありますが・・・・
 経理の仕事に関しては、というか、今の普通の会社で最も「電算化」の恩恵を受けているのは経理だと思います。なんたって、「帳簿をつけて合計を出す」ために、かつては大勢の「電卓打つのが早い人」が必要だったわけだし、電卓が誕生する前はソロバンでやっていたらしいが(私が働き始めたころには電卓よりもソロバンの方が得意な古参社員がいた)、そうなると大量の計算が「手計算」だったわけで、月ごとに締めて試算表作ってもたたぶん一発で合わない。だから、昔の会計事務所なんかは残業が当たり前だったらしく、夜を徹して「計算やり直し」をしていたらしいです。

 それが、会計ソフトの導入で、そういう皆で手分けして延々と電卓を叩くという地獄のような重労働からは解放されたらしい。
 ただ、その「電算化」の過程で、私の知っている会計事務所では、「とにかく電卓叩ける商業高校出身者」の採用を控えて、代わりに「コンピュータ関係の仕事をしていたが、30歳くらいになって転職を決意した人」を採用していました。「貸借」の意味もわかってませんでしたが、とにかく事務所全員分のパソコンを購入して、ソフトをインストールしたりメンテナンスしたりするのに必要だったわけです。
 そうなると、10名くらいの会計事務所で「電卓叩ける人材」は二人ほどいなくなりましたが、代わりにいわゆる「システム管理者」と「パソコン代」が掛かります。
 どっちが生産性あがっていたのかわからないけど、「残業は減った」と税理士は言っていました。

 私は電卓苦手なので、20年前だったら経理には向かなかっただろうなあ。
 電算化したメリットとしては「修正が簡単」ということが一番メリットかなあ・・・
 「あ!この伝票は、先月のだった!」
 というときに、昔だと、現金とかに無理やり押し込めましたが、そうなると残高が変わってしまうので、超めんどかった。
 それに、大きな声では言えませんが、「決算で利益出そうだから、この領収書も入れちゃおう」というときに、途中で挟むと「大改ざん作業」になってしまうので、各月末にちょこちょこ足したりしていたので、見る人が見れば何をしたのかすぐわかる。(今いる会社の話ではないです)
 それが会計ソフトなら、いつ挟もうがワンタッチで残高も変わるので、「なんて素晴らしいのだ」と思ったものです。

 ただし、「後でいくらでも直せる」と油断すると、仮の仕訳をすることが多くなり、そのまま忘れてしまって、後で「この仮受金なんでしたっけ?」なことも多いので、「機械はすばらしいが人間がそれに甘えて堕落する」ということはあるかもしれない。
 あと、昔は経理といえば「合わない〜〜〜」と半べそかきながら、髪振り乱して電卓叩いていたので、経営者も「あそこはそういう部署だ」と思ってくれていたようですが、そういう場面が少なくなると、ゆとりがあるのがバレてしまい、「じゃあ、もっとこんなこともできるのか?」とばかりに余計なことをやらされます。
 それが「生産性の高い仕事」であれば、「電卓から解放されたかわりに生産性があがった」と言うこともできるのでしょうけど、私が観察するかぎりそんなことは少ないと思います。

 例えば、すごく大雑把なたとえですが、「交通費」だけで集計するのが一苦労だった時代には、経営者は「我が社の一ヶ月の交通費は?」ということだけで満足していたのですが、パソコンがあればもっと細かい集計が可能なので「個人別に集計してくれ」とか言い始めます。そうなると経理では、交通費の伝票を入力するときに個人別コードも打つことになります。たいした手間ではないのですが、それで個人別の交通費を月々まとめて表にして、ついでにグラフ作ったからって、なんかいいことあるのでしょうか?交通費をたくさん使ってるからといって、優秀な営業マンだと判断できないし・・・・

 そうやっていろいろな集計を出しても、あまり「生産性」とは関係なさそうです。
 友達が派遣で行っていた某大企業では、リストラ策の一環なのか、事務用品費の予算が厳密で、年度末には事務用品の追加発注ができなくなっていたそうです。
 そこまでやるのであれば、厳密に集計する意味もあるでしょうけど、私がずっと働いていたような中小企業では、そんなことやって年間数十万円の事務用品費を削減したとしても、その手間暇を考えるとあまり効率的とは言えないし、それにそんな締め付けすると現場から非難ゴーゴーの嵐が吹いてくるだろうし、そもそも中小企業でそんなことしたら「うちの会社、ヤバいのではないか?」という印象をバッチリ与えてしまうので、少ない社員の中から優秀な人材から先に抜けていってしまうという恐れもあります。



11月27日(火)

 仕事の愚痴にも飽いてきたので、無理やり他のこと・・・・

●一度やってみたい

 仕事に関係しているが、今日も夜、道を歩いていていきなりとてもとてもとてえぇぇぇぇもやってみたくなったこと。
 海外に取引先のある会社で経理の仕事をしている方はご存知だろうけど、海外から日本の口座に送金があった場合、銀行の外為から電話がかかってくる。

 「口座番号XXXに、アメリカから、○ドルの送金がありました」

 というような照会である。ドル建ての送金を日本円に換えて入金する場合には、レートとか手数料の確認をしなくてはならなくて、それで円建ての入金金額が決まる。ドル建ての口座を持っている場合には、そのまま入金してもらう。
 そしてそのときに、外為の人は必ず、その送金の内容を聞いてくる。
 私が派遣でとある貿易会社で働いていたときは、「え?内容って?」と思って、社員に聞いたら「商品の販売代金でいいんだよ」と言われたので、そのとおりに言ったら、それで済んだ。別に細かい内容を聞いてくるわけでもなく、大まかな内容を言えばいいのである。海外に送金する際にも、その内容を書くスペースがある。なにかそういう取り決めがあるらしい。
 今いる会社でも、ときどき海外からの送金があるので、「ソフト販売のロイヤリティです」と言えばOKなのである。なんのソフトなのかは問いただされたことはない。

 それで、今日急にむしょうにやりたくなったのは、「送金の内容は?」と聞かれたら、さもあたりまえのように、

 「麻薬の売買資金です」とか「テロ組織の運営資金です」と答えてみたら、外為の人はそれでも「そうですか」で終わらせてくれるのか確かめてみたいということである。
 
 この衝動が一時のものだけで、次回海外送金を受けるときには忘れてくれたらいいな・・・・と思う。
 たぶん、美容院で「おかゆいところはないですか?」と聞かれて、一度でいいから「足の裏」とか言ってみたいと思っていても、実際に美容院でシャンプーしてもらっているときにそんなこと思い出さないというのと同じ症状だと思うけど。

●枯葉よりも季節を感じるもの

 朝の電車のホームで、床に落ちていたフェイクファーのマフラーは、打ち捨てられた小動物のようで物悲しかった。田舎の道でときどき見かける小動物の死体のよう。完全に死んでいた。持ち主が早くに取りに来てくれれば生き返るかもしれないが、ああいうのって私もよく落とすけど、絶対に見つからないんだよね。

 夜の暗い道で、道路の真中に放り捨てられた毛糸のマフラーも、一瞬、猫の死体かと思ってびっくりした。よくよく近くで見ると、轢かれて死んだ大蛇のようだった。

 来月になれば、双子の兄弟と生き別れて、独り淋しく道路に横たわっている手袋なども目撃されるだろう。寒空に放置されている方も気の毒だが、無事家にたどり着いた兄弟も幸せにはなれないだろう。片方しかない手袋なんて、せいぜいタンスの肥やしになるしかないが、ゴミ箱行きは免れない。

●またウィルス?

 なんかまた妙なメールが来たのだけれども、文字は何も書いてなくて添付ファイルだけ。「SETUP.DOC.scr」だってさ。



11月26日(月)

 ややこしい仕事は終わったし、あとはラクなのが残っているだけなので、今日はのんびりやるつもりだったのだが、夕方になってまたも「パズル」を発見してしまった。前年度末は上司がやったらしいのだが、それがまず謎の数字だし、今期分もかなり入り組んでしまっているのに気が付き、まずなにがどう違っているのか究明しないと・・・・・と思ってやり始めたら、7時半になってしまった。
 でも、だんだんと「帳尻合わせ」にも慣れてきたので、持ち前の豪胆さをフルに生かしてザクザク直していたのだが、最後にどうしても120円合わない。しばらく、ぼんやりとモニタをにらんでいたが、「もうこれ以上、原因究明するのイヤだ」とキッパリ見切りをつけて、テキトーに直す。(直すのにもそれなりにテクニックがいるんですけどね)

 なんだかズサンな作業ばかりしているので、げんなりしてくるが、そうしないと家に帰れないし、帳簿と心中するつもりもないので、仕方がない。・・・・・と、自分で自分に言い聞かせよう。
 経理なんて、本当に神経の細い人には勤まらないと思う今日このごろである。(まあ、もうちょっと伝票入力する時点で気を細かく使えばこんなことにならないんですけどね。あたしは、自分の抱えている仕事だともっとマメに合わせているのでこんなことにはならないんだけどさっ←ちょっと怒っている)



11月25日(日)

●続・愛と哀しみの3連休

 昨晩、日記を書いてから、「そうだ、Mちゃんにミカンを貰う約束になっていたんだ」と思って電話したら、「仕事あいかわらず忙しいの?」と言われ、そのままお仕事苦労談を始めたらまたドつぼにはまり、どっっぴんしゃんぬけた〜ら、朝の5時でした。6時間にわたる長電話で最頻出キーワードは「ああ、南の島で何も考えずにのんびりしたい」という、「小金はもっているが、休みがとれない下っ端OL」の嘆きのエール交換でした。

 というわけで、明るくなってからやっと床につくという、「あれ?前にもこんなことあったような」なデジャヴではなくて、ほんとに先週の月曜日もこうだったんだが、やはり目が覚めたらもう暗かった。夜かと思ったら、まだ5時でした。昼間に12時間寝られるって、いい季節だなあ。と、こんなことで「晩秋」を堪能してどうするってかんじですが、今度の金曜日も久々に夜遊びに行くのでまた起きたら夜だったりしそうなので、「職業、経理のおねーさん。週末、昼夜が逆転する」というパターンがしばらく続く予定です。

 そういえば、祝日だった金曜日も経理課の3名(上司、私、ギャル)は当然のごとく出勤していて、上司もやっとゆっくり決算業務ができたので、無言で入力していて、私も画面から目を離さずに眉間にシワを寄せてパズルと格闘していたので、いつもは明るいギャルも二人の鬼気迫る様子に感応してしまい、シュンとして仕事していましたが、夕方になって皆がくたびれてきたころに、上司がポツリと、

 「うにてんてんってどうやってだすんだっけ?」

 と呟きました。
 それを聴いた私の頭の中の反応・・・・

 うにてんてん → うに・・ → 「う」に「・・」 → う・・ → ゔ → ヴ

 たっぷり3秒後、
 「えっと、・・・・・「V」で出ませんか?」

 「あ、出た、ありがと」

 というわけで経理課はボロボロになっているというお話でした。ヴが出せなかった上司も疲れきっていたようですが、即座に反応できなかった自分もしかり。

 などと書いているうちに夜になったので、久々に近所の戦闘・・・・に行ってどうする?(ご時世を反映してこの変換がトップになっていた)じゃなくて銭湯に行ってサウナで汗かいた。
 体重計に載ってみたら、けっこう減っている。そもそも、今日は何も食べていないのであった。睡眠欲が食欲に勝っている時期は体重が減るらしい。でも、腹が凹んだわけでもないので、スタイル的には特に変化無し。

 さて、また頑張って寝ますかね。



11月24日(土)

●愛と哀しみの3連休

 なんにでも「愛と哀しみの・・・・」をつけたがる悪い癖が勃発。
 で、懸案だった「愛と哀しみの暗号解読」作業は、木曜日中になんとかやっつけた。
 暗号解読者としては、相当強引な技を駆使した。

 強引な技とは・・・・・

 でっちあげ

 である。
 なんのことはない、地道な暗号解読作業をするには、時間も気力も不足していることが明白だったし、だいたい「平文」(実在庫)は決まっているので、暗号を強引に平文に直したのである。ただそのアルゴリズムについては、気合と直感でやったので、不可逆的なものになったと思われる。とは言っても、デコボコの在庫(帳簿よりも多かったり、少なかったり)だったが、金額に直してみたら、マイナス10数万円の棚卸損なだけなことが判明したので、それくらいだったらまあいいでしょうという上司のお墨付きもいただいたので、テキトーに直してしまった。
 ただ、テキトーに直す作業だけでも、木曜日一日かかったので、かなりの作業だったけど。

 やれやれこれで、パズルが一個解けたわ。インチキしたけどさ・・・・・と思っていたら、お次もまたパズル。

 建物を一個作ったのだが、私は建物の仕訳したことなかったので、全部「建物」にしたのだが、会計士から物言いが入り、「建物と建物付属設備に分けるように」というので、それで町田に行って実際の建物を観察してきたのである。建築契約書を見ても、よくわかんなかったのだ。実物を見てだいたいどういうものを作ったのかわかったので、さて、契約書や請求明細を見て、それが「建物」自体なのか「付属設備」なのか分けるのだ。(付属設備のほうが耐用年数が少ないので、そうしたほうが税務上有利)

 しかし、それでいろいろ「耐用年数表」などを見ていたのだが、建物自体にも色々なカテゴリーがあり、鉄筋コンクリートと鉄骨プレハブみたいなのでは耐用年数が全然違うし、使用目的などでも異なってくる。そのあたりは会計士と相談しないとならないが、問題は「どれが建物でどっから設備?」
 ゼネコンとの契約書で「電気設備工事」とか「衛生設備工事」とかになっているのは「設備」にしていいのだろう。「金属建具」と「木工事」っつうのは?
 とにかく建設関係の契約書をあんなに真面目に解読したのも生まれて初めてだったので、よ〜わからんのだが、とにかくエクセルに打ち直して大体のカテゴリーに分かれているので、それをそのまま「付属設備」にしてみて、上司に見せたのだが「う〜ん、まあこれを叩き台にして会計事務所と相談するから、資料を作ってください」ということで、要するに「上司にもよくわからない」わけなので、「こんなかんじに仕訳してみましたが、こんなんでいいでしょうか?」な資料作成をするということになった。

 そこで、「勤労感謝の日」も好天を尻目に恨みがましく仕事。
 建物の建築については、なんとか資料を作成したが、問題は、私がいる方のオフィスの改修工事である。各フロアを全面改装したのだ。上司はなるべく修繕費とか事務用品費で落としたかったので、ずいぶんと細かい請求書を出させていたので、経費で落とせそうなものは全部拾い、あとは資産になってしまうのだろうかという表を作ったのだが、「階段部分の塗装とかは修繕費にならないのかなあ?」といわれても私にもよくわからない。
 調べてみると、賃貸物件の内装工事は修繕費というよりも資産計上すべしとの判断もあるようで、どの程度が修繕費で落とせるものなのか・・・・そちらも会計事務所との相談になるから資料作成して、私のやった荒っぽい仕分けでとりあえず資産目録を作成して、減価償却の金額を仮に算出して、計上する。
 そのあたりもかなりパズル状に訂正してあるので、自分でもわけがわからなくなってきたが、なんとか減価償却のエクセルの表と帳簿のつじつまを合わせたのが、今日の夕方だった。

 ほんとは今日休みをとらないと、今月の休みを消化できないのである。11月は30日あるから7日休まなければならない。暦に関係なく23日出勤すればよい会社なのである。ところが私はしばらくクソ忙しかったので、今月はまだ4日しか休めていない。11月30日に休む予定になっているのだが、それでもやっと明日の日曜日休んで6日。(12月に繰り越すことにする)
 決算業務で時間を消耗しているので、早くも20日締めの請求書を発行する時期になっているのだが、そっちは手付かずのまま放置されていたので、最悪明日も出社か?と追い詰められたが、さすがに連日のハードワークでボロボロで、今朝も起きたら血圧が上がらず、1時間ほど遅く出勤したので、もう限界である。

 なんとか夕方には仮の資産計上が終了したので、会計事務所へお伺いをたてる資料を作成して、「やっぱり明日は休みたい」との一念で、20日締めの請求書の作成もなんとか月曜日にちょっこっと追加すればできる状態までやり遂げた。8時半ごろ、やっと会社を出る。やれやれ、もうホントに疲れたよ。
 
 家の近所に変な猫がいる。ときどき通りがかると「にゃお〜〜ん」と媚態を晒してくるので、構うと妙な動きをしてジャレてくるのだ。
 今日も久々に出会ってしまったので、私も「にゃお〜ん」と答えてみたら、ゴロンとお腹を晒してくる。お腹を撫でてやると、なぜかヤツは頭のてっぺんを私の手にこすりつけてくるのだ。だから頭をこすってやると、今度はまた寝転んでお腹を見せるので、お腹や背中をなでると頭を擦り付けてきて・・・・・・どうも落ち着かない猫である。それで、こっちもくたびれてきたので、立ち去ろうとすると「にやお〜」と鳴いて睨むのである。「まだ撫でろ」ということらしいので、また撫でて、立ち上がると「行くな〜」で・・・・・3回くらい繰り返して、いいかげん帰りたくなったので「またね」と言ってほんとに歩き出すと後ろで恨みがましく鳴いていたが、5メートルくらい離れたらもう知らん振りだった。

 去年の3月26日に久々に会って話しをしたK君から葉書が届いた。NYから。14日に出発したらしい。墜落事故の翌日。「行くことは8月には決めていました」ということらしい。また長期で旅行するのだろうか?前にヨーロッパに行っていたときには、けっこうマメに葉書を書いてくれて、私を羨ましがらせたが、今回はどこに行くのかな?彼もすっかりトラベラーというか、旅行に行くためにバイトする人生になっているみたいだ。そういえば、やはり去年の8月12日に偶然会ったとき(日記はいろいろ記録されてるから便利)は、八千代台のスーパーでバイトしていたが、あのスーパーも潰れたらしいし、その後はどこで働いているのか気になっていたのだが・・・・元気みたいでよかった。K君は私よりも3歳年上なのだが・・・・永遠のフリーターである。

 さて、明日は心置きなく惰眠を貪ろう。 



11月21日(水)

●嗚呼、我がエニグマよ

 やっと「暗号解読」を読み始めたのであった。同じ著者(サイモン・シン)による「フェルマーの最終定理」と比べると・・・・というような風評もあったけど、「フェルマー・・・」のときは数式を全部読み飛ばしていてもスリリングだったが、今回のも肝心の「暗号の仕組み」を全部読み飛ばしても、ノンフィクションものとして十分楽しい。
 まだ、4分の1も読んでいないのだが、ちょうど「エニグマ暗号」のくだり。そうか、エニグマって「謎」って意味だったのね。(グレゴリオ聖歌をダンス風にアレンジしてJ-WAVEのヘヴィーローテーションだったヒーリング・テクノ系ユニット「エニグマ」の印象が強い)

 私はかなり頻繁に「この本をなぜかこのタイミングで読んでいるのね」と思うことがある。買った本でもなかなか読む気がしなくて放置しておいて、半年くらいたって読み出したら、「そうなの!今これが必要だったのよ!」と思うのである。話題の本でも、話題になっているときには興味がなくて、しばらくしてから読み出したら「これを今読んでいる自分が怖い」とか思ったりするのだ。ただ、それは何を読んでも自分の身の回りや感情と重ね合わせて読んでしまう自分の癖なのかもしれない、とも思う。多分、そうなんだろう。

 というわけで、「暗号解読」を読んでいる最中に、決算の在庫棚卸の表にやっと手がつけられたのだが・・・・こ、これは・・・・パズルか?暗号か?
 帳簿上の在庫と実在庫が、素敵なくらいデコボコしていて、今日はそれの差異が明らかになった瞬間、机に突っ伏してしばらく動けなくなった。
 
 何がどう違っているのか原因を究明しなくてはならない。それには、仕入れ個数と売上個数を洗いなおさないといけないのだが、とてもとてもとても地道で気の遠くなるような作業である。

 なんで私がこんな面倒なことやらなきゃあかんのか・・・・・
 半べそ状態で、今日も8時近くまでちんたらつき合わせをしたけど・・・・・

 「暗号解読」で暗号解読者たちの地道な作業を思えば、たかだか3ヶ月くらいの売上と仕入の洗い直しなど、耳掃除くらいの仕事だろう。地道にやれば、天文学的な年数のかかる仕事をひらめきと才知で短縮して解読しているのだ。
 ふー、でもこれでまた今週土曜日まで出勤は必須だな。かなり集中してやらないと、まだ他にも決算業務は残っていて、上司は焦っているようだが、とにかく時間はあってもそれに集中できる気力は限りがあるのだよ。暗号解読に2時間も専心すると、かなりボロボロになるのであった。

 まあ、別に私の仕事のパズルが解けなくても、ドイツが侵略してくるわけでもないし、気楽にやろう、お気楽極楽。でも、私にも有名暗号解読者並のひらめきと根気が必要みたい。ひらめきは別にいらないか・・・根気だけね。

 というわけで、今日も仕事帰りにプールに寄ってガシガシ泳いで、頭に上った血を心臓に戻してみたりした。
 経理のおね〜さんの苦悩というか苦行は続く。



11月20日(火)

 結局、昨晩は夜の7時から夜の12時くらいまで起きていたが、それでまた寝た。
 寝て、流れ星を見て、寝て寝て。というとても充実した久々の連休(最近、土日連続して休めたためしがない)であった。

 会社に行くと「今日、机を移動します」というわけで、まだ最後の引越しというか、2メートルほど横に移動。業者がやってくれるので、ブラブラしていて、昼食はミーティングスペースで食べていたのだが、電話やLANの配線も移動するので、けっこう時間がかかっていた。昼過ぎにやっと机がセットされて、パソコンも繋げたので、急いでいろいろ入力していたが、4時に町田にある事務所に行かなければならなかったので途中放棄。今日はほとんど仕事にならなかった。

 町田で降りたのは初めてだったが、栄えてた。打ち合わせを済ませて直帰することになったが、ちょこっと丸井とかを覗いてから小田急線の駅に向かうと、「なんじゃこの雑踏は!?」
 乗換駅でもあるので、人の流れが凄まじかった。

 お家に帰って、休日には手付かずだった洗濯をしていたら母から電話があり「どうだった?見えた?」
 母の家からはベランダからもよく見えたようだ。
 母はとにかく「イベント好き」であるので、こういうものは絶対に見逃さないのであった。

 母がベランダから観測していたら、携帯電話片手に小走りの男の子が下の道を通って行ったようで、
 「え?どこに行ったら見えるだよ!見えね〜よ!」
 などと、話していたので、「よっぽど、ベランダに誘ってあげようと思った」と母曰くであったが、きっと深夜に友達から「おめえ、すげえよ。これ観ねーと!」とか電話がかかってきたので慌てて外に飛び出したが、アパート住まいの大学生だろうから、土地勘もないので、畑や公園がどこにあるのかよくわからずにさまよい歩いていたのだろう。 



11月19日(月)

●しし座流星群を観る

 昨晩、かみちゃんが夕方やっとつかまって「車は横浜にあり、横浜からJ君お勧めの場所に行く」とのことだった。8時くらいに「11時品川集合」になったので、支度をしていたら、きょうみさんから電話が入り「今年はどうかねえ?」他、長電話になってしまい、そろそろ家を出ねばと電話を切ったら、すぐさま、かみちゃんから電話が入り「お願いだから、キャッチくらいいれてよ〜」とまた言われ、集合時間が12時20分に延長される。その電話を切るとまたすぐ別の電話がかかり、今度は母からだった。近況とともにやはり流星群の話になり、巷でも相当盛り上がっているのがわかる。

 終電が終わった品川の京急乗り換え口の階段に座ってかみちゃんを待つ。そこから京浜東北線で横浜。
 日曜、深夜1時の横浜駅は、恐ろしいほどガランとしていて、人もほとんどいなくて、今まで見たことのあるあの雑踏の駅が嘘のように静かだった。西口でJ君が待っていて、車に乗り込み「どこに行くつもりなの?」と聞いたら「海のほう」と言うので「三浦半島の方?」というと「もっと近く。八景島のほう」という。

 新杉田から八景島まで行く、シーラインとかいう名前だったような気がするモノレール電車の沿線には、大型集合住宅と工業地帯があるのだが、その工業団地の中にある公園でやっていたパーティーには何回か言ったことがあった。横浜在住のヤック氏の友達のレゲエ軍団(南西兄弟社)が、PAを持ち込んでフリーパーティをやっていたのだ。

 「もしかして、なんとかテクノタウンとかいうところで、よくゼロヨンやってるとこ?」
 「そうそう、なんで知ってるの?」
 
 最初にその公園に行ったときに、公園の側にパトカーが停まっていたので「ゲ、パーティーを取り締まりに来たのかしら」と不安に思いつつ、会場に着いてそう言ったら、

 「あ〜警察は、ゼロヨンの取り締まりでいっつもいるんだけど、音楽系に対しては全く無視だから大丈夫」

 とのことで、たしかに、遠いのか近いのかよくわからなかったが、頻繁に「キィーーーー」というブレーキの音が響く。あたりの工場は深夜は無人だし、埋め立て地に計画的に作られた工業団地の道は広くて直線だったので、ゼロヨンに最適なのもわかる。
 J君は、ここいらの生まれ育ちなようで、かつてその場所がほんとに「ゼロヨンのメッカ」で毎週末にはギャラリーの数も半端ではなかったようだ。レースをする沿道一杯に人がいたらしい。万単位だったという。それが、警察の摘発と、道路の工事(レースがやりにくいように中央分離帯などをわざわざ作った)などで、衰退していったようだ。

 だから私が数年前に聴いたブレーキの音は、それでもやってくる残党たちというかフォロワーたちの鳴らす音だったのだろう。
 そういえば、2回目にそこを訪れたときには、初めて行く子に「ほら、急ブレーキの音が聞こえるでしょ?ゼロヨンやってんだって。だからパトはそれのためにいるから駐禁取り締まってるわけじゃないんだよ」などと説明していたのだが、公園に入ろうとすると、迷彩服に身を固め、大きな銃を持った集団がわらわらと出てきたので、一瞬「なに?クーデターの準備?」とビビったが、すぐに「深夜の無人地帯でサバゲーを楽しむ人々」だとわかった。

 ゼロヨン、レゲエ、サバゲー・・・・・雑多な趣味が深夜に出会う、変なスポットだ。本日はそこに「流星軍団」が集合というわけか・・・

 着いてみると、そこは私が行ったことのある場所と近かったが別の公園でかなり海に近かったが、デザイン的には同じ意匠だった。何個かこういう「集いの場」が用意されているらしい。
 車もたくさん停まっていて、公園内にも大勢の人が夜空を見上げたり、見上げるフリしてイチャイチャしていたりしたが、残念ながら雲が空を覆っている。それほど厚い雲でもなくて、ところどころ隙間もあるのだが、星は2つくらいしか見えない。時刻は1時半。

 とりあえず、寒いから車に戻り、雲の様子を見守る。
 「こういうときはきっとラジオでやっているんだよ」
 と、AMラジオを聴こうとするが、アンテナの調子が悪いのかAMが全く入らない。FMは日曜深夜なので、イージーリスニングを垂れ流しているだけ。

 かみちゃんは「どこか他の場所に行こう」と言い出すが、今から移動したのでは、雲から逃れることはできないだろう。
 運転席に座るJ君には、さっきまで一緒にお祭り(御酉様)に行っていた近所の悪友から頻繁に電話が入っていて、「まだ雲が多い」とか話していたのだが、突然「あ!見えた!」
 フロントガラス越しに大きいのが見えたという。

 そうこうしているうちに、時刻は2時半くらになったので、もう少し海よりに移動した。ところどころ水銀灯があるし、自動販売機の明かりも邪魔だったが、なんとか暗いところを探した。雲は相変わらず全天を覆っているが、切れ目があるので真上付近にはかなり隙間がある。それでもなんとかしし座らしきものを見つけたので、かみちゃんに説明する。

 横たわっていると、雲の隙間にズバっと大きな光が走った。

 「は、早い〜早すぎる〜それに、明るい〜」

 と、びっくりする。ペルセウス座流星群の観測会などは高校のときの天文部のときにやったことがあるが、もっと光は薄かった。しし座のやつはまるで、海辺で花火をしているような光なのだ。一個見えたものだから、3人ですっかりはまり、じっと空を睨む。
 一つ流れるたびに、遠くで「天体観測」の大義名分で親から外出許可を勝ち取ったらしき、自転車に乗りあわせて集合していた中学生軍団の女の子の「キャー」という悲鳴が海岸に響き渡る。光とギャルの悲鳴が織り成すショーだ(笑)

 雲は邪魔だったが、明るい流星は雲を透けて見えた。そしてその光が雲に反射して怪しい光り方をするのもなかなか風情があった。中には雲に反射して稲妻のようにギザギザに光るものもあった。
 流星痕も生々しく残り、こうして空を見て横たわってくると、花火大会のように燃えカスが顔に振りかかってきそうである。

 3時を過ぎると、かなりの人が諦めて帰っていったようだが、4時くらいから雲が消えてきて、北斗七星もくっきり見えて、オリオンの姿もやっと現れた。
 なにしろ流星が出現する範囲が広くて、あっち見てればこっちという感じだったが、北斗七星のあたりの水平線付近にはときおり雷のように、バラバラと光る。

 この場所でこのくらい観測できたのだから、山のほうはさぞかし凄かっただろう。
 それでもかなり大きな流星がほんとに緑色の爆発光を放つのを何個も見て、「来てよかったね」と大満足。明るさという点ではイマイチな場所だったが、見晴らしはよかったので、水平線間際のものがたくさん見られた。

 4時半までそこで頑張っていたが、雲が消えてから急に冷え込んできたので、退散してJ君お勧めの新杉田にある朝5時からやっているラーメン屋に行く。
 「流星チームが来ているのかなあ?」
 などと思っていたのだが、店に入ると、そこは「労働者の世界」だった。男の世界ってかんじ。夜勤明けの人や、配送途中の運転手などが立ち寄る店らしい。とんこつしょうゆ味のわりとあっさりしたラーメンで体を温め、J君が自分の家まで行って、そこから、「久々に運転するよ〜」というかみちゃんの運転で、恐る恐る高速に入り、朝だからなのか、流星観測の人たちがこぞって帰宅しているのかわからないが、道路はかなり混んでいるのに、早朝なだけに皆運転が荒く、狭い車間なのに車線をガンガン縫っていく車たちに怯えながか、とろとろと帰路に就く。
 
 かみちゃんは運転しながら標識を見るのが苦手なので、(それに道を覚えないし)、隣で必死に標識を見て、指示をしなければなからなったので、眠気を感じている暇もなく第三京浜を降りて、家まで送ってもらった。
 家に着いたら、ちょうど7時だったので、朝のニュースを観ていたら、北海道の町や野辺山でのほんとに星空が崩れ落ちているかのような「1時間5000個」の映像を観る。代々木公園あたりでもかなり見えていたようだ。

 そのまま、ぐっすり寝てしまったらしい。テレビつけっ放しだったのを途中で気が付いて消した。
 電話が鳴ったので起きてとると、S君が成田に着いたらしいのだが、私がかなり寝ぼけていたので、「また掛ける」。時計を見てみたら3時くらいだった。眠かったのでまた寝る。しばらくして、また電話が鳴ったので起きると、家に着いたS君からだった。「まだ寝てたの?」といわれるが、そうか、もう7時か・・・・ああ、12時間気持ちよく熟睡して大変幸せである。

 流れ星もたくさん見れたし・・・ただ、やはりとても高速で流れてしまうので「年末ジャンボが当たりますように」とお願いはできなかった。
 ここんとこ、仕事も忙しかったし、休みも少なかったのでブーブー言っていたが、「流れ星を見るために一日お休み」をしたので、かなり気が済んだ。さて、明日からもまた多忙なのだ。がんばろっと。



11月18日(日)

 昨日は出勤したのだが、なんだか体調がよくなくて、「やはり私は6日連続で働くのに向かないのだ」と納得する。
 家に帰ると、お腹が痛くなり、風邪のひきはじめかもと思って早くに寝てしまった。

 今朝は(というか昼ごろ)ただ眠くてダルいだけで、いつもの休日の体調だったので、大丈夫だったみたい。
 リクエストしていた本がやっと届いたので図書館に行った。

 目当ての本が届くまでのつなぎで、前から気になっていた「舞踏会へ向かう三人の農夫」を読んでいたのだが、これがかなり面白くて、「柴田買い」−−−レコードを買う人たちの間では「ジャケ買い」という言葉がよく使われる。内容ではなくて、ジャケットのデザインが決め手で購入してしまう行為。その類型として「レーベル買い」「プロデューサー買い」「ギタリスト買い」「ドラマー買い」などもある。ちなみに私は以前、レコードやCDの裏のクレジットに Fred Frith と書いてあるものを片っ端から購入していた。(ギタリスト買い)やたらと、いろんなところで腕を振るっているバーナード・パーディのクレジットが入っているものを「ドラマー買い」すると、自宅のビニール盤コレクションがあっという間に200枚くらい増えるらしい。−−−は、やはりハズレが少ないと確信。(柴田元幸氏が翻訳している)

 あまり内容については知らずに読み始めたのだが、けっこう謎解きな要素があるので引き込まれるのだが、3つのストーリーがばらばらに進行して過去と現在、空想と現実がだんだんと複雑にからみ合っていくという、映画「愛と悲しみのボレロ」みたいな構成(だったかな?あまりに昔に観たのでよく憶えていないのだが、あれもなかなか難解だった記憶あり)なのだが、それに芸術論や歴史論が長々と挿入され、小説なのか論文なのかよくわからなくなるのだが、そういうエピソード群が透き通るような紙に描かれて、繊細に重ね合わせて、美しい立体を築いたような小説であった。

 この作者が描き出した世界観になんとなく共感を憶える。真実というものが絶対的なものでなく、画家のデッサンのようにいろいろな線が集まってできた「でも、きっと画家の目の前に横たわる裸婦なんだろう」なものであって、それがデッサンではなくて写真であっても、映像であっても、それが「真実の姿の複製」が大量生産されるということではなくて、「大量生産された数だけ、物語も生産されていく」というような感覚。

 百科事典に書かれているような事柄でも微妙にニュアンスが違うわけだし、2枚の微妙にずれた写真をビューワーで見ると「立体写真」になるように、「物語」も微妙にずれていて、それが重なり合ったときに歴史は立体感を持つという感覚。それは、そんな重大なことではなくても、たとえば二人の人間がケンカしてしまい、片方の話を聞くという行為からは「テキスト」しか得られないが、うっかりもう片方の話を聞いてしまうと、その「物語」はいきなり立体感を持った「飛び出す絵本」のようになってしまうのだ。

 この作者の他の著作も読んでみたいものだ。柴田せんせーよろしく。(人だのみ)

 東京もすっかり紅葉の季節だ。
 緑色の木々がまだらに黄色や赤に染まっていて、スーラの点描みたいでとてもきれい。光と影とは違う別の次元での立体感が生まれて、夢心地である。
 私は特にイチョウの木が黄色くなっていくのを観察するのが好きだ。

 「おお、今日は、ビッグバー度30パーセント!」

 ビッグバー度とは、イチョウの木が「ビッグバード」に変化している度合いである。近所の寺に巨大なイチョウの木があり、今日通りがかったら、ビッグバー度40%くらいになっていた。
 
 関係ないが、私はわりと「ロンパリ」の男性が好きである。(ロンパリという言葉は悪いかもしれないので「斜視」と表現したほうがいいのか?)
 ただし、そう言うと、よく「テリー伊藤?」といわれるのだが、彼は除外させていただく。一応弁明しておくと己の「斜視萌え」に気が付いたのは、ジェームズ・スペイダーに入れ込んでいたときであった。「あの斜視気味の流し目がたまらん」と思っていたのだが、あるとき、ソニービルのセサミストリート・グッズ売り場をそぞろ歩いているときに、クッキー・モンスターのぬいぐるみを見ていたら、「あ、これだったのか!」と気が付いたのである。
 それ以来、斜視気味の男性を目の前にして「ドキドキ」とか思っても、「ああ、私ったら、なんでこんなに落ち着きがなくなってしまうの?これは恋?」などと思わずに、ちゃんと「ああ、これでクッキーむさぼり食ってくれたらサイコーなのに」と正しく対処できるようになったので、特に問題はないが、もしかしたら私が送る熱い視線を「この人、俺に気があるのかな?」と誤解した方がたまたまテレパス能力所持者で、私の頭の中をスキャンしたら「クッキー・モンスター」と自分の顔が並列になっているのを知ってショックを受けてしまうかもしれないな。

 さて、張り切って明日は休みをとってしまったのだが、まだどこに観にいくか決まっていないのであった。>しし座流星群
 天気がよいといいのだけれども・・・・ホカロンと方位磁石を慌てて購入した。



11月16日(金)

 明日も出勤なので、金曜日が「花金」(死語の世界か?)ではないのである。今月になって日曜日しか休んでいないのだが、週6日労働にも馴染んできた自分が嫌だ。
 7時くらいまで残業してから、今日こそスポーツクラブに寄って、久々にパラパラのレッスンに参加。今日の曲は、わりと好きな「スカイ ハイ」だった。明るいサビにノって両腕をブルンブルンさせたら、かなり頭がクリアになったような気がする。


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